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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.148~秋田の女性ピアニスト~】
 3週間続いた女性ピアニスト特集の最後は、秋田在住の早川泰子。今回東京と横浜のジャズ・クラブに招かれ、4か所ほどでギグ(仕事)をこなすらしいが、その合間を縫ってスタジオに遊びに来てくれた。彼女と顔合わせるのは今回が初めてだが、今から10年程前、彼女がデビュー・アルバムを出した時に、ジャズ専門誌「スイング・ジャーナル」のアルバム・レビューをぼくが担当する事になり、初めてその存在を知ったのだった。当時は秋田在住のピアニスト、と言う位しかインフォメーションが無かったのだが、そのバップ一筋の真摯な姿勢には心惹かれるものがあった。

 最近はそんな傾向も薄れつつあるが、やはりジャズ(J-ジャズ)は東京...と言うイメージはまだまだ強い。確かに大阪、神戸と言った関西圏や福岡、札幌などと言った大都市では、その土地在住のジャズ・ミュージシャンも少なくないが、秋田というある意味ジャズの辺境の地で、頑張っている女性がいるのは大変に心強い思いもある。そんな彼女もデビュー・アルバム以降、順調にその実力を伸ばし続け、東京などでも良くライブを行うようになった。その一つが我ら、早大ジャズ研の拠点でもある新宿の老舗クラブ「J」。マスターのバードマン幸田(大学の同期)からも、是非彼女を番組に登場させるようにと強く勧められ、ぼく自身も一度会ってみたいとも思っていたのだが、今回ようやく幸田くんとの約束も実現した次第。

 実際の彼女はお年の割に(失礼)、実にしぐさなど可愛らしいお人だった。だが何より驚かされたのは、ぼくが敬愛する日本の至高のバップ・ピアニスト、故大野三平さんの唯一の弟子だと言う事。この大野氏20年ほど前、番組にも登場してもらったが、典型的な破滅型ジャズメンで、苦み走ったいい男で女泣かせ。番組終了後当時の担当アナをしつこく誘い、彼女も音を上げていたが、ある意味そのプレー同様に一途で猪突猛進、そこらへんに多くの女性がコロッと参ってしまうのかも知れない。そんな三平さんの思い出を、彼女と1時間ほどしていたが、彼女のバップに賭ける情熱は師匠譲りのものと至極納得できた。

 彼女の旦那は今秋田でジャズ・クラブを開いており、彼女のアルバムのジャケットを切り絵で飾るなど、毎回全面協力していると言うおしどり夫婦の様だ。秋田が大好きでこの地を離れることなど考えられないと言う彼女、J-ジャズにもこうした地域的な拡がりが出て来ることは、大変歓迎すべきなのだろうと、彼女の話を聞いていて感じ入った次第。 その早川さんの登場は、4月最終週のジャズの時間です。乞うご期待!

【今週のゲスト秋田在住のジャズピアニスト 早川泰子(やすこ)さん】
M1「クレオパトラの夢」
M2「RHYTHM A NING」
M3「翳『砂の器』より」
M4「FLYING HOME」

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