8月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2017/08/18(金) 19:00 番組スタッフ
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.371~追分通信17(Ⅲ)変わりゆく追分周辺の自然・風景】

 8月11日は山の日だった。まさに信濃~長野県の為に作られた休日の様なもので、この日は県下各地の山々で小学生から高校生まで、多くの学生の集団登山も行われた。ただ麓はどうやら晴れていても山はあいにくの天気だけに、子供達も苦労したと思う。ぼくもお山(浅間山)の周辺から、八ヵ岳連峰、美ヶ原などが一望出来る高台に上がって眺めてみたが、残念なことに山々はどれも雲の中のだった。まあこの夏の最中の休日、ぼくのような暇人には余り関係ないが勤め人や工員さんなどはお盆休みが長く取れ、全く山に関心が無くとも嬉しいには違いない。ただし鉄道や道路、海外への航空便なども大混乱で、帰郷や遠出の人達は大変だったろう...と同情に堪えない。

 さてこの追分周辺もこの時期は大分人が込んで来ており、朝夕などは御影用水脇の小道は犬連れの家族連れで一杯。柴犬からプードル、チワワなどさながら犬の品評会の様相。
 
御影用水と言えばこの前は何と鴨が10数羽、こんなに多くの鴨の群れを見たのは初めてのこと。かなりな感激ものだった。また中軽井沢の商店街の外れでは雉の親子が悠然と散歩しており、これにも驚かされた。ただ以前は我が山荘の屋根にも寝そべっていた猿軍団は最近とんと見かけることも無くなってしまった。居ると厄介だが居なくなると何か寂しく、また自然破壊も進んだのでは...などと勘ぐってしまう。そう言えば今年この山荘が出来て10数年目、初めて蛍を見た。明け方何か明かりがふらふらと飛んでいる。よく見ると一匹の蛍。これには感激した。近くに用水から引いた小川が流れているのでそこで孵化・成長したものかもしれない。たったひとつ(蛍は一羽か?)だったが、実に愛おしい感じがしていつまでもそのか細い光を眺めていた。

 
サル軍団は消え蛍現れる...など、追分周辺の自然・風景もここ10数年で変化しており、何より気になったのは周辺に家(自宅・別荘)が増えたこと。また太陽光発電設備の増加とそれに反比例したコスモス畑の減少などである。御影用水の南側には今までほとんど家などなかったが、ここ数年林が切り開かれ次々と家が建てられている。まあこれもしょうがないことだが、何より家を建てるとその周辺の木々が全て伐採され、丸坊主になってしまうのだ。もう少し自然と調和させてと考えるべきだろうし、特に別荘を建てるならばなおさらのこと。これはなにも追分周辺だけでなく軽井沢全体に言えることで、近い将来軽井沢は別荘地としての地位を、蓼科、安曇野、那須などもう少し自然を大事にしている地域に奪われること必定の様に思われてならない。

 そしてもうひとつ気になっているのは太陽光発電施設の多さ。今ある空地や草地、あるいは林なども次々とこの施設に取って代わられている。原発などよりもはるかに良いとも思うのだが、こう多すぎると考えもの。荒れ地が売電で少しでも金になれば...と考えているのだろうが、そろそろ過飽和状態のようにも思える。そしてこの為にこれまであったコスモス畑(ほとんどが荒れ地に咲いている)を見かけることも無くなってしまった。これもまたこの時期としては寂しい限りである。赤・紫・白、色とりどりのコスマスが咲き乱れる景色、これもまた追分周辺の夏から初秋の美しい風景だっただけに残念至極である。

 
追分とコスモスと言えば、追分を「美しい村」と呼び、そこをこよなく愛した詩人、立原道造のことが直ぐに思い出されるが、軽井沢図書館で「立原道造の夢見た建築(種田元晴/鹿島出版会)」と言う本を見つけ、借り出して読んだ。立原は病の為に夭逝した(24才)抒情派の天才詩人として知られるが、また東大の建築科を首席で卒業した若き建築家としての一面も持っていた。夭逝したために実際の建築物としての作品は殆どないが、東大時代に最優秀賞を取った作品が「追分の芸術家村構想」で、図面だけでも素晴らしい作品と知れる。そうした立原の建築家としての側面にスポットを当てた珍しい評論集で、彼の生い立ち、追分に向けられた比類ない愛情などが、同じ建築家としての目で描かれており大変に面白かった。山荘に居る間はTVもないし新聞も取っていないので、もっぱら読書かジャズ・クラシック鑑賞。面白い本もいくつか読んだので、それらはこれからおいおい紹介していくことにしたい。では最後にぼくの最も好きな立原の作品から少々...


 夢はいつも帰っていった 

 山のふもとの寂しい村に。

 水引草に風が立ち 

 草ひばりの歌い止まない

 しずまりかえった午さがりの林道を...

 「のちのおもいに」

【今週の番組ゲスト:女流2トロンボーンユニット「THE BON BONES」の上杉優さん(写真右)、駒野逸美さん(左)

2ndアルバム『Celebration』より
M1
Celebration
M2
Night Lights
M3
Sudpol
M4
April in Paris

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