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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.152~あるプロデューサーの死~】

 5月の半ばに1週間ほど台湾取材旅行に行ってきた。殆ど経費が無く、毎回信じられない程の貧乏取材旅行で、台湾のラジオ局員からも驚かれるのだが、今回はその経費問題以上に、メイン・パーソナリティーが直前に発熱で来られなくなるとか、通訳が諸般の事情で居ないとか、もう凄まじくスリリングで帰国したらもう心神喪失状態、これを1時間半の番組にまとめるのだから本当に大変である。


 まあそんな台湾特番に全神経をすり減らしていたので、メールをよくチェックしてなかったのだが、重要なメールが1通来ていたのだ。レコード会社のY君からで、ぼくの古くからの友人であるジャズ・プロデューサーの横田健生君が亡くなったと言う、死亡通知メールだった。享年66才。合掌!

 彼が亡くなったのは今月15日で、ぼくが台湾で苦戦している間。お別れ会には是非出なければと改めて思った。年令はぼくとほぼ同じで、若い頃からジャズの担当で、よくスタジオにも来てもらった。ディレクターとしての出発は名門テイチク。20年近くで会社を辞め、以降は様々なレコード会社を転々としていく。数多くのアルバムを制作・編成、ここ数年は自身の会社を立ち上げ、積極的にジャズライブイベントなどを行っていた。

 NY出身のジャズピアニスト、マル・ウォルドロンなど海外有名アーティストのアルバムも沢山作っていたが、なんといっても日本の実力派ミュージシャンとの絆が深く、大坂昌彦、川島哲郎等々、錚々たる面々も彼が一声掛ければ、その主催イベントに喜んで駆けつけるほど、ミュージシャンからの信頼も厚かった。一見優男で調子の良さで売っている感もあったが、至極真面目な信に厚い男、そこら辺がミュージシャン達からの信頼を得ていたのだろう。

 彼がガンに侵されていると言う話は、何人かの仲間から聞いていたが、彼は気ままに生きたいと言って、特に治療もしていないようだ、と言う話も聞こえてきて、心配していたのだが、悲しい結末になってしまった。しかしジャズ・プロデューサーとしても様々に立派な仕事を果たし、日本を代表するジャズ・プロデューサーの一人とも言われるほどなのだから、彼も本望だったかもしれない。振り返っておまえは何を...、と言われると赤面するしかないが、横田氏に一歩でも近づける様、日々努力するしかない。もう年令も年令。決して無理することなく、悠々とした心根でもって...。

【今週のゲスト:ワイヨリカのヴォーカル Azumiさん】
ジャズアルバムの二枚目『NEW STANDARD』を4月17日にリリースされました。
M1 『うる星やつらのテーマ~ラムのラブソング』
M2 『小麦色のマーメイド』
M3『時をかける少女』
M4『M』

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