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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.379~温泉三昧】

ぼくのようないい年令をしたオールドボーイともなると、どうも出不精と言うか外で行動するのが何かと億劫になってしまう。以前だとあそこはいい温泉だ...などと聞けば、速攻で行動を起こしたものだったが、最近は余りそんな気にもならない。時間はたっぷりあっても、先立つもの(お金)が無い...と言う悲しい現実があり、まずはそれが大きな理由だが、それと同時に何事にも行動する意欲が沸かなくなっており、腰が重くなっているのである。

 
まあこんな具合だからこの所新しい温泉探求もほとんど行かなかったのだが、少し前に追分の山荘に滞在した折、思い立って以前から行きたかった妙高・黒姫近郊の妙高温泉群(頚城温泉群とも言える)の温泉を訪れてみることにした。妙高山には未だ登ったことは無いのだが、黒姫・飯綱と言った北信を代表する幾つかの山(妙高など北信五山と呼ばれる)の頂は数度踏破している。この山塊の主峰、妙高山にも山仲間から誘われ、火打~妙高と連なる素晴らしい縦走コースを歩くはずだったが、特別番組の取材が入ってしまい山行は直前でキャンセル、その時の悔しい思いもあるだけにこの近郊の温泉探訪は、是非実現したいとも思っていたのだ。それと同時にもう一つ行きたかったのが上越高田市。古くからのこの城下町は雁木街など独自の冬風景が残っている印象深い街で、妙高地区温泉群からは30分ほどの所。

 
当日は早朝に追分の山荘から信越道を走り、2時間弱ほどで高田市に到着。城跡やこの町を代表する日本画家、小林古径のアトリエなど市内の名所を巡り、この古都を堪能した。その後一路直江津に向かう。ここは上杉謙信など上杉氏のお城跡=春日城があり、これが完全な山城。上まで行くのにそうはかからないだろうとタカを括っていたらこれが大間違い。たっぷり30分近い山登りで、かなりな汗をかいてしまった。昔の人はこんな所を軽々と昇り降りしていたのだから、その足腰の強靭なことを実感、同時に自身の体力の衰えもだが...。その上に下山道を誤って大回り(道標にも誤りあり...)、なんと上りの倍以上の時間がかかってしまった。トホホな城跡巡りだった。

 
これで相当時間を食ってしまったので、真っ直ぐに妙高温泉群の関温泉に向かう。妙高山は2000メートルを越す越後随一の名山でその麓には赤倉、関、燕、妙高、杉野沢など数多くの温泉が湧き出しており、大きな温泉群を形成している。その中で最も有名なのが赤倉温泉だが、そこから大分高い所にあるのが燕温泉(本当に山奥でここに数軒の旅館あり)で、そのすぐ下に位置するのが関温泉だ。標高1500メートルを越える高山温泉で古くからの湯治場兼スキー場。今スキー場は若者のスキー離れでなかなか成り立ちが難しいようで、関温泉も例外でなく寂れた感じが強く、ぼくのような温泉好きにはそこがまた応えられない所でもある。泊まった宿もスキー客がメインで、日頃は余り泊り客もいないと嘆いており、その日は平日と言うこともありお客は誰もいなかった。こうなるとお目当ての温泉は貸切状態で言うことなし。その上温泉の質も硫黄泉の掛け流し、久々に良質なお湯を堪能した。

 翌日は早朝にそのすぐ上にある燕温泉の無料露天風呂に入湯、これまた妙高山がすぐ真上に見える絶好のロケーション。時間も時間だけに当然誰もいないので、お湯を独り占めで久し振りに温泉の醍醐味を堪能した次第。ここには河原湯と山の湯と言う2つの無料露天風呂があり、河原の湯の方が一般にはお勧めとのことだが、こちらはいささか遠いので山の方にしたのだが、妙高山の突峰がすぐそこに見え、山好きにはたまらない場所で、是非皆さんにも推薦したい。この日はもう一軒池の平温泉(ここは以前来たことあり)にも浸かり、温泉堪能旅は終了。

 
この後はこれも一度是非行きたかった黒姫高原の「童話館」に足を延ばした。この黒姫にはあの童話作家、岩崎ちひろさんが別荘を構え執筆活動に励み、他にも色々な作家の別荘がある場所。広々した高原で、黒姫、飯縄、主で峰の妙高と北信の3名山が見事に見渡せる素晴らしいパノラマ。そこにある童話館は、妙高町が管理する名称通りの童話を扱った美術館で、岩崎さんの別荘も移築されており、自ずと童心に帰れる場所。アメリカの絵本作家、モーリス・センダグの代表作「怪獣たちの住むところ」の特大ポスターを買い求め、また追分の山荘への帰路についた。温泉、ファンタジー、コスモスなど秋の花々...、たっぷり秋を満喫した2日間でした。
 
今回の1曲は、センダグ風な童心とジャズの熱情溢れるジャズファンタジー、今巷で話題の上原ひろみとエドマール・カスタネーダの共演ライブ盤から、ひろみのオリジナル「ファイアー」と言うことにしましょう。特大ポスターは山岳写真家の山写真と一緒に、山荘の壁を大きく彩っています。

【今週の番組ゲスト: スティールパン奏者の山脇妃見子(きみこ)さん】

初のリーダーアルバム
1 ~Talking much about oneself can also be a means to conceal oneself~から
M1Chicken or Egg?
M2Stamp
M3Caribe
M4My Favorite Songs by Panorama 2K17
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