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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.143~NYの最有力若手登場~】

ジャズの世界は黒人(アフロ・アメリカン)が中心なのは、その歴史を見ても明らかだが、白人プレーヤーやシンガーたちの役割もそれと同じくらい大きいのは言うまでもないこと。その白人ジャズプレーヤーの多くは、ユダヤ系であることは意外に知られていない。ベン・シドランと言うシンガーがユダヤ人の歴史をジャズ組曲のような形でまとめたアルバムが、以前に出されたことがあったが、そこに参加したユダヤ系ミュージシャンが数多くいたことには、まったく驚かされた。日本の芸能界でも出自については噂されるものだが、ジャズプレーヤーのユダヤ系の多さはその比ではない。その上ミュージック・ビジネスはユダヤ系ががっちりと押さえており、ある意味音楽業界はユダヤ系の牙城とも言える。

 ただし今はユダヤ系ではなく、本国イスラエル出身のジャズ・ミュージシャン達が、NYのジャズ・シーンを席巻しているのは見過ごすことが出来ない。その中心になっているのがコーエン兄弟で、その中の一人アネットは、ジャズ/クラリネットに革命を起こした素晴らしい女性プレーヤー。そんなイスラエル出身の新しいプレーヤの中でも最注目の存在が、シャイ・マエストロ。イスラエルの音楽学校を優秀な成績で卒業、NYに渡ってすぐにそのピアノの才が各方面で脚光を集め、このほど初めてのリーダー・アルバムを出した。そのアルバムを携えて来日公演を行ったのだが、その合間を縫ってスタジオに立ち寄ってくれた。

 日本は2回目と言う彼はドラマーのザジを伴ってスタジオに来てくれたが,日本のジャズ・ファンの素晴らしさ、京都の美しさなどを語ってくれ、全てオリジナルになる初めてのリーダー作についても曲作り裏話など気さくに紹介してくれた。まだ若干28才。彼自身も若いがイスラエルという国もまだ若い国。それだけに若い才能が伸び伸びとやれる要素も強い、と自国のジャズの素晴らしさについて感想を述べていた。NYで頭角を現してまだ間もないが、これからのシーンを担っていく最有力株の一人であることは間違いない。この彼の話を通訳してくれたのは、ラジオ日経のお偉い女性局長のIさん。彼女には通訳がついていない、ジャズメンなどがスタジオに来た時に頼んでいるが、いつ頼んでも実に的確で素晴らしく、イスラエル大使館の女性担当官も舌を巻いていた。シャイの音楽やトークと共に、彼女の通訳の素晴らしさもお愉しみいただければと思います。


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