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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.354~17追分春景色】

 先日の交通事故の影響で体・心共に絶不調、これはひとつ温泉療養にでも行かねばと思い立ち、山荘の水とおし(12月から4月半ばまで水を止めている)作業の準備も兼ね、追分近くの温泉旅館に一泊と決めた。どこの温泉にしようかと熟慮した結果(体の不調に幾分効けばと言う点も考慮)、いつもの上田市郊外の室賀の里「ささらの湯」での温泉汲みもしないとならないので、それも考慮し少し遠いが外湯には何回か入ったことはあっても、宿泊は初めての戸倉上山田温泉の旅館を取ることにした。明治初めの開湯と言う比較的歴史の浅い温泉街で、千曲川を挟んで戸倉温泉と上山田温泉に分かれており、泉質もそれぞれ異なる。今は戸倉温泉の方はいささかすたれた感じもあるが信州を代表する温泉街、その上山田温泉の方の千曲川沿いの旅館に決めた。

 
身に降りかかった惨事でもある交通事故に関して言えば、加害者である83才の爺さんは肋骨が折れ1週間ほど入院、そのため事故現場検証も10日ほど遅れたんだと、見舞いも兼ねて伊豆の韮山から電話して来た。それによれば事故当時の記憶は殆どなく、こちらの車に突っ込んでようやく意識が戻った様子。怪我がなくて何より等と他人事のように言うから、危うく怒鳴りそうになったがそこはぐっと飲みこんで大人の対応。しかし調子は最悪、とんだ災難で爺さんを恨むことしきり...。交通事故にあうと体調はもちろん車とすれ違っても体が引いてしまう感じは残る。困ったものである。

 
上山田温泉に向かう当日、昼前に追分の山荘に到着し雨戸をあけ風を通す。山荘や別荘などは殆ど使わないものも多く、そうなると風通しをしないだけに家の傷みも早い。ただこの4月初めの時期はさすがに空いている別荘は殆どないのだが、ここを定住地に変えてしまっている人もちらほら。陽光も温かく日向ぼっこには絶好だが、長居は出来ない。一路上田郊外に向かい効能あらたかな室賀温泉(日帰り温泉施設)で温泉水を汲み、上山田温泉に向かう。室賀からは800メートル近い山越えをすれば上山田温泉にまっすぐ出れるのだが、うっすらと雪も残っているので山越えは断念、大きく迂回して千曲川添いを下り上山田温泉に着く。以前は歓楽温泉として悪名を馳せた戸倉上山田温泉街もこの30年ほどは家族連れ・夫婦連れが中心の温泉街に変貌、もともと泉質は良いとだからもっと人気が出ても良い筈だが、かつての悪評が影響しているのか余り活気があると言い難い。その上平日だけに訪れる温泉客も少ない。旅館は千曲川べりのこじんまりとした宿で築80年強。その離れの一室でここもかつて火事で一度焼け、立て直したのだと言う。食事も久しぶりの部屋食だったが、若い人達は余りこうした堅苦しいスタイル、好まれないのではと...言った気もする。浴場はビル仕立ての本館6階屋上にあり、千曲川が真下という感じで中々に気持ち良い。ただ泉質は上山田の有名な外湯、"かめの湯"や"瑞祥"などに比べるといささかパンチ=強度に欠ける。強烈さは無いのだが、事故後の治癒的な湯あみなのでまあこれ位が妥当なのかも知れない。

 
その日はかなりゆっくり寛ぎ、翌朝はまた追分の山荘に戻った。お山(浅間山)はてっぺんの方がまだ真っ白、雪をかぶったお山の姿もまた雄々しく見事である。追分の4月は未だ冬の終わりと言った感じで、全体に寒々としているが、天気が良かったのでポカポカ陽気。そろそろ桜の開花も...と言った感じもあり、この静かさ・穏やかさは貴重だ。
 
山荘近くの話題としては、以前から工事をしておりいつ完成なのかが気がかりだった、佐久パラダイス(佐久インターの近く)の温泉健康施設がなんと昨年11月末に完成していたと言う。信越高速道路から直行出来る佐久パラダ・スキー場をメインにした施設(冬以外には昆虫館など家族向け施設も利用される)に、新たに佐久市が温泉健康施設をプラスした形式。2年ほど前から気になっていたのだが、それが完成したとあらばこれは行かなければ...と言うことで、山荘に着くとすぐに新設の平尾温泉「パラダ」に向かう。ただこの近くは余り温泉が出る地域ではないので、期待はしていなかったのだが、やはりその通りで温泉施設と言うよりも健康スポーツ施設に温泉が付いている形で、実際の温泉は露天風呂一か所だけ。後は様々なお風呂が並ぶ健康ランドと言った体裁だったが、ただここのお勧めはその露天風呂からの素晴らしい景観。佐久平は一望だし、八つ岳連峰、霧ヶ峰、美ヶ原、そして北アルプスの山々まで、山好きならば応えられないパノラマビュー。温泉は余り勧められないが、この見事な景色だけでもいささか高めの入浴料も許してしまうという気にさせる。

 そして今回の山荘訪問にはもう一つの役割もある。それが今年また7月末に実施される「軽井沢ジャズフェス」協力関連先への挨拶。フェスを始めた友人の伊藤八十八プロデューサーが亡くなってもう数年、奥さんの妙子さんがその遺志を引き継いで開催し続けているのだが、今年もまたお笑い界の重鎮、高平哲郎氏の全面協力(構成・演出など)で開催を決めたとのことで、高平氏からも連絡ありぼくもまた微力ながら協力することにしている。高平氏の話だと今年は洗足学園のジャズ科教授を引退した誠一ちゃんことテナー奏者の中村誠一を司会に迎え、色々と面白いことをやりたいという。彼のかつての師匠、山下洋輔御大がフェスに登場するかはまたのお愉しみだが、今年も番組に誠一・哲郎両氏を迎えて、このジャズフェスの宣伝をしてもらおうと思っている.そうなれば誠一ちゃんは20年振りぐらいの登場と言うことになる。彼の娘さんも今やジャズシンガーとしてそれなりの売れっ子になっているので、親子共演も面白いかとも思う。皆様もお愉しみの程...
【今週の番組ゲスト:ベーシストの紙上理(しがみただし)】
Ellingtonian7の『In A Sentimental Mood』から
M1In A Sentimental Mood
M2Song Of Five Islands」
M3Hokkaido No Uta」
M4Ellington Medley



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