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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.172~女性ジャズプレイヤー~】

 女性のジャズ・プレーヤー&シンガーの名前には、分かりずらいものも多い。チカとかマヤとかグレース等々、国籍不明の人も多く、バタ臭い名前なのでこれはひょっとしてかなりな...、などと期待して会うと、これが典型的な肝っ玉母ちゃんだったりして、がっかりなどと言う事も少なくない。

 我が「テイスト・オブ・ジャズ」でも、そのいささか国籍不明の女性ミュージシャンが、今週と来週の2週間続く。と言っても2人とも折り紙つきの実力派揃い。まず今週登場するのがピアニストのMIKAで、来週はフルート奏者のMIYA。KとYの違いだけで、どちらがどちらかはっきりしない所も多く、特にMIKAの方は、活躍の場所がNYだけに、日本のファンには余り馴染みがないだろうから、その混乱の度合いはさらに大きい。そのMIKA。岡山出身の彼女は、日本ではほとんど活動をしないうちにアメリカに渡り、いわゆるジャズと言うよりもブラジルのサンバに興味を抱き、サンバ・ジャズとも言える日本では誰も手を付けていない分野がその活動の中心なのだが、最近本場でもなかなかの注目株。その彼女がこの度初めてのリーダー作『サンバ・ジャズ』を発表、そのリリース記念ツアーで短期間日本に戻って来たもの。「サンバ・ジャズ」は60年代から70年代初めにかけて、本場ブラジルで人気を博したものだが、この所はあまり耳にしない。それだけに本場ブラジルにも渡り研鑽したのだが、師匠を見付けるのも一苦労だったようだ。今はNYとブラジルを行き来する生活、そのデビュー作でのノリの良さは抜群。ジャズのリズムとサンバの融合はなかなか難しいとも語っているが、その手捌きは見事だ。女一人NYとブラジルを行き来しているだけに、逞しさと度胸の良さも天下一品だ。

 来週登場のMIYAさんは、既に3枚のアルバムを出しているフルートの注目株。父親が日本人で母親がイギリス人と言うハーフ 美人。青梅で生まれ育ったと言う純日本女性だが、学生時代はイギリスにもよく遊びに行ったとも言う。スタイルも良く美形なので、フルート奏者としてうってつけ、さぞや人気が出るだろうと思われるのだが、目指す音楽が中々に尖鋭的で、彼女の才を最初に認めたのが山下洋輔さんで、共演が多いのが山下一派のスガダイロウと来れば、その容姿に似ぬ中々の硬骨レディーと窺える。最近はジャズと言うよりも他の分野(書道やダンスなど)との異種共演も多く、自身も単に音楽家と称している様である。その尖がった活動に反して実に物腰のソフトな美人だけに、多くのファンが彼女に引きつけられるはずだが、その音楽が柔では無いだけにファンもいささか引いてしまうのかも知れない。この10月の終わりからは、イギリスとドイツにツアーに出て、現地の即興演奏家たちとぶっつけの競演をするのだとも言う。そして来年の初め、恒例の東京オペラ・シティー、山下洋輔新春コンサートにゲスト出演、山下&スガの2人を相手に即興演奏を繰り広げると言う。期待大のステージである。
 MIKAとMIYA.行動力には溢れた素晴らしい女性達である。

【今週の番組ゲスト】サンバジャズピアニストのMIKAさん。ニューヨークを拠点にして、日本、ブラジルを飛び回って活躍していらっしゃいます。今年5月に発売された『Mika Samba Jazz Torio Vol.1』から4曲ご紹介します。
M1『Samba da Isabel』
M2『Requiem』
M3『Sao Salvador』
M4『Imagem』

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