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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.84~ミッション:インポッシブルの作者は~】

先日の新聞に“CDの売れ行き更に狭まる”と言った、かなり大き目の記事が載っており、それによれば今やCDの売れ行きは、5年ほど前の4割近く減少しているそうである。それもさもありなんと言った感じだが、後輩のNY在住の公認会計士H君によると“今やNYでCDショップなど見つけるのが難しいんですから…”とのことで、ジャズの本場ではアルバム売れ行き減少どころではないようだ。業界関係者が集まっても、音楽業界なんて言葉もあと数年もすれば消滅してしまうんでは…などと常に言われるほど、寂しい状況なのである。

 まあそんな厳しい年の幕開けだが、ここらで一つ勢いのある愉しい話題をと探してみようとしたら、音楽とは一転元気いっぱいなのが映画業界関連であった。今年の正月映画の話題の作品と言えば、“タンタンの冒険”と“ミッション:インポッシブル”と言うことになりそうだが、その”ミッション”の基になった往年のTV映画「スパイ大作戦」の有名なテーマ曲を書いた、今や映画音楽の大巨匠と称えられる、ラロ・シフリンに関する話である。
 
 シフリンはアルゼンチン出身で、元々ジャズ・ピアニストであり、片手間に作曲も手掛けていたのである。NYに進出した頃は若手の有望株として大御所、ディジー・ガレスピーのバンドでその才を認められ、そこで書いた曲が評判になり映画の作曲なども手がけるようになり、それが評判となってそちらの道に進んでしまった訳だが、そのきっかけともなった彼の初期の代表アルバム『ラロ・ブリリアンス』が、なんと廉価盤の999シリーズの1枚として、昨年暮れに発売されたのである。

 このシリーズはその名称どおり、1枚999円と言う廉価で、埋もれた名盤を紹介しようと言うもので、かなり評判になっているが、その1枚にまさかこのラロ・シフリンの1枚が登場するとは思わなかった。久々の嬉しいジャズ・ニュースで、このアルバムを持っていなかったので直ぐにCDショップに向かったという次第。このアルバムは殆どが彼のオリジナルでまとめられており、南米人ならではの熱さと、シフリンならではの洒脱な趣きが絶妙にミックスされ、なんともいえぬいい感じに仕上がっており、今の若い人にも実に新鮮に感じられるセンスのいい音作りがなされている。それが999円で買えるとは…、もう言うことなし。別にこの発売元の“EMIジャパン”から金を貰っている訳ではないが、こんなに愉しくもセンスある音群を独り占めしてもしょうがないので、是非皆さんにもお勧めしたいのである。“たかが999円、されど999円”だけに、ここは一寸散財してみてもいいんじゃないでしょうかね…。


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