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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.314~ジャズDJ】

 昔から「都会の田舎っぺ」と言われてきただけに、東京の杉並育ちで今は文化タウンの国立に住まいながらも、余り都会的な流行事象には詳しくない。一時ジャズは時代の先端を行くまさに流行音楽だったが、この数十年はどうも雲行きは怪しく全体に元気がない。しかしこのところ都心のクラブ(もう殆どご無沙汰なのだが...)では、ジャズを媒体にしたDJがかなりな人気を博しており、ラジオNIKKEI第2のRNⅡ立ち上がりを担当していた、我が大学クラブ&局の後輩、エルカミナント岡本君もサルサDJの権威とのことだが、そうした有力ジャズDJ達によるコンピレーションアルバムも結構売れ行きがいいとのこと。残念ながらそうしたDJとはほとんどお付き合いが無い。そこでこのジャズDJのトップ的な存在で、レコード番長とも異名を取る(アナログアルバムに詳しい)須永辰緒氏を、知り合いを通して紹介してもらい、彼に新しく出した彼のジャズコンピレーションアルバムを持参、スタジオに遊びに来てもらった。

 
須永辰緒氏のジャズコンピレーションシリーズは、「夜ジャズ」と言う名前のシリーズで既に15作以上を数える人気シリーズになっている。初対面の須永氏、今流行りのトップDJだけに、夜の収録にも関わらずグラサン(サングラス)をかけ、かなり強面の風情。これまでの夜シリーズはほとんどが海外のジャズレーベルからコンパイルされたものだったが、このところ日本人の若いジャズメンにも面白い存在が登場するようになり、ここらでそうした推薦株を集めたものを作らねばと言うことで新作は夜シリーズの別冊という意味合いで、「番外編」と名付けたのだと言う。
 
ここには若いギンギンに突っ走ったジャズが全部で10数曲集められており、人気バンド以外にもいわゆるジャズ屋(ジャズ関係者)とはちょっと違う視点で採用されたものも多い。これがジャズなのかと言ったものもいくつかあるが、須永氏の言うジャズ=初期衝動としての音楽と言う視点からすると、まあジャズだなと頷かされるものも少なくない。

 
こうしたジャズ及びジャズ周辺の音楽をクラブで掛け、来場者を躍らせ、聴かせるその腕前が問われるなかなかに厳しい仕事でもある。客は20代がメインで30代や大学生、高校生も参加しているとも聞く。「そうした若いファンはジャズ愉しんでますか...」と聞いてみると、特にジャズなどと言うことを意識することなく、他の音楽同様愉しんでいるのだと言う返事、「かなり激しいリズムのジャズナンバーでも、軽くステップを踏むんですよ、今の若い人は...」等と言われるが、オールドボーイのぼくには、その光景ちょっと想像もつかない。

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夜」ジャズコンピレーションを仕上げるときにはかなりな数の関連アルバムを聴き、そこからいくつか候補作をピックアップ、特に全体の流れを作るのに腐心をするとのこと。ただ長年のDJ勘でどうしたら聴くものが心地良くなれるかは、自ずと決まってくるものだとも言う。ジャズはかつてその歴史を紐解きながらのお勉強と言った側面も強く、番組でもジャズ評論家、青木和富氏に新しい観点でジャズのおさらいをしているが、若い人たちにはジャズの流れや歴史などと言ったものは、あまり関係無いのかもしれない。すこし寂しく諦めの境地でもある。
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オールドボーイのジャズファン達を集め、一度青山や六本木のクラブに視察に行こうかな...」と言ったら、「是非そうしてくださいよ。今の若いファンの気持ちが良く分かりますから...」と励まされてしまった。どなたかクラブご一緒しませんか。
【今週の番組ゲスト:音楽プロデューサーでDJの須永辰緒さん】
M1「Nomad/bohemianvoodoo」
M2「Little Italy/TRI4TH」
M3「襟裳岬/T字路's」
M4「Don't Look Back in Anger/fox capture plan」

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