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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.181~ノーサイド~】

 落ちゆく冬の陽が、フィールドに深い影を投げかけ、5万人近い大観衆が静かにそのフィールドの一点を見つめる。そこに登場する歌姫ユーミン・松任谷由美。彼女は夫の正隆、そしてギター奏者を従え、その大観衆に静かに語りかける。「~少年は(楕円球を追いかけつ続けることで)戦士へと成長する。」

 そして彼女のラグビー賛歌が歌い始められる。「彼は目を閉じて、枯れた芝生の匂い 深く吸った...。同じゼッケン 誰かがつけて、また次のシーズンを かけてゆく 人々がみんなあなたを忘れても 私ここにいるわ...」
 この「ノーサイド(試合が終わったらば全てを流して互いの友情を育む...)」という言葉、ラグビー精神の発露のように言われているが、本場のイギリスやニュージーランドなどでは聞かれない、ある種の和制英語だが、そんなことはどうでもいい。ここには間違いなくラグビーの良き精神が宿っており、ユーミンは見事にそれを歌に仕立て、国立競技場での最後の早明戦で披露してくれた。早大の垣永主将は、そのユーミンの歌声で目頭を覆っていた。セレモニーが終わっての記者会見で「この1年間のこと、出られない仲間のことなどが思い起こされて...、恥ずかしい話です」と彼は語ってくれたが、良い光景だった。

 思い起こせば40数年間、雪の早明戦、今泉の大逆転トライ、昨年の1点差試合など、この早明戦を一度も途切れることなく見続けて来た(はずである)。やはりぼくのラグビー観戦はこの早明戦に尽きるともいえそうだ。そう言えばもう30年ほど前には、ぼくもラグビー記者会の一員で、ラグビー特番を放送したりしたこともあったし、ラジオ日経はその創業時にはラグビー中継もやっており、ラグビー協会から感謝されていたものだった。

 今ラグビーは、ジャズそして私立探偵小説など、ぼくの大好きなものと同様、一時の元気が無い。そこで来年にはラジオ日経でも是非ラグビー関連企画をと密かに考えている。果して実現するのかはしかとはしないが、ラグビーもジャズと並んで素晴らしいもの。ラグビーと言えばユーミンのノーサイドと言う事だが、我らが後輩のジャズ博士、ボーカルの丸山繁雄(日大芸術学部講師)のジャズ・ラグビー組曲も忘れてもらっては困る。丸山はあの森田一義=タモリと一緒に、来年から早大ジャズ研主催でジャズ講座を始める企画も、密かに進行中のはず。タモリも丸山もラグビー大好き人間。試合は早稲田が勝利したが、熱の籠ったいい試合だった。ジャズとラグビー、どちらも素晴らく、ぼくの一生の生きがいです。

【今週の番組ゲスト:TRI4THのトランペッター織田祐亮(おりたゆうすけ)さん】
先月発売された『FIVE COROR ELEMENTS』から4曲お送りします。
M1「Volare Via」
M2「Everybody Knows That」
M3「Hop」
M4「Last Dancer」

 

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