4月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2018/04/13(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.405~マリンバでジャズを】

 ャズの歴史は百数十年、一方クラシック音楽は数百年。まあこれもどこをスタートとするかによって大分歴史も変って来るのだろうが...。さてそれぞれに長い歴史を抱えるこのジャズとクラシック音楽。これを融合した音楽と言えば~1960年代に流行したサードストリームなどとも呼ばれ、MJQのジョン・ルイスや現代音楽家のガンサー・シュラー等が主導した大胆な試みなどもあったが、最近は余りそうした意慾的な試みも見られなくなってしまった。そして何と言ってもこの両分野の融合と言えば、大ヒットしたフランスのジャズピアニスト、ジャック・ルーシェ、同じフランスのジャズコーラスグループ「イングル・シンガース」、この2
者によるバッハ作品のジャズ化と言うことになろう。しかしこれはヒットした割には新しい何かを生み出すまでは至らなかったと言うのが実情だろう。そしてジャズとクラシックは今でも相互交流の動きはあるし、お互いに良い影響を受け・与えるという関係は続いている様にも思えるが...。

 
といささか生煮えの前置きで始まった今回のコラム、一体何を言いたいのかと言うと、実は今週番組に登場する女性がクラシックのマリンバ奏者で、彼女がビル・エバンスなどとの共演で知られる名ベーシスト、エディー・ゴメスと一緒に、ジャズとクラシックを新しい形で融合させたアルバム『ハートフル・クラシック。ジャズ~彩の風景』を発表。それを携えてスタジオに遊びに来てくれたと言う話の前置きなのだが...。
 
その女性の名前は北沢恵美子。ぼくも収録のスタジオで彼女と初めて対面したのだが、ジャズとクラシックを融合したこのアルバムを、番組で紹介することになったのも本当にちょっとした切っ掛け。今まで50年を超す番組の長い歴史の中でも、初めてとも言える珍しい経験だった。北沢さんはあのクラシックの名門、桐朋学園のマリンバ科(打楽器科)を優秀な成績で卒業、この珍しい楽器で海外公演などもこなすかなりな才媛らしいが、マリンバと言う楽器(木琴を大きくしいた様なもの)は外国以上に日本では盛んで、プロのマリンバ奏者も結構いるとのこと。その彼女のアルバムの存在を知ったのは、神保町にあるぼくのご贔屓のジャズスポット「アデュロン・ダック」。この店で知り合いと待ち合わせをしている時に、バックで流れていたのがこのアルバムだった。バッハのインベンションやスカルラッティ、カッチーニの「アベマリア」などバロック音楽の銘品をジャズとクラシックの趣味良い融合演奏で聴かせ、印象に残る温かみのある作品。そこでマスターの滝沢氏にこれなんのアルバムと聞くと、隣に座っていた女性が私の姉のアルバムで出来たばかりのものですと言うではないか...。そこで彼女と少し話をしてみると、彼女達姉妹は神保町きっての老舗古書店「北沢書店」の娘さんで神田っ子。姉の方はクラシックのマリンバ奏者で実家の出版業も手伝っており、自身は北沢書店の1階で児童書の書店(夜にはお酒を飲ませるブックカフェに変わる)をやっていると言う。そうかあの大きな児童書店ならばこれまで何回も覗きに行ったことがある...と言うことで意気投合、では姉さんにスタジオに来てもらいアルバム紹介を...と言う話に迄進んだのがことの経緯。

 
北沢書店の娘さんと知り合いになれるとは結構な幸運とも思ったが、これが縁と言うもの。アルバムもゴメスと北沢さんとの息もぴったりでバッハやヘンデル、スカルラッティなどぼくの好きなバロック曲が目白押し。中でもあのスペインのバロック期を代表するソレール「ファンダンゴ」を取り上げている所も何とも嬉しい...。  
 スタジオに来た北沢恵美子さんは、ラジオ出演は初めてと言うことで、いささか緊張気味。しかしエディー・ゴメスと共演した喜びやアルバム作りの難しさなどを控えめにしかも熱っぽく語って呉れて、実に好感の持てるお人柄、直ぐにファンになってしまった。
 
アルバムは全11曲で、中にはゴメスとのデュオナンバー(ゴメスは彼女のベーシックトラックを聴いて、NYのスタジオでプレーをしたようだが、これがまた実によくフィットしている)などもあり、曲によってはマリンバの兄弟楽器、ヴァイブを彼女が重奏しているものもある。元々はあるレコード会社から出すはずだったのだがその会社が発売直前に閉鎖、自身の北沢出版からの発売となるなどのトラブルもあったようだが、彼女はめげずに頑張っている。「音楽は国境を越え幸せな気持ちを生む...」と言う彼女の心情が良く生かされた好アルバムだと思いますよ。
【今週の番組ゲスト:マリンバ奏者の北澤恵美子さん】
エディ・ゴメスと共演したアルバム「ハートフル・クラシックジャズ〜彩りの風景」から
M1
「アルマンド(バッハ)」
M2
「かっこう(ダカン)」
M3
「ファンダンゴ(ソレル)」
M4
「カッチーニのアヴェ・マリア」

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