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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.605~川嶋哲郎~】

 中野区の幾つかの区民センタ―でジャズ講座~ジャズトークをはじめてもう7、8年になる。それが他の郊外の市民センターにも徐々に広がっており、実施は結構大変ながらもそれなりに愉しいものでもある。最初の頃は3・4回のシリーズ企画だったので、「ジャズの沿革」とか「日本でジャズが始まった頃~戦前のジャズ」などと、系統立てて企画を考えたりしたものだが、如何せん平日の昼間開催だけに、参加するのは暇に任せた高齢の方達。ジャズなんぞにほとんど興味ない方達も多く、余りこちらの話などには感心ない方も多い様だ。そこでシリーズものよりも1、2回のスペシャル企画として、旧知のミュージシャンをゲストに呼び演奏をして貰い、その人のアルバムなども紹介し、軽いジャズ談義をする...と言った、肩の凝らない形式に変えているが、こちらだと結構人が集まるのである。やはり生演奏は強しである。

 毎回50人ほどの参加者だが、ゲストの方もボランティア感覚で来てもらっている。ただしこのゲスト選びもなかなか大変で、こうした会場ではピアノなど楽器設備が無い所も多い。こうした場合やはりピアニストだと話を進めるうえなど何かと便利なのだが、そうなるとソロでやれる楽器の方を呼ぶしかない。サックス奏者やハーモニカ奏者等々で、ジャズシンガーなどはソロではまず実演が出来ないのでNG。その上若手では無く、それなりに名前のある人を...という主催者側のリクエストもあり、難しい選択を迫られる。

 先日も中野区のある区民センターで、ジャズトーク(ジャズ講座)を実施、3年ほど前にゲストに招き好評だった、日本のテナーサックスの第一人者、川嶋哲郎氏をまた招くことにした。川嶋氏はもう要領を心得ているので快諾を頂いたのだが、やはり気になるのは参加人数。毎回無料で参加随時なので人数は全く読めない。なによりもゲストの人気度よりも、天気具合に左右されるのだ。暇だから昼間の2時間ほどジャズ演奏でも聞こうか...、と言った感じで参加される方が多く、日本の第一人者の川嶋氏がソロでプレーして、トークもするから...と言った本来の趣旨に賛同していらっしゃる方はほんの2割程度。毎回イベント当日の参加者の人数には本当にやきもきさせられ、その日が雨模様などと言ったら目も当てられない。幸いなことに雨だったことは2回ほど、まあついているのである。

 今回の川嶋氏のジャズトークセッション当日も小春日和。まあこれならば...と思ったら、まあまあの50人強の参加。テナーソロで、自身のオリジナル「ラメンテーション」や童謡「故郷」のジャズバージョンなど3曲を披露、流石と言う出来栄えで参加者を魅了してくれた。J-ジャズのテナー部門で人気・実力のトップに君臨する彼だが、こうした場でも決して手を抜かない、真剣な演奏を聴かせてくれる辺り本当に頭が下がる。その上彼のトークが秀逸。専門誌「ジャズ・ライフ」で連載している「気ままにジャズ・トーク」は、ジャズを通した人生訓と言うか、ジャズを通した気軽な哲学覚書と言った趣きの素晴らしい内容。これをジャズ本で無く軽やかな哲学書として売り出したら...と、彼には勧めているのだがまだ実現はしていない。だが本になったら間違いなく話題を呼ぶ哲学書になるはずである。論語や孟子、聖書等々、哲学・宗教全般に通じた彼の存在、そのサックスの実力だけでなく、そちらも広く知れたらば...と、毎回彼をゲストに呼ぶ度に感じる所。出版関連の方、誰か手を挙げてくれませんかね...。

【今週の番組ゲスト:通訳・翻訳家の丸山京子さん フリーランス・プロデューサーの津下佳子さん】
シンコーミユージックから発売された「『最高の音』を探して ロンカーターのジャズと人生」をご紹介頂きました。

M1「ゴーン」『ディア・マイルス』より 
M2「プレリュード・イン・Eマイナー」『フレンズ~永遠の愛』より 
M3「ゴールデン・ストライカー」『ゴールデン・ストライカー』より 
M4「日没」『オルフェ』より 

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