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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.283~クリスマスジャズ】

 
12月に入ると街はクリスマス一色。どこそこのイルミネーショオンが...と言った特集が雑誌の誌面を飾るが、こちとらロートルおっさんにはほとんど無縁な記事。しかし一頃のクリスマス狂想曲が姿を潜めたように思えるのは好ましいことだ。ぼく達ロートル世代のガキ時代はほとんど全員が貧しく、生活もつつましいもので、クリスマスプレゼントなんてものは全く無縁だったが、ただ小学校の2年生の頃どうしたはずみか、親父がクリスマスで街へ連れて行ってくれることになり、銀座から京橋辺りをぶらついた想い出がある。あの頃はまだクリスマスなどは異郷のもの。信じられない程の大勢の人達がすることも無く(当然買い物をする金も無い)、ただブラブラと銀座の街をほっつき歩いている光景は、今見れば異常なのだが、クリスマスとは街をぶらつくことと言ったイメージが植えつけられてしまい、その後も何となく街に出てほっつく癖がついてしまった。

 
そんなクリスマスも欧米では最大の年中行事。それだけにこの時期の商戦も活発で、なにかにつけクリスマス関連グッズも登場する。当然音楽業界もこれに便乗してポップスやトラッドのクリスマスソングを集めたクリスマス関連アルバムがこの時期には数多く街に出回る。ポップス系のクリスマスソングと言えば代表曲は「ホワイト・クリスマス」。これは歌い踊る貴公子、ビング・クロスビーが主演した同名映画の主題曲なのだが、彼が歌って大ヒットし、クリスマスはこの曲と言う事になり,そのクロスビーを受け継いだのがボーカル帝王、フランク・シナトラ。マフィアとの関係も噂されるこのショウビジネス界の帝王のクリスマスアルバムは、老若男女を通じて大ヒットし、一家に一枚的なアルバムにもなっている。

 こうした歌ものクリスマスアルバムがこの手では主流だが、勿論演奏もののクリスマスアルバムも数多く、あのマイルスもクリスマス関連曲を吹き込んでいるほど。アメリカの場合にはレコーデイングの時にわざわざクリスマスナンバーを1曲ほど余計に吹き込んでおき、その年の暮れのクリスマス作品に収録などと言う事も少なくないとも言われている。

 
こうしたジャズクリスマスアルバムはわが国でもこの時期の定番になっており、今年も何枚か出されているが、注目はピアニスト立石一海くんのもの。彼は上智大のジャズ研出身で卒業後はレコード会社「ビクター」のジャズディレクターを務め「熱帯ジャズ楽団」などを担当、レコード不況のあおりを受け退社、もともと好きだったジャズピアニストとして独立したと言う経歴の持ち主。独立後はジブリやTVアニメ作品のジャズ化アルバムを数枚出しこれがヒットしたのだが、これを偶然聴いたのが韓国のレコードプロデュサーで、彼はこのアニメジャズ作が大いに気に入り、韓国でツアーをやらないかと彼を誘い、それ以来韓国でも人気を得て今回のクリスマス作品はその韓国のレコード会社からの作品と聞く。邦盤はジャケットを日本で人気の高いムーミンの絵に変え、それも好評のようだ。「ホワイトクリスマス」「サンタが街に...」など典型的なクリスマスソングが並ぶが、アニメジャズでの子供から大人までのハートをがっちり掴むノウハウを生かし、今回も実に聴きやすく愉しいクリスマスジャズアルバムに仕立ててくれている。今回はその彼をスタジオに呼び、好評の韓国ツアーやアニメ・ジャズの面白さなどを語ってもらう。性格もいい好男子の彼は子供の為のジャズ・コンサートも実施、ジャズの普及にも勤めている。お愉しみに。


【今週の番組ゲスト:ピアニストの立石一海(かずみ)さん】
M1「Let It Snow Let It Snow Let It Snow」
M2「Have Yourself A Merry Little Christmas」
M3「Rudolph The Red-Nosed Reindeer」
M4「December In Seoul」 

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