5月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2019/05/24(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.463~ドリス・デイ死す】 

 
ドリス・デイが亡くなってしまった。何と御年97才、ある意味天寿を全うしたと言えるだろう。ドリス・デイ何それ...等と50才代以降の人達は言うかも知れないが、いやー凄い人なのです。アメリカ最高のポップシンガーにして一世を風靡した女優。正に美空ひばりと吉永小百合を一緒にした(そう言えばこの2人も歌手&女優でもあったが...)アメリカのエンターテインメント界を代表する大看板とも言える存在。彼女に匹敵する存在としては、同じビッグバンドシンガーとしてデビューした(デイはレス・ブラウン楽団)シナトラはトミー・ドーシー楽団、2人とも後年俳優としても大成功を収めと言う点で、やはりフランク・シナトラなのだろうが、マフィアの庇護下で名前を売り出し、生涯マフィアとの縁が切れなかったシナトラとは違い、正に古き良き時代のアメリカを象徴したような良妻賢母タイプ(実際は4度の結婚歴)の良い女性でした。
 シナトラは「夜のストレンジャー」位しか大ヒットナンバーを思いつかないが、デイの方は「センチメンタル・ジャーニー」「ケ・セラ・セラ」などトップヒットナンバーも数多い。ただシナトラはジャズシンガーとして評価も高いのだが、デイは終生ポップシンガー。だが彼女の歌う代表的なスタンダード集、『デイ・バイ・デイ』『デイ・バイ・ナイト』(ともにCBS)の2枚は、そんじょそこらのジャズシンガーを標榜する歌い手達は及びもつかないほどの素晴らしさ。そのジャケットの良さもあってぼくの大いなるお気に入りのアルバムなのである。

 その上彼女の凄い所は40代後半、当時のと旦那(映画プロデューサー)が亡くなると同時に、スパッと人気女優の座を捨てて映画界から引退、TVで自身の「ドリス・デイ・ショウ」(ユーチューブにトニー・ベネットと「霧のサンフランシスコ」を歌う印象的な姿が上げられている)を持ち、それのパーソナリティーを長年務め上げ、60才代からはカリフォルニアの保養地で動物愛護の活動を中心に続けていたと聞く。
 
 1950年代から60年代、当時はハリウッド映画全盛期で,クラーク・ゲイブル、ケイリー・グランドなど錚々たる主役男優のかみさん役を務めたデイ、一方ショウビジネスのトップを占め続け、人気絶頂期にスパッとその座を降りる。並みの人間には出来ない所だが、少しの無理もなく穏やかに自身の路を決め、そして進む。女は強しである。ヒチコック監督の「知り過ぎた男」、西部劇ミュージカル「カラミティ―・ジェーン」等々。娯楽の少ない当時のぼく等~小学生から中学生などを魅了し尽くした彼女は、言うなれば美形の街のサザエさんと言った趣きで、程よく綺麗で親しみがあり微笑まし人柄、良きアメリカの象徴のような女優にして歌い手だった。再度彼女の様な良き生活人&常識人が蘇って呉れればと、今切に願っています。ドリス・デイの実際の歌声、一度は聴くべきです。和みます、癒されます。


 そしてこの原稿を仕上げた直後、また一人昭和の大女優が亡くなった。京マチ子さん、享年95才。「羅生門」「雨月物語」等々、大映映画のメインとして数多くの日本を代表する名画で大活躍した女優さんで、清楚さが売りのドリス・デイとは対照的に、妖艶な美女で当時の子供達には圧倒される様な存在だった。 合掌!

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
今週は「ジャズ・トーク」、「楽器よもやま話」をお送りしました。
M1Swing to Bop / Charlie Christian
M2My Favorite Things / John Coltrane
M3God Bless The Child / Eric Dolphy
M4East Of The Sun / Toots Thielemans
M5Sagg Shootin' His Arrow / Jimmy Smith
M6Orchestrion / Pat Metheny
 

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