11月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2018/11/02(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.434~ブラジルからのギタリスト】

 先日東京駅そばのジャズクラブ「コットンクラブ」に行ってきた。ブラジル出身の知る人ぞ知る名ギタリスト、ホメロ・ルバンボの来日公演があると聞き、これは聞き逃せないと思って駆け付けた次第。ホメロは現在はNY在住のはずで、ブラジルからのギタリストとはならないのだが、ダイアナ・クラールを始め多くの一流シンガーが、ボサノバなどのブラジル関連ナンバーを歌おうと思った時に、まず最初に思いつくのが彼の名前で、実際多くのシンガーとステージやアルバムなどでも共演、引く手数多のギタリストである。来日公演も数多い筈なのだが、残念ながらこれまで一度もそのステージに接したことが無い。時々ディスクユニオン等で中古アルバムを探る時に、ホメロの名前がクレジットされていると自ずと手が伸びてしまうと言う、外れアルバムの無い人でもある。 
 
 
ところでこのコラムをお読みになって頂いている方はお分かりと思うが、ぼくはまず第一義的にラテンジャズ愛好者なのだが、同じ楽園系中南米音楽として、ブラジルものもかなりな愛好家。その第一人者が来日とあるので、これは行かねばと思うのも必定。時々ラテン音楽とひとくくりにされてしまう関係からか、キューバやNYサルサ等のラテン系音楽とブラジリアンミュージックを、同じ一つのものに考えている向きも結構いるのだが、これは大間違い。中南米系にはこの他タンゴやレゲエも、それぞれアルゼンチンとジャマイカの音楽と言うことで混同されるのだが、これらとラテン&ブラジルものが違うのは分かっていても、ラテンとブラジルを同じジャンルと考えてしまう向きも決して少なくない様だ。しかしこの2つの音楽はまず言語そして根本のリズムなど全くの別物なのである。

 
そんな話はさて置いて、肝心のホメロなのだが、今回の来日ステージはピアノの俊才ピーター・マーチンとのデュオ共演。セントルイス出身のマーチンの方は、ジャズの登竜門「モンク・コンペティション」で準優勝した実力の持ち主で、ジョシア・レッドマンのバンドに加わったり、多くのシンガーの伴奏を務めるなど多方面で活躍しており、7年ほど前にはホワイトハウスに招かれ、あのオバマ大統領に自身の演奏を披露したと言う経歴の持ち主。この真の実力者同士のデュオだけに、内容はもう保証済みといった感じもあるのだが、如何せん2人とも地味過ぎる感も強い。それだけに観客の数がいささか心配と...「コットンクラブ」に出かけてみたら、案の定心配通りに客席はかなり空きが目立ったが、2人を愛するコアなファンも多い様だ。

 
ステージはブラジリアンミュージックの佳品を皮切りに、ピーターの生地、セントルイス出身の偉人、チャーリー・パーカーのバップ・チューン、ファンク・ナンバー、それに2人のオリジナルなど、実に守備範囲の広いレパートリーで、味わい豊かな滋味深い演奏が繰り広げられ愉しめた。特にホメロがエレキギターでファンクを演奏するのには少なからず驚かされたが、やはり何でもこなせる達人なのである。ピーターの方は確かニューオーリーンズでも活動していた筈で、日本デビュー作は「ニューオリーズーンズの新星登場」等と言う謳い文句だったと記憶しているが、「ニューオリーンズ―ハバナ」と言う彼のオリジナルは、この2都市即ちジャズとラテンジャズの融合に加え、更にホメロのブラジル要素も加わり、見事な中南米トライアングルミュージックが現出されていた。
 もう少し客席が埋まっていれば...などと余計な心配までしてしまったが、心に沁みる本当に良いコンサートでした。同行の女性はホメロのギターにいたく感激、彼の最新アルバム『サンパ』を買い求め、サインまでしてもらうことになり、更に感激の面持ち。いずれにせよ実に心地良い一晩でした。

【今週の番組ゲスト:四谷ジャズ喫茶イーグルの店主・後藤雅洋さんと、小学館「隔週刊CDつきマガジン」シリーズの編集長 小林慎一郎さん】

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