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テイスト・オブ・ジャズ

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 今年も諸々がリニューアルされる4月の新年度を迎えた。新社会人・新入生そして新会計年度等々、色々と新しく生まれ変わるこの時期、我が「テイスト・オブ・ジャズ」も毎年4月第1回目の番組は、「新人の為のジャズ入門」と銘打って、音楽ライターや編集者そして有名ミュージシャンなどに登場してもらい、お勧めの曲を掛け乍ら自身のジャズ入門観を語ってもらうことにしている。もう30年以上続いている企画なので、30人近い人達が自身のジャズ観を示してくれた訳だが、今年はぼくも関わっているジャズ専門誌、ジャズ・ジャパン誌の社長兼編集長の三森隆文さんに、ゲストとして登場して貰うことにした。

 彼は大学を出て直ぐに「ジャズ・ジャパン」の前身誌とも言える「スイング・ジャーナル(SJ)」誌に入り、以降40年近くジャズ関連の仕事をして来ている。SJが休刊になると直ぐに自身で後継誌とも言うべきジャズ・ジャパンを立ち上げ、責任者として10数年間に渡り頑張り続けている。それだけにジャズ全般に通じた彼に、入門談義をしてもらうのは、最適な人選だとも言えるのだ。番組では自由にしゃべってもらえれば良い...と、彼には依頼するときに伝えたが、一つだけ注文も付けた。それは彼が編集しているジャズ・ジャパン誌を入門者はどううまく利用すればいいのか...と言うこと。これだけは最後に入れ込んで欲しいと頼んだ。

 当日彼が用意してくれたアルバムは全部で4枚。インストものが2枚とボーカル2枚と言う、バランス良くジャズの奥深さを探った好選択だった。まずは今年グラミー賞を獲得した弱冠23才の話題のシンガー、サマラ・ジョイ。彼女のグラミー受賞アルバムから、奇才セロニアス・モンクの銘品「ラウンド・ミッドナイト」を掛け、この新人の並外れた才能を称讃。最近は大学でジャズを本格的に学び、そこを卒業してプロになる人も増えており、テクニックなども昔に比して格段の進歩を遂げているが、その代表格の一人が彼女だとも指摘してくれた。

 大学時代はいわゆる尖ったジャズ=フリージャズが好みだったと言う彼は、大学を出るころにクリード・テイラーのプロデュースするCTIの諸作の魅力にも気づかされることになった。特にそのビジュアルデザインの素晴らしさは、今のジャズ・ジャパン誌にも様々な点で生かされているとし、CTIで最も売れた作品、ジム・ホールの『アランフェス協奏曲』から1曲、「帰ってくれたら嬉しいは...」を紹介してくれた。その他にも興味深い話が色々あり、最後には本誌ジャズ・ジャパンの利用法などもリスナーへ伝授、30分間の入門講義は終了した。

 如何にも現役のジャズ編集長の提示する分かりやすいジャズ入門講座で、ミキサー卓の前でプロデュース&録音作業をしているぼくも納得の内容。聴かれた皆様も大変に満足だった筈である。1年後にはまた誰かに入門講座を頼むと思うが、誰が登場するかはその時までお楽しみに...

【今週の番組ゲスト:JAZZ JAPAN編集長の三森隆文さん】
M1
'Round Midnight / Samara Joy」『Linger Awhile』より
M2
You'd Be So Nice to Come Home To / Jim Hall」『アランフェス協奏曲』より
M3
ANTI-WAR Ⅰ THE CAGE / SHAG」『THE PROTEST JAM』より
M4
Christmas Time Is Her / Norah Jones

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