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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.157~老練なピアノ職人~】

 J-ジャズを象徴する女性ジャズ・アーチストの中でも、最も際立っている存在が、国際的な活躍を示す上原ひろみと、女性時代の幕開けから牽引役を務めている寺井尚子だと言う事は、万人が認めるところだろう。特に寺井はJ-ジャズの世界にジャズ・ヴァイオリンと言う新しい分野を打ち立てたパイオニアでもあり、今や彼女に続く女性ジャズ・ヴァイオリン奏者も、数多く巣立っている。そんな女王・女傑とも言える存在の彼女のバンドで、長年音楽監督的立場で彼女を支えているのが、ピアニストの北島直樹である。

 もう5年ほど前になるが、ぼくがコーディネイト役になり、ボーカルの重鎮、マーサ三宅のアルバムを久方ぶり(10数年振り)の作ったことがあった。その時マーサさんがピアニストとして推薦したのが北島さんだった。彼も歌伴は大好きな様で、寺井バンドの合間を縫ってレコーディングに参加、音楽監督を務めてくれた。その時一緒に仕事をしてみて、その多岐に渡る音楽歴、素敵な人柄などに惹かれ、大ファンになってしまった。そのレコーディングの合間、色々雑談をしている時、彼もまた自身のアルバム(1枚だけあった)を長い間発表していないことに気付き、それとなく自身のアルバムを出してみたらと勧めると感触良好。そこでマーサさんのアルバムの社長に掛け合って、北島リーダー作を作ることを決めた。経費など諸般の事情も考慮し、彼のソロと色々な楽器とのデュオと言う構成で、タイトルも『アローン&トゥギャザー』とした。ジャズのスタンダード・ナンバー「&」を加え、アルバムを代表するスタンダード「アローン・トゥギャザー」も当然入れ込んでもらった。このアルバム、おかげでかなりな好評を博し、その後彼との付き合いが始まったが、今度は若手を招いた自身のトリオで、新作『ムーン・オン・ザ・ミステリアス・レイク』(ティートックレコーズ)を発表した。全曲彼のオリジナルという意欲作。その新作を携え、スタジオに現れた北島さん。寺井を始めマーサ三宅等々、多くの女傑たちを相手に、見事にセッションを盛り上げる。人格者北島ならではの技だし、ベテラン・ピアノ職人、北島の本領発揮の場面でもある。

この5月からは寺井バンドだけでなく、あの宇崎竜堂のバックを、北島組として務めているとのこと。番組では宇崎さんの魅力なども語ってくれているが、何より自身の謙虚さが好いんです。新作も良い曲が並んでおり、期待通り。好漢北島の話と演奏、是非お愉しみ下さいね。

【今週のゲスト:ピアニストの北島直樹さん】
リリースされたばかりの3rdアルバム『Moon on the Mysterious Lake』から、タイトルチューンも含め4曲ご紹介します。
M1『Day Dream』
M2『Moon on the Mysterious Lake』
M3『Night in Hanoi』
M4『Out of The Mind』




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