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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.266~追分通信2015②】

 連日暑い日が続いており東京は猛暑日記録とも聞くが、こちら追分でも例年に比べ暑さは激しく、町内に幾つか設置されているお知らせスピーカーからは、熱中症への注意が呼びかけられている。その暑さに呼応しているのか、夕方からは雷が鳴り決まって激しい雷雨になる。その雷雨襲来直前の木々の梢の揺れ、これがまた何とも味わい深い。そして雨の後の涼しさと静けさ。これもイイ。

 
ところで話は変わるが、ぼくがラジオの仕事に関わって既に半世紀近く。このジャズ番組も先輩から引き継いで40数年。ライブやパーティー会場、飲み屋などで「あの『テイスト・オブ・ジャズ』で、初めてラジオに出させてもらって...」とか「初めてアルバム紹介してもらって...」等と挨拶されることも少なくないが、こちらがロートルだけに、その方の名前を思い出せないこともしばしば...。改めて名前を聞くわけにもいかず、話を続けるのに結構苦労するが、やはりそれぞれの方々に想い出深い番組だと、こちらも本当に嬉しい。ジャズ関係ではかなり色々な人を引っ張り出したものだが、その他では森田一義(タモリ)の中村紘子氏インタビューという初ラジオ番組(担当は先輩ディレクターだったが、紹介したのはぼく)やたけちゃん(北野武)の幻の「12ラウンドデスマッチコンサート(高田馬場芳林堂アートスペース)録音中継」、日活オールスタードキュメント「わが愛しのヒーロー達(後に同タイトルで映画化される)」等々。ご自慢番組はどうもエンタメ系が多いのだがまあ致し方ない。

 
そんな中でぼくがどうやら人に誇れるのは、2人の人物をラジオ(マスコミ界)に紹介したこと。これがどうして追分通信と関係あるのかと言えば、その内の一人は今年の初めから東京を離れ、北軽井沢に本拠を移し軽井沢住人(群馬県人ですが...)になったこと。そしてもう一人は、大変残念なことにもう10年ほど前にがんのため夭逝してしまい、その最後の「闘病記」を偶然軽井沢の図書館で読み、想い出が強烈に蘇ったこと。そんな訳で2人とも追分繋がりという強引な理由。

 
されその一人、北軽井沢(正確には高原野菜で知られる嬬恋村だが...)に移住したのは、演出家、構成作家等々多彩な顔を持つ才人、高平哲郎氏。今年の「軽井沢ジャズフェス」、司会を団ちゃんこと団しんやが担当(今までは亡くなったフェス仕掛け人の伊藤八十八氏が担当)したのを見て、これは高平氏が大きく絡んでいるなーと思ったら案の定その通りで、彼には会場で会えなかったが、メールで東京を引き払って嬬恋の別荘を本拠にしたのだ...と知らせて来てくれた。絶頂期のフジTV、あのお笑い路線成功は彼のおかげとも言って過言ではなく、有名Tプロデューサーもかつては「ぼくはお笑いは余り分らなくて、全て高平さんに...」などと言っていたほど。雑誌「宝島」の伝説の初代編集長で、映画関係インタビューなども手掛けていた彼を、当時スタートし出した紀伊国屋書店の書籍番組のパーソナリティーに起用したのが、彼との付き合い始め。タモリの影のプロデューサー役でもあった彼(その当時は知らなかったが...)は、赤塚不二夫ちゃんなどの「面白グループ」の仕掛け役でもあり、彼とはレギュラー番組以外でも色々な番組を一緒に作って遊んだ仲。
 
一時マスコミ界の寵児だった彼も「最初に道を付けてくれた人」と今でも結構大事に思ってくれているようで、嬉しい限りではある。ジャズにも造詣の深い彼は、故植草甚一大師匠の一番弟子を自称しているが、相変わらずTVからミュージカル、そして吉本出版からは高平著作全集まで出すと言った具合で八面六臂の活躍振り。そんな彼が嬬恋村から東京に、週1回は車通いだと言う。彼にしてそうならばぼくも思い切って追分住まいも...とも思うが、どうも優柔不断だけに踏み切れない...。

 
そしてもう一人は、本当の才女、故中島梓=栗本薫さん。彼女はまだ早稲田大の学生時代、当時「早稲田文学」で募集していた文学賞で「文学の輪郭」と言う難しい評論により、圧倒的な評価を得て賞を獲得。その最初にインタビューし番組起用したのがぼくだったと言う訳。彼女は大変に喜んでくれ、その後も色々な文化関連特番のパーソナリティーやコメンテイターとして重宝させてもらったが、毎回快く引き受けてくれた。中でも「糸井重里vs中島梓」と言う3時間の特番は作り甲斐もあったし、聴きものだった。あの弁舌爽やかな糸井氏も彼女にはタジタジ...。当時は奥さんでなかった樋口可南子女史も登場、今でも記憶に残る印象深い番組だった。その後彼女はあの大作「グイン・サガ」を書き始めたものの病=がんの為、この世界有数の長編も未完で終わってしまうのだが、その書き始めの頃までは親交があった。その後は色々あって連絡も取り合わなかったが、残念なことに彼女はジャズピアニストとしてもなかなかの腕前の持ち主。ライブハウスなどでもその腕前を披露し好評を博していたようだが、こちらは一切知らず。そう言えば彼女との最後辺りで、「私もジャズやってみたいなー」とは言っていたがそれが実現するとは...。一度是非番組にも登場して欲しかったのだが、それももう叶わぬこと。才媛と言う言葉があるが、彼女こそそれに値する数少ない一人だと、ぼくは信じている。原稿依頼があれば、締切時間は正確、字数も予定の10字とは違えず仕上げる。編集者が誰も感嘆していたとも聞くが、それも至極当然。番組依頼しても文化、社会問題、政治など何でも十全、的確にこなしてくれた。軽井沢図書館で読んだ「闘病記」は、涙なくして...と言う感動ものだったが、大変懐かしく寂しくもあった。改めて合掌!
【今週の番組ゲスト:ティートックレコーズのトータルサウンドアーティスト金野貴明さん】ちなみに、アルバムジャケットのモデルは金野さんご自身です。
M1『ゲゲゲの鬼太郎』

M2『ルパン三世のテーマ』

M3『ペガサス幻想(ファンタジー)』

M4『はじめてのチュウ』


 


 




















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