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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.62~追分通信~】

 例年だと7月末から追分の山荘に来るのだが、今年は多くの特番や7月末のイベントなどなんやかんやあって、山荘に来たのはお盆の15日。流石にこのお盆を過ぎると国際的な避暑地、軽井沢も、駅前のアウトレットなどを除けばぐっと人が減るようで、特に西端〈西軽井沢とも称する〉の追分の街などはかなり閑散としている。と言ってもその町まで歩いて出るにはお山〈浅間山〉を目指して30分ほどなので、あまり出ることも無く、もっぱら読書とジャズ&クラシック鑑賞、そして朝の馬鹿犬を伴った散歩。しかし残念なことに新しい別荘が川〈御影用水〉沿いに次々に出来るのだが、どれも今まであった森を伐採してしまっていること。追分ですらそうだから、軽井沢の町の方はもう自然破戒などというものではないほど伐採が進んでいる。“軽井沢会”など一部でトラスト運動を行い伐採をとめていたのだが、その甲斐もなく、これでは都会と替わらなくなってしまう。まったく残念なことである。

 ただこの山荘での最大の楽しみは,ここから車で1時間ほどで、ラグビーのメッカ、菅平へ行ける事。わが早大ラグビー部のグランドに足を運び、練習試合で勝利するのを観るのが、何よりの楽しみだ。後輩のジャズ・ボーカリスト、丸山繁雄が“ラグビー組曲”を捧げた、永遠のフランカー、石塚氏は急逝してしまったが、彼が監督をしていた常総学院は元気に練習に励んでいるはずで、やはりラグビーは素晴らしい。どうして人気が無くなってしまったのか…、これも残念なことだ。

 そしてこの山荘で聴くジャズと言えば、やはり清涼感溢れる“ECM”の諸作ということになる。そして今年僕のお気に入りは、話題の歌姫、グレッチェン・パーラト。ジャズ界の登竜門”モンク・コンペティション“のボーカル部門で2004年にトップに輝いた彼女は、ハスキー・ボイスでボサノバから最新のロック・ヒット・チューンまでを、つぶやくように唄い、密やかにささやきかける。ポップから前衛まで軽々と唄いこなすその才能に、ハンコックやショーターといったジャズ界の大物達も、メロメロにさせられているとも聞く。本当に新しい資質の誕生と思うし、なによりこの追分の森の中でも、彼女のささやきにはそそられるものがある。番組でもこの秋には特集するつもりですので、興味があれば是非聴いてみてください。


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