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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.180~アデュロン・ダック~】

 神保町と言えば古本街と相場が決まっているが、この街のもう一つの顔、それがジャズなのである。元々70年代初めぐらいまでは、明治、中央、日大など大学が乱立していたこの街は、当時大学生に人気のモダン・ジャズで溢れる新宿と並ぶジャズ街だった。それが中央、日大は移転してしまい、肝心のジャズ自身も人気が下火となり、数多くあったジャズ喫茶やレコード店も激減、一頃の活気はどこへやら...という全く寂しい状況が続いたのだった。それがここ数年様相は一変、この街でジャズが復興を遂げつつある。ジャズ喫茶も5~6軒に戻り、かつての中古屋から大変身のオシャレな「ディスク・ユニオン・ジャズ本館」が明治大の脇に出来るなど、かつての面影を徐々に取り戻しつつあるのだ。
 その新しいジャズ街、神保町を代表するのが、「グラウアー」と「アデュロン・ダック」という2軒のジャズ喫茶・バー。「グラウアー」の方は、ジャズの代表的レーベル「リバーサイド」の権威、古庄氏がマスターを務め、かなり格調高いジャズ・サロンと言った趣き。それに対し「アデュロン・ダック」の方は、NYで敏腕ジャズ・レコード・バイヤーとして鳴らし、帰国後も輸入盤屋を開業、3年ほど前にジャズ・バーを開いたジャズ知識豊富ながらも気さくな人柄の滝沢さんが、ご夫婦でやっているお店。対照的な店だが直ぐ近くにあり、両方とも居心地良い。

 その中の「アデュロン・ダック」が、このほど自身のレーベルを立ち上げ、その第一弾が12月頭に発売されることとなった。「アデュロン・ダック」では月に1~2回ライブをやっており、そのライブで収録した音源をアルバム化したもの。記念すべきだ第1弾は札幌を拠点にしているピアニスト板谷大。マスターが以前からその実力を高く評価していた、知る人ぞ知る存在のピアニスト。札幌が拠点だけに東京ではあまり知られていないが、その実力を広く知らしめたいと、レーベル誕生の第1弾に選んだもので、これがデビュー・アルバムとなる。アルバムにはこれも隠れ名人のテナーマン、右近氏も数曲で参加、いい味わいを醸し出している。

 我がジャズ番組には2人で一緒に登場したが、中間派的色彩の濃いアルバムで、滝沢さんの趣味もかなり色濃く出ている感じ。ジャケットもマスターならではの拘りで、マミヤ・カメラの創始者間宮精一氏が1920年代にNYで撮ったという、大変に印象的なスナップ。セピア色のこの写真だけでも価値がある、と滝沢さんは語っていたが、内容ともども好発進、番組のトークも中々のものだった。アルバム同様、神保町のお店も是非ご贔屓にして下さい。

【今週の番組ゲスト:ピアニスト板谷大(ひろし)さんとアデュロンダックカフェオーナーの滝沢理(おさむ)さん】
神保町のアデュロンダック・カフェから新しくジャズレーベルが誕生しました!その第一弾が、北海道在住のピアニスト板谷大さんの『TOPSY』。今週はゲストに板谷大さんと、アデュロンダックカフェのオーナーでレーベル主催者の滝沢理さんにお越しいただきました!
M1「Somebody Sweet Heart」
M2「How High The Moon」
M3「Topsy」

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