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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.210~新レーベル紹介~】

 このコラムでジャズの話をすると、どうも今いち元気が出ない話が多くなってしまう。まず何と言っても肝心のアルバムが売れない。それもあってちょっと前まではよく言われた「ジャズ業界」と言う言葉も今や死語になりつつある。ビクター、コロンビア、キング等々、かつての日本のメジャーレーベルも今や衰退の一途で、ジャズに関して言えば、「ユニバーサル」の独占、その他のレーベルの存在感はもうほとんど無い。昔はミュージシャン達も自身のアルバムを、メジャーレーベルから出したいといろいろ努力したもんだが、今やそんな動きも無く、レーベル契約出来ているミュージシャンも超売れっ子の上原ひろみ位でもう余り見かけない。またジャズジャーナリズム~ジャズ雑誌も大手の「スイング・ジャーナル」が廃刊になり、「ジャズ・ライフ」「ジャズ・ジャパン」の2誌は、オーナー兼編集長と言う個人(インディペンデント)会社の様相。ことほど左様にジャズを巡る環境・状況は、ここ数年で激変してしまった。

 しかし元々ジャズはマイナーな音楽で、「ブルーノート」「プレスティッジ」「アトランティック」などと言ったジャズのレーベルもインディーズから出発したもの。それだけに今や原点に回帰したと考えればいいのかも知れないが、J-ジャズでも「インディーズレーベル」は仲々に良く頑張っている。そうした中でも注目株と言えそうなレーベルがこの春誕生した。「サムシンブルー」と言う名称のこのレーベルは、レーベルロゴが黒猫の胴体に描かれており、このキャットはジャズメンの別称。レーベルを主催しているのはジャズアルバムの販売店としては世界一とも豪語する「ディスク・ユニオン」。

 東京やその近郊などに数多くの店を構える(惜しむらくはその他の地域には店舗が一軒もないが...)ここは、アルバム販売だけでなくジャズ雑誌を出したり、書籍を出版したりシンポジウムを開催したりと、様々な事業やイベントなども行っている。その「ディスク・ユニオン」系列のジャズレーベルだけに期待も大きいのだが、若き美人トロンボーン奏者にしてディレクターの坂本涼子女史が担当している。30代チョイの(はず)彼女は今回初めて知ったのだが、早稲田大ジャズ研の遥か後輩。この彼女に後見役として前にもこの番組に登場したMrブルーノートの行方均氏が付いている最強布陣。バリーハリスの新宿「ディグ」でのライブ・アルバム(完全版)を出した後、満を持して期待の若手女流ピアニスト、栗原すみれのデビュー作を国内第一作として登場させた。そのアルバムを引っ提げて坂本女史が今回スタジオに登場、栗原さんのアルバムやこれからのレーベルの行方などについて語ってくれた。この秋には女性の2トロンボーンユニットなどの制作も考えている彼女。後輩と言うだけでなく大いに期待できるジャズディレクターです。中々に見栄えも良くスターになれる素養充分の女丈夫でした。期待大です。

【今週の番組ゲスト】ディスク・ユニオンDIWの坂本涼子さんに新しく誕生したレーベル『Somthin'cool』をご紹介頂きました。
M1『Forest And An  Elf/栗林すみれ』
M2『終わりなき旅/栗林すみれ』
M3『Nascimento/Barry Harris』
M4『Minor Meeting/栗林すみれ』

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