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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.446~ジャズトーク】

 毎月最後のこの時間は、永年の啓友とも言えるジャズ評論家の青木和富氏に自身の好きなテーマで語ってもらう「ジャズトーク」をお送りしている。今月は先日「ブルーノート東京」で来日コンサートを行ったギタリスト、パット・メセニーにスポットを当てることにした。パットと彼は最初の来日の頃からインタビューなどで知り合い、以降長い付き合いだと言い色々と面白いエピソードなども語ってくれている。

 まあ現代きっての人気・実力を有したギタリストだけに色々と話題は尽きないのだが、その話以上に驚いたのは、青木氏が収録の合間にポツンと呟いた一言。「ようやく来週退院することになって良かったよ...」その時は何気なく聞き過ごしてしまったが、収録後軽く飲もうとなって近くの洋風居酒屋へ向かい、そこで詳しく話を聞くと、4か月近くの入院生活からようやく解放されるのだと言う。元々下町の門前仲町の商家の息子の彼は、以前このコラムでも紹介したように現在は富士山の麓、鳴沢村暮らし(元々の別荘を住居にした)、ミュージシャンのインタビューや番組収録などの時に長距離バスで上京し仕事をこなすと言った生活サイクルを送っている。それが難病(脊椎関連で国指定の難病だと言う)が見つかり、地元の富士吉田市の市立病院に入院、それ以降も2カ月に1回は番組収録に顔を出してくれていたので、てっきりもう退院したものだと思っていたのだが、手術した病院は余り長くいられずリハビリの為に甲府の病院に転院、そこで入院生活を送りながらその合間にジャズライブや番組収録で上京していたのだと言う。

 彼の収録の折には奥さんや娘さんが車で送り迎えすると言う状態で、どうやらこれも甲府市内の病院から車で局迄来ていたよいなのだ。こちらはそんな状況とはつゆ知らず軽く収録時間の決定などを頼みこんでいたのだが、病院との調整など(入院中を抜けることになるのだから、中々に大変だったろうと想像に難くない)色々と無理したのかも知れないと思うと頭が下がる思い。しかしどうやら杖を突いて一人で歩ける(階段の登り降りは難しそうだが)ようにまで回復したのだから、これもまた良しと言うことなのだろう。やはり青木氏も含め、ぼくたちの様なオールドボーイにとっては健康が何より大事なのである

 といった所で肝心のパットだが、最近は一世を風靡したレギュラーバンドを組むことをせず、自身の興味の赴くまま様々な楽器を駆使したソロアルバムを作り上げたり、目を付けたお気に入りのミュージシャンとセッションを行ったりと、ジャズ界を担う巨星らしく悠々自適とも言える奔放な活動を展開しており、そうした活動についても和富氏は番組でフォローしてくれている。一昔前と違って、よっぽどの規模のジャズフェスなどでもない限り、一人のジャズミュージシャンが大会場を埋める等と言うことは考えられなくなっているが、それを実現できる数少ないジャズ界のスーパースターがパット・メセニーであることは間違いない。ジャズの一つの指針を彼は握っているとも言えるし、今後の彼の動向はますます目が離せないものになっていくに違いない。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん
今週はジャズトーク。先日2年4か月ぶりに来日したパット・メセニーを特集、解説していただきました。
M1Bright Size Life / Pat Metheny
M2(Cross the) Heartland / Pat Metheny Group
M3Last Train Home / Pat Metheny Group
M4Minuano / Pat Metheny Group
M5First Circle / Pat Metheny Group


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