番組紹介

ラジオNIKKEI第1
毎週木曜日 22:30~23:00
毎週金曜日 18:30~19:00(再放送)
(毎月最終金曜日は休止)

55年超の歴史を有する、民放ラジオ最長寿級のジャズ番組。進行役は、フリーアナウンサーの山本郁。毎回ミュージシャン、シンガー、ジャズ関係者などをスタジオに招き、そのゲストにゆかりの曲をかけてジャズ・トークをお届けします。

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9月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.09/17 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.531~バード生誕100周年】

 我々が今ジャズと呼んでいるモダンジャズ。このスタートは「バード」ことアルトサックス奏者、チャーリー・パーカーと、「ディズ」ことトランペット奏者のディジー・ガレスピー、このコンビによるビ・バップ(バップ)の創出だったことは、ジャズファンならばもう自明の事実だろう。ビ・バップはそれまでのスイングジャズ~ある意味ダンス音楽で当時のポップミュージックだったアメリカ音楽の主流を覆し、ジャズを聴き味わう=観賞用の音楽へと高めた(変質)させた画期的なものだったとも言える。そしてその音楽的なリーダー役がパーカーで、ステーツメント役(宣伝係)がガレスピーだったとも言える。ガレスピーはスイングミュージックとは一変した、この新規のジャズ音楽を一般に浸透させるために、高音でのアクロバティックなコミカル技なども駆使、見た目も派手な衣装でステージに登場、宣伝役として大いに気を吐いた。一方のバードことパーカーは、酒と麻薬の破滅的人生を送りながら、バップコンセプトの進化・深化に勤め、多くの後輩ミュージシャンとも積極的に共演、ビ・バップの完成に腐心した。まあこの2人の努力により、モダンジャズの基盤とも言えるビ・バップは多くの若者たちの支持を受けるようになり、ジャズの新しい時代=モダンジャズの時代が1950年代に入るとスタートを切るようになる。新しいジャズ時代の到来だったのだ。

 その音楽的支柱、モダンジャズの開祖とも呼べるアルト奏者のチャーリー・パーカー、その生誕100周年が今年なのである。例年ならばこれに関連したジャズイベントやアルバム発売など、様々な催しや盛り上げ企画なども行われる筈だったが、このコロナ禍でイベント企画も難しく、CD発売なども見送られてしまったようだ。ファンとしては寂しい限り。こうなったら名匠クリント・イーストウッドがかつて監督したパーカー一代記映画「バード」を鑑賞しながら、彼の偉業を確かめるしかないなーなどと思っていたら、思わぬ朗報が飛び込んできた。パーカーの生誕100周年を記念して彼の新しい評伝集が、音楽系出版社から出されるのだと言う。タイトルは「バード チャーリー・パーカーの人生と音楽」。

 そういえばこの本の話はバードの生まれ故郷カンサス。シティーの情報にめっぽう詳しいT女史から以前聞いたことがある。チャック・へディックスと言うカンサスシティー在住の作者は、日本で出版できる出版社を探しているから協力してもらえないか...とも言われたが、余りあてはない。生誕100周年に合わせて出したいのだ...とも言われた。その企画の実現がこの評伝集だったのである。T女史の名前は実際に本にも載っている。そしてこの評伝集の訳者が、昔からの友人で今やジャズ本の訳者として定評のある川嶋文丸氏、そして編集が昔ジャズ雑誌の編集部にいて付き合いの古い池上信次氏だと知り、これは是非番組でも...と思っていた所、川島氏から連絡があり、この評伝集を話題にすることにした。ゲストは当然に川嶋氏と池上氏。

 パーカーについては今までも評伝集がいくつも出ているが、今回の本の強みは作者がカンサスシティ在住のジャズ研究家だと言うこと。それだけに彼の子供時代から青年期、ニューヨークに進出するまでがこれまでの本には無いほど、詳しく描かれていること。今まであまりスポットの当たらない部分がクローズアップされたのだとも言えそうである。番組ではこの本の面白さなどを2人に語ってもらい、新しい事実の発見や未発表写真の発掘などの苦労談も語ってもらっている。曲は全部で5曲。それぞれがこれぞパーカーと言うナンバーを紹介してくれ、またこの時期に『ベスト・オブ・パーカー』と言う生誕記念アルバムも出されることになったので、そこからも選ぶことにした。
 モダン・ジャズ界、最高の天才にして惜しくも夭折してしまったバードことチャーリー・パーカー、この機会にぜひもう一度彼の偉大さを、番組で確かめて欲しいもの。

 



 


 

9月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.09/10 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.530~奄美大島のシンガーソングライター】

  先週のこのコラムでは、東京で書評家・ライターなど書籍関連の仕事をしていた女性(河田桟)が、突然日本の西の端の与那国島で馬飼いになってしまった話を紹介したが、今回も南の島に移り住んだ女性の話である。但し今回はその女性が、我が「テイスト・オブ・ジャズ」のゲスト(TEL収録)なのである。

  ミヤタトモコ(宮田朋子)、奄美大島在住の彼女は、知る人ぞ知る素敵なジャズ系シンガーソングライターである。歌の勉強のために本場NYに渡った彼女は、生活の糧を得るためにウオールストリートの証券会社に勤め、バリバリのキャリア女性として大いなる実績も上げ、証券ウーマンとしてもかなりなものだったらしい。一方本職のシンガーとしてはNYのクラブで歌ってもいた。そんな彼女の才能を見出したのが、NYのブラジリアンミュージックの最高峰、ギタリストのホメロ・ルバンボ(当然ブラジル人)だった。その彼の推薦もあり、彼女はブラジリアンテイストの素敵なアルバムを2枚、ホメロやホメロ人脈の凄い面々と共に吹き込む。その中ではホメロとのデュオも披露、番組でもホメロ作曲のその曲も紹介することにしている。

  その後仕事の忙しさなどもあり、体に変調をきたしてしまった彼女は、帰国を余儀なくさせられる。傷心のなか全国各地を旅して偶然出くわしたのが南の島、奄美大島だったという訳。そこの南の端の方の街に住みだして既に数年、奄美の伸びやかな自然の中での生活から生まれた作品を集め、3枚目のアルバムを作り上げることになった。『大きな海の中を行く私たち』。

  ぼく自身は彼女のこと、これまで全く知らなかったのだが、アルバムがなかなかに良いからとジャズ関係者から勧められ聴いてみると、これがそのとおりでかなりグッドなのである。そしてバックを日本を代表するブラジリアン系ギタリスト、藤本一馬が務めているのも大いに気に入った点。ほとんどのナンバーが彼のギターだけをバックにしたシンプルな作りなのである。録音は現地の中心都市、名瀬市の有名な楽器店「セントラル楽器」で行われている。
 そして何よりもぼくがこのアルバムに惹かれたのは、彼女が拠点を奄美大島に定めていること。この島にはぼくはまだ2度ほどしか訪れておらず、もう10数回訪れている沖縄本島程には良く知らないのだが、ここからは島尾敏雄・ミホという素晴らしい作家夫妻が登場しており、更にあの元ちとせもここの島唄の代表的歌い手...と言う、ぼくが愛するこの2組がこの島に深く関わっているのだ。以前この島を訪れた時は、車を駆って元ちとせの生まれ故郷、深い山に囲まれた海辺の僻地集落にようやく辿り着いたりもした。またそのまま島の最南端の街(宮田さんが今住んでいる町の筈)に行き、対岸の加計呂島に船で渡り、「出発はついに訪れず」等彼の戦記物に描かれた、島尾夫妻の余りにも哀惜で美しい出会いの場所(島尾敏雄は人間魚雷の艦長、ミホは加計呂島の族長の娘)を訪れ、一人感慨にふけったりと、ある種の奄美大島フリークなのでもあります。

 それだけに彼女が奄美大島在住と言うのに惹かれ、これは是非番組に...と交渉、ようやく今回TEL出演と相成った次第。電話回線の状況が今一つなので編集作業も大変だったが、ミヤタトモコと言う素敵な女性シンガーの魅力は、それなりに出せたろうと自負する。アルバムには奄美の歌者、前山慎吾とのデュオ「よいすら節」も収められており、もう1曲民謡の「こきりこ節」も聴かれる。
 「今を生きる全ての人に向けられた静かなエール」と惹句にあるがその通りで、アルバムは彼女の心境を映した様な個人的な手紙とも言え、ラストナンバーは「すべてはおなじこと」。静かな良い終わり方だ。

【今週の番組ゲスト:奄美大島在住のシンガー ミヤタトモコさん】
3rdアルバム
『大きな海のなかをゆく私たち』
1stアルバム
Secret of Life』から

M1
Let Me...
M2Rio Dos Deuses
M3「あなたの笑顔」
M4「よいすら節」

9月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.09/03 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.529~与那国島の馬飼い】

  梨木香歩の「やがて満ちてくる光」(新潮社)というエッセイ集を、この盛夏の最中に読んだ。梨木は一般には児童文学者あるいは絵本作家として知られ、彼女のデビュー作となる「西の魔女が死んだ」は、最近の日本の児童文学(ジュブナイル小説)の一つの頂点とも評され、中学の国語の教科書などにも載っているとも聞く。そうした彼女だけにどうも児童文学者と言ったイメージも強いのだが、エッセイストとしても作家としても素晴らしい存在だ。「沼地のある森を抜けて」「家守奇譚」など、森や植物、鳥、昆虫など自然をテーマにした、そのナチュラルで柔らかい手触りの深味ある作品群は、独特の光彩を放っている。 

  しかし彼女のエッセイを読んでいて強く感じるのは、自然をこよなく愛しながらも、常に社会へのコミットメントも忘れない...と言う、そのきっぱりとした姿勢である。エッセイ集の冒頭に置かれた「守りたかったもの」のラストは「何とか声を挙げて行きたいと思うのは、きっとこれが私たちの望んでいる社会の筈がない、と言う頑固な驢馬の様な確信に、私自身が"守られている"せいなのかも知れない」となっている。このエッセイが書かれたのは2004年。それから既に16年余り、時代はそして日本自体も、残念なことに彼女の危惧以上に、どんどんと悪い方向に向かってしまっている。そして今の未曾有のコロナ禍。個々人がもっとしっかり社会にコミットして行かないと...。

 さて今回のコラムだが、メインはそうした所では無く彼女のエッセイ集の中に収められた「生まれいずる未知の物語り」のインタビューアー、河田桟(さん)と言う女性の存在なのである。このインタビュー(2013年)も実に示唆に富んだ素晴らしいものなのだが、そのインタビューアーがまたなんとも素敵なのだ。といった所で梨木自身に彼女を紹介してもらおう。「彼女は東京で本に纏わる仕事をしていた。このインタビューの数年後、与那国島でみなしごの牝馬と偶然出会う。カディと名付けたその牝馬と暮らすため、与那国島へ移住し馬飼いとなる。彼女は(馬との付き合いを通し)心の深い底から、世界に発信しようとしているのだ。彼女の言う「はしっこ」与那国島で...。
 この素敵な文章を読み、すぐに河田桟で検索するとカディと与那国馬(原種)達が東シナ海に面した草原で、のんびりと草を食む写真が出て来てほっこりと癒される。彼女はこの島で自身の出版社(カディ出版)も立ち上げ、馬との関わりをエッセイ写真集に纏め上げ、既に3冊も発表しているのだ。ブログには彼女とその牝馬、そして彼女が拾って来たと言う子猫の写真もアップされており、一人と2匹のなんとも和やかな生活振りが微笑ましくあるが、それが日本の西端の与那国島でのものだと言うことにちょっとしたショックを感じてしまう。
 
 10年以上前に台湾特番の取材で、台湾東海岸の宜蘭県の浜辺に立ち寄ったおり、案内の県庁役人が「風の強い晴日ならば、此処からはるか先に与那国島の島影が見えるんですよ...」と教えてくれた、その日本最西端の島。ぼくはまだ訪れたことの無いこの島で、かつて書評やインタビューアーなど、書籍文化の最先端を担う仕事をされていた東京在住の若い女性が、馬飼いでとしてもう既に10年近く生活しているのだと言う。なんとも厳しくもあるが夢のある話だと思う。と同時に彼女の意志の強靭さにも驚かされてしまう。お前ならばどうする...などと自問自答するのだが、やはりいい歳をした気弱な「ウインビー・ジジイ」のぼくなどは、ただただ彼女の存在・行動に圧倒されるだけなのです。

【今週の番組ゲスト:ピアニストの太田寛二さん】
新譜『AT JULIAN』から
M1Minor Misharp
M2Webb City
M3Remember
M4Cottage For Sale

8月27日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.08/27 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.528~チン&剛】

 「チンさん&剛さん」と言えば、ジャズファンならばもうお馴染のベテランコンビ。チンさんことベースの鈴木良雄、剛さんことピアノの山本剛。J-ジャズシーンを長年牽引して来たリーダー達で、2人でデュオライブも長年実施しているのだが、正式なデュオアルバムは今回が初めてで、タイトルは『ラビング・タッチ』。アルバムは今年の春ごろの発売で、スタジオにももう少し早くと言うことだったが、コロナ禍で夏の収録にずれ込んでしまった。両者ともほぼ同じ年代でチンの方が少し上。大学生の頃からの知り合いの筈(チンは早稲田ジャズ研、剛は日大だがジャズ研ではない)で、チンの方はぼくの大学時代のクラブ仲間。サダオさん(渡辺貞夫)のバンド時代からスタジオには良く遊びに来ていたが、その後アメリカに渡ってしばらくご無沙汰。その後帰国し六本木の「ピット・イン」(今は閉店)での凱旋ライブは、我がラジオたんぱでも録音中継した。その後はベースの第一人者としてシーンに君臨し今に至る。一方の剛氏の方だが、これがなんと初めての番組登場。「どうして呼んでくれなかったの...」などと剛先生からお叱りの一言だったが、これまで何回か新譜が出るたびに声はかけてきたが、なぜかスケジュールがうまく決まらず今回に至ったと言う次第。

 スインギーでブルージー(ブルース弾きとしては本邦随一)な剛氏、骨太で細かいフォローでピアノを支えるチンさん。絶妙なコンビのこの2人のデュオアルバムが、これまで無かったのはちょっと意外だが、岡本太郎記念館の館長でジャズ好きの平野氏が、自身で立ち上げたジャズレーベル「デイズ・オブ・デライト」、これは彼がチンのアルバムに大学生時代に大感激し、是非チンのアルバムを作りたいと言うことで立ち上げたものと聞く。このレーベルでのファーストアルバムが、盟友剛氏との初デュオアルバムになったとはなんとも興味深い所。アルバムは日頃2人がライブハウスなどでよく取り上げている、「サマー・タイム」「朝日の如くさわやかに」などのスタンダードがメインだが、当然剛氏の十八番とも言われる「ミスティー」も収録されており、その他タイトル曲など2曲のチンさんオリジナルも含まれている。

 気心の知れあった2人だけに、収録も実にスムーズ。山本嬢はスタジオでは初対面だったが、既に都内のある飲み屋で剛氏と同席、かなりよく知り合った仲だとも言う。お互いを褒め合った所で収録は無事終了。チンが「小西よー、どこか連れて行けよ...」と言うことで、このコロナ渦のなか、いささか心配ではあったが過密にならない様に、東京を代表する居酒屋「升本」に、酒豪の剛氏とチンさんを誘う。剛氏はこの銘店に初めて訪たと言うことで、いたくお気に入り。また是非誘ってよとのこと。コロナ禍のなかあまり長居は...と言うことで早々に引き上げたが、日本を代表するお二人との一時、実に楽しいものでした。また是非やりたいものですね。

【今回の番組ゲスト:ベーシストの鈴木良雄さんとピアニストの山本剛(つよし)さん
新譜『LOVING TOUCH』から
M1Loving Touch
M2Blues for Edith
M3Softly as in a Morning Sunrise
M4Misty

8月20日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.08/20 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.527~追分通信2020夏】

 8月に入り一斉の梅雨明けで猛暑到来と言った感じだが、暑い夏にも関わらず相変わらずコロナ禍は猛威を振るい、止まる所を知らない。感染拡大によるステイホームと観光振興のGOTOキャンペーン。政府の無策と強引策など矛盾した施策も加わり、国民はどうしてよいやら右往左往と言った案配。ただ誰もが感染を恐れ、GOTOキャンペーンにはおいそれと乗れない感も強く、お盆の帰省すらままならないと言う悪しき状況。

 そんな7月の末から10日ほどまた追分の山荘にいたが、驚いたことには国内屈指のリゾート地の軽井沢も、訪れる客がこの夏実に少ないのである。特に8月に入った最初の週末など、例年だと中軽井沢駅近くの国道は渋滞で身動き出来ないほどなのに、すいすいと走れてしまう。こうなるといささか拍子抜けと言うよりも心配にすらなってくる。確かに夏休みの日数削減などの影響もあるだろうが、軽井沢駅前の「プリンス・アウトレット」と並び今や軽井沢の新名所となった感もある、中軽井沢の星野リゾート「ハルニレ・テラス」も、今の時期子連れの客などで立ち往生してしまうところだが、全く問題なくぶらぶら散歩も可能。立ち並ぶレストランやブティックなどもかなり暇をかこっている感じで、およそ軽井沢名所と言った趣きも皆無である。

 ただそんな中で今年も又、大賀ホールで「軽井沢ジャズ・フェス」が...と思っていたが、これもやはりコロナ禍には勝てず、惜しくも中止となってしまったらしい。らしい...などと言うのは正式に告知を受けた訳でないのでこう表現をしたのだが、例年だとこのフェス色々とお手伝いもしていた。我がジャズ番組でもプロデューサーである伊藤八十八氏や、彼が亡くなってからは奥さん(現プロデューサー)にも登場してもらい、色々とフェスの紹介などもしてきた。だが今回は彼女からも一切連絡もなく、やはり中止かなと思っていたら、誠一ちゃん(中村誠一)の司会は決まっていたのだが、9回目にしてこの「リゾート・ジャズ・フェス」も案の定中止の決定らしい。フルバンドやおなじみの寺久保エリカなど、かなり豪華なラインアップだった様だが、中止とは大変に残念なこと。ジャズフェスもかつてのような華やかさはないが結構各地で実施されていたのだが、どれも全滅な様でフェスだけでなくライブハウスのジャズライブも延期・中止が続く。特にこのフェスは他の季節には延期出来得ないので、中止はある意味致し方ない所だろうが、唯一の「リゾート・ジャズ・フェス」の灯は、これからも消して欲しくはない。ぼくも最大限の協力をこれからもしていくつもりです。

 まあ例年とは違って、あれやこれや色々とある信濃追分の山荘周辺だが、散歩道の御影用水には相変わらず鴨が群れており、平静そのもの。用水入り口付近には、定住の鴨親子が2羽、その少し下流にも数羽の鴨集団。一時1羽も見られない時があり、いたく心配したものだが、全部で10羽近くも見かけ何かホッとする。コロナ禍でリモートワーク等も進み、かつての局在籍の女性も一家で、この冬ぐらいからこちらに定住を...などと言う話も聞えて来る様になり、コロナ禍が終焉するとここら辺も、大分様相や環境も変わって来るかも知れない。だがそれまではこの落ち着いた静やかな景色を、特に今年はその傾向が強いのだが、まあひっそりと愉しむことにしたいものだ。

【今週の番組ゲスト:シンガーの平賀マリカさん】
新譜『Joia』から
M1Amapola
M2Nica's Dream
M3Have You Ever Seen The Rain
M4Hallelujah

8月13日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.08/13 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は7月より、木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.526~原朋直くん登場】

 今回のゲストは久々の登場、トランぺッターの原朋直くんである。長い間ジャズトランペットシーンを牽引して来た日野皓正にとって代わるとも言われる勢いもある彼。鈴木良雄などのJ-ジャズ大物達で結成された、オールスターズジャズユニットのトランペットも任されているのだが、番組に登場するのはなんと6年ぶりの筈である。それ以前に彼が初めて番組に登場したのは「ジャズ新選組」などと言ったキャッチフレーズで、J-ジャズシーン期待の星として注目を集めていた90年代初めのこと。ドラマーの大坂昌彦との双頭バンド「原・大坂クインテット」は華々しい活動を展開、そのユニットデビュー時だったからまだ20代半ばの頃。大坂くんがどちらかと言うと気難しい芸術家肌だったのに対し、原くんは開けっ放しで裏表の無い好青年、トランペット一筋と言った趣きで好感度大だった。原くんも番組が気に入ってくれたようで、また是非出たいです...等とも言ってくれたりした。そんなこともあり結構気を良くしたぼくは、当時の若手トランペッター3羽烏~原朋直、松島啓之、五十嵐一生を集めた、1時間半ほどのジャズ特番をぶち上げたりしたものだった。

 その後も新作を出すと良く電話がありゲストに呼ぶことも多く、最も番組に登場したゲストの一人と言えるほどの存在。彼は顔に似合わず理論派(失礼)で面倒見の良いだけに、新設された洗足学園のジャズコース(音楽学校で初のジャズ専攻科)の講師を任命され、学生達を教える喜びも味わっていた。そこで一つ日本初めてのジャズ科を紹介する特番、是非作りたいのだが...と彼に水を向けると快諾。ちょうどぼくが定年を迎えた年の夏にその特番(1時間半)が洗足学園の提供で実現、夏休み中だったが彼の案内でまだ完成半ばの練習室や学生達の練習風景を取材、「テイスト・オブ・ジャズ・スペシャル」として特番に仕立て上げたものだった。そしてその締めはこのジャズ科の最優秀生で、バークリー音楽院に派遣留学されると言う生徒の、ピアノソロ演奏だった。その学生こそ今やJ-ジャズピアノシーンを代表する一人、片倉真由子で、彼女が何を弾いたのかは今覚えていないが、実に力強い将来性豊かなピアノプレーだった。ただ残念なことに、その後アメリカから戻りアルバムデビューを果たした彼女が、スタジオに遊びに来た時、その話をすると殆ど覚えおらず、いささかがっかりしたものだったが...。

 さて原くんの話に戻ろう、今や彼も大物の一人で洗足学園のジャズ科の主任教授でまさにお偉い立場。自身でレーベルも立ち上げかなり忙しそうに立ち振る舞っているので、数年前に新作を紹介してもらおうと誘いをかけたが、あっさり断られてしまった。そこで連絡途絶えてしまい6年程が経過したのだが、先日久しぶりに番組に登場したいと言う連絡があり、忙しくて出演を断ってしまった非礼も詫びたいと言う。まあそれほどのものでもないが、久々の出演こちらも喜んで...と言うことで6年振りのお目見えが実現した。

 新作は自身のレーベル「ゴーミー・ジャム」からのもので、既に4枚目になる。「ゴーミー」とはゴミを洒落たもので、彼の謙遜の意も表れているようで、自身のレギュラーユニットでのもの。メンバーには洗足学園の教え子もいるとのこと。主任教授となると色々忙しく大変だと言うが、人懐っこい性格は全然変わっていない。アルバムは自身の写真をジャケットに使っており、最近は写真に凝っており、写真展でもやろうかとも思っている程の自慢の腕前。更に最近は東京証券所から頼まれジャズ演奏会も時々開催しており、なかなかに好評とのこと。その司会を務めるのはかつて局にいて今兜町でコメンテーターなどとして活躍するS女史。彼女からも小西さんの話時々聞きますよ...等とも語るが、どうせ大した話ではないだろう。しかしあのジミー大西にも似たコミカルで人の良い原くんが、J-ジャズシーンを担う大きな存在になったのは本当に嬉しいこと。J-ジャズだけでなくこれからは世界のシーンで、大活躍して欲しいと切望します、原朋直くん!

【今週の番組ゲスト:トランぺッターの原 朋直さん】
新譜『Circle Round』から
M1Deep Sea
M2Eruption
M3Cosmic Microcosm
M4Circle Round

 

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パーソナリティ

山本 郁
やまもと かおる

新潟テレビ21アナウンサー・ラジオNIKKEI契約アナウンサーを経てフリーに。
ニッポン放送では『高嶋ひでたけのお早う!中年探偵団』最後のアシスタントをつとめた。
ラジオNIKKEI『聴く日経』、『テイスト・オブ・ジャズ』のパーソナリティー等。

新しい一週間の始まりにお耳にかかれて光栄です!!
今聴いて下さっている“あなた”をマイクの向こうに意識して価値ある情報を、正確に分かり易くお伝えします。

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