番組紹介

ラジオNIKKEI第1
毎週日曜日 18:30~19:00
毎週木曜日 22:30~23:00(再放送)

55年超の歴史を有する、民放ラジオ最長寿級のジャズ番組。進行役は、フリーアナウンサーの山本郁。毎回ミュージシャン、シンガー、ジャズ関係者などをスタジオに招き、そのゲストにゆかりの曲をかけてジャズ・トークをお届けします。

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5月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.05/22 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.514~リッチー・コールのこと】

 この言葉もう使いたくないのだが、やはりそうも行かない。「コロナパンデミック~コロナ禍」。日本国民への「ステイホーム」のお願いと非常事態宣言は今月末まで延長され、安倍政権のどうしようもない無策振りばかりがどんどん露わになりつつある。流石に安倍一派のフリーク筋もこの事態には眉を顰めている様だが、まあ本当に音楽・演劇などに関わるパフォーミング・アーティスト達は、もうお先真っ暗で行き場もない様子。ジャズの世界でも今は世界中で「セーブジャズ」と言ったキャンペーンも始まりつつある。本場NYの老舗クラブや東京のライブハウス、それらの窮状を救おうと言った活動も活発化しつつあり、これらは実に心強い動きだしぼくも何かを...と言った気持ちが強くなる。残念なことにぼくも深い関りを持つ、新宿の老舗クラブ「J」、ここは先月一杯で閉めてしまったが、老舗中の老舗で「和ジャズ」の殿堂とも言える「ピット・イン」は、実情は分からないがまだどうにか健在の様でホッとしている。
 それに反し死者の数もうなぎのぼりの本場NY、ここではジャズクラブの代名詞とも言えそうな「ヴィレッジ・ヴァンガード」。ジャズ好きでなくともこのジャズシティーを訪れた旅行者も、一度は訪れるに違いない文化名所。そう言えばこのジャズコラム担当のO局長も、一昔前のラジオたんぱNY支局長(今は当然消滅)だった筈で、当然この老舗店を覗いていると思うのだが...。このジャズクラブが閉鎖の危機にあるとも聞く。
名物オーナーのゴードン夫妻(夫妻とも物故)に会うのが、NY訪問の楽しみの一つだっただけに、この店が元気ないのは何より残念なことこの上ない。

 
さてそんな淋しい話ばかりが続く今日この頃、また一人ミュージシャンの訃報が飛び込んで来た。「アルト・マッドネス」の愛称で一時は日本でも絶大な人気を誇った、サックス奏者(ボーカリストでもある)のリッチー・コール。コロナ禍にやられたのかと思いきや、自宅で寝たまま逝ってしまった姿を娘さんが発見した自然死だと聞く。まあそれが唯一の救いか...。年令はぼくより3才ほど下だがほぼ同世代。彼が有名になったのは70年代の終わり頃、当時全盛だった森田一義君=タモリのお昼のTV帯番組「笑っていいとも」(か、その前身の「笑ってる場合ですよ」のどちらか)に数回ゲスト出演、その明瞭なアルトプレーや、それ以上に人気を集めたのが、司会のタモリとの掛け合いバップ歌唱。本当に大受けでそのコメディアンまがいの明るすぎるキャラクターも話題を集め、日本制作のアルバムも次々と出され、コンサートも満員と言う超人気振りだった。しかし好事魔多しで、その人気もそう長くは続かず、80年代に入ると人気も一気にダウン、「リッチー?へー、なにそれ...」と言った感じで、話題になることも無く一気に忘れ去られてしまった。実にファンは冷たいものだが、日本のジャズ史の中でも特異にして稀有な存在だった。ぼくにはどうにも忘れ難い一人でもあった。

 彼のアルバムは当時キングレコードから出されており、その担当者が我がジャズ番組に連れて来たのだと思うが、ホーボーと言うかバカボンド(ともにフウテンの意)そのままに、サックスを片手にふらりとスタジオに現れ。下手な日本語交じりのブロークンイングリッシュを駆使、唄入りのアルトソロ演奏も1曲披露、当時の担当女性アナを大笑いさせつつ、またふらりと帰って行った。ぼくが大学のジャズクラブで、タモリの1年先輩だと言うと急に親しみも増したのか、アルバムにサインをしてくれ、リスナープレゼントもサイン付きで数枚用意してくれると言ったサービス振り。こんなに陽気で気の良いミュージシャンもそうは居ない。すっかりファンになってしまったが、それ以降に出されたアルバムは、どれもモノトーンで変化なし。これはいささか...と危惧していたら、あっという間に凋落の一途。面白い男でサックスの力量も素晴らしいだけに、いささか残念ではあった。

 
 そして今回の訃報。この所長い間縁も無かったので、ユーチューブで最近の彼の姿を眺めてみると、まああの頃とあまり変わらないプレーとフーテン振りで、自慢の面白歌唱も披露していた。アルバムも自身のレーベルから数年前に数作発表しており、最新作は嬉しいことに、彼の陽気な気質にぴったりのラテンジャズもの。人気の頂点に駆け上がり一気に消え去ってしまった、まさに「ワン・アンド・オンリー」な才人にして奇人。「アルト・マッドネス」と言った仇名そのものの、愉快でけったいな実力派(初期のアルバムはバッププレーの粋が聴かれる優れものが多い)の彼、全盛時に東京で吹き込んだ『トウキョウ・マッドネス』でも聞きながら、その冥福を祈りたい。グッド・バイ リッチー!

【今週はノーゲスト回】

 「戦前のジャズ特集」
M1
「月光値千金 / 榎本健一」
M2
「雨に唄えば / 榎本健一」
M3
「アラビアの唄 / 二村定一」
M4
「私の青空 / 川畑文子」
M5
「バイバイブルース / 川畑文子」
M6
「ダイナ / ディック ミネ」
M7
「ラッパと娘 / 笠置シヅ子」
M8
「上海 / 美空ひばり」
M9
「恋人よ我に帰れ / 美空ひばり」



5月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.05/15 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.513~戦前にもジャズはあった】

  55年以上と言う長い歴史を誇り、恐らく世界中のジャズ番組の中でも最長寿とも言えるこの「テイスト・オブ・ジャズ」。ぼくが関わってからもなんやかんやで既に45年以上、亡くなった局の先輩でジャズアルバムのプロデュース数、日本でも屈指の数を誇る木全信氏(局を辞めRCAレコードプロデューサーに転身)の担当が、番組スタートから8年ほど...。まあ本当によく続いているものだが、そんな長い歴史の中でも、今まで殆ど取り上げなかったテーマが一つある。それが「戦前のジャズ」と言うか日本のジャズの原点~「和ジャズ」揺籃期のアルバム紹介である。
 
 どうもジャズと言うと、ぼくなどは直ぐにモダンジャズ=ジャズと言うことになってしまい、デキシージャズやスイングジャズと言った、かつての黄金期のスタイルを無視しがちだが、こうしたジャズスタイルを今でも守っている方達もおられる。その代表格がディキシーの山喜雄さん、そしてスイングクラリネットの北村英治さんと言った大御所達。このお二方やそのほかのプレーヤーの方も時々スタジオにゲスト登場、それぞれスイングやディキシーの演奏などを紹介してくれる訳だが、その原点ともなる戦前のジャズ、これについて触れることは殆どない。と言うよりもジャズ関係者でも、その辺を語れる~興味を持つ人も殆どいない、大先輩の故油井正一、故野口久光と言った方達を除き、誰もいないのが実情なのである。
 
 ぼくも当然その一人だが、ある時偶然に戦前人気を博したジャズ歌手、川田文子の伝記を読むことがあり、それ以来戦前のジャズ=日本ジャズ揺籃期に興味を持つようになった。川田文子はアメリカ移住民の子供でカリフォルニア育ち。ブロードウエイのステージにも立ち将来を嘱望されたシンガーだったが、母親と共に日本に観光旅行に来て、横浜の波止場でレコード会社のお偉方の出迎えを受け、そのままレコードスタジオに拉致(?)されてしまったと言う経歴の持ち主。この川畑文子など戦前のジャズを知るとかなり面白い。
 このコラムでも時々紹介しているが、6年程前から始まった中野区の地域センター(公民館)でのジャズ講座。その第1回目にこのテーマ「戦前にもジャズはあった」を取り上げ、40名ほどのおばちゃん中心の聴講者達にもかなりな好評を博し、この成功(?)でジャズ講座、今もまだ続いている訳なのだが...。

 ところが最近あるジャズ雑誌が、このジャズ揺籃期を2号続けて特集、その一回では「宮沢賢治は日本最初のジャズ文学者...」と言った特集を組み、ちょっとした話題にもなった。宮沢賢治とジャズの関連性については、もう30年ほど前から赤塚不二夫の面白グループの一員だった評論家の奥成達氏が良く語っており、確かその関連本も出ている筈。
 今はコロナ禍でゲストも登場しにくい状態もあるので、山本アナの語りと言う形で「戦前にもジャズはあった」と言うテーマで、この川畑文子や日本最初のジャズ歌手、二村貞一など、ジャズ唄~戦前のポピュラーソングを特集してみることにした。ぼく自身は日本が誇るオリジナリティーを備えた最初のジャズ歌手(?)は、日本の喜劇王エノケンこと榎本健一だと信じているが、そのエノケンの「青空」など数曲も番組では紹介する。特に有名なミュージカルナンバー「雨で歌えば」は、肝心のNYの街中での雨降りから、江戸時代の旅籠屋での雨に変貌する、この辺りまったく見事としか言いよう無し。
 そして日本最初の本格的ジャズシンガー、あの「ブギの女王」の異名で戦後直ぐの日本で、圧倒的な人気を誇った笠置シズ子。彼女が太平洋戦争突入直前、いわゆる敵性音楽=ジャズの強い規制がかかる時代に吹き込んだ、歴史的名唱「ラッパと娘」なども紹介する予定。そしてトリに登場するのは、笠置のコピー歌手としてデビューを果たし、以降日本の歌謡界を背負うことになる「女王」美空ひばり。戦前と戦後を結ぶこの女王の定評あるジャズボーカルナンバーは、確かに上手いし愉しく聴かせるこの企画は今週か来週の放送予定ですので、乞うご期待。

【今回はノーゲスト回】
「元気が出るラテンジャズ特集」
M1
Babarabatiri  / Tito Puente
M2Se akabo rabia  / Azucar Negra
M3La Nueva Cubana / Gonzalo Rubalcaba
M4El comeron / あびる竜太Latin jazzグループ」
M5West / 川嶋哲郎」

5月10日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.05/08 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.512~コロナ禍は続く】

 
 最近は殆どの人達が、コロナのことしか考えられないコロナ恐慌状態。ぼくのようなオールドボーイになると、恥ずかしい話坂道や階段の上り降りで直ぐに息切れしてしまうこともあり、そんな折に発熱でもあったらそれコロナ...と疑ってしまうだろう。先日も持病の定期診療で病院に行ったのだが、驚いたことにいつも屯している老人連中が殆ど見当たらず、実にスムーズに定期診療の運びとなった。いつもは薬をもらうためだけに病院通いだった連中も、コロナ怖さに足が遠のいたようなのだが、事程左様にこの恐ろしい病渦は様々なことの実態を暴き出している。その最も顕著な例が日本の政治と言うか、安倍政府の余りにもお粗末な狼狽振りと失態振りだろう。あの内田樹先生も嘆いていたように、次
々と失態を重ね続ける安倍一派に、未だ40%を超す支持があり続けるという嘆かわしい事態。本当にどうにかして欲しいものである。

 まあそんな日本人の、どうしようも救いの無い性向~政治志向を嘆いていても仕方ないが、それにしても華やぎのGWも全く形無しである。一寸は元気に...とも思うのだが、まずは暗いニュースから。以前このコラムで、コロナ禍で亡くなったジャズミュージシャンを何人か紹介したが、その後ある知り合いから大物が亡くなったと言うニュースを教えられた。白人サックス奏者の大立物、リー・コニッツである。彼ももう80代半ばの筈で、まさにジャズレジェンドの一人だが、つい最近まで現役バリバリで活躍していただけに大変残念である。特に彼には想い出があるだけに寂しさもひとしおなのだ。もう数十年も前のこと、初めて局から派遣されアメリカ民放ツアー(15日間ほど)に参加したのだが、その最終地のNYの街で偶然出会った、知り合いのジャズカメラマンが彼のマンション(NYのセントラルパークの脇にある高級マンション)で写真撮影をする...と言う。これ幸いと乗っかり彼のマンションを訪れ、交友を持ったと言う今は懐かしい想い出があるのだ。クール派の巨星とされるが、それに反し実に温かみを持った素敵なお人柄のジャズマンだった。それだけに本当に寂しい。

 そしてこのコロナ禍、多くの人が日頃は余りしないおうち読書などもしているようだが、その中でも売れているのが、あのノーベル賞作家カミユの「ペスト」だと聞く。アルジェリア生まれの作家でもあるカミユの「異邦人」に続く2作目になるこの作品、もう大分以前に読んだので詳細はしかとは覚えていないが、アルジェリアのある街で発症し全市に広がるペストとの戦いを描いたもので、今のコロナ渦にはぴったりの内容だけに、改めて読もうと思った人も多かったのだろう。確かその中である宗教家が「この疫病が皆を高め、その生きる道を示してくれる...」と言うようなことを語っていたはずだが、それはこの今の悲惨な状況にも通じる言葉だと思う。

 そしてもう一冊、こちらはアルゼンティンのノーベル賞作家ガルシア・マルケス(焼酎「百年の孤独」のもとにもなった作品などを著わす)、「マジック・レアリズム」という魅惑的な手法を編み出した彼の描いた「コレラの時代の愛」。80年と言う長い時代を超える熱狂的な愛の軌跡を描いた、この実に興味深く面白い長大小説も、コロナ禍の時代には読まれてしかるべきものだと信じる。

 まあこんななんとなく重苦しい日々が続く今は、少しでも心の余裕を得るため音楽でも聴きながら過ごすしか...。そう思いながらCD棚から選び出したのはやはりバッハ。中でも「無伴奏チェロ組曲」が最適だ。ぼくの思う至高の音楽とも言えるこの組曲、人気のヨーヨーマかこの名曲を復活させた定番のカザルスか...とも思った。しかし今回はその峻厳さで、ぼくらに進むべき道を教え示してくれる鬼才シュタルケルのものにした。それにしてもどの曲も素晴らしいし名演揃いだ。

【今週はノーゲスト回】
 「ポップスや演歌の歌手が歌うジャズ」というテーマでお送りします

M1「Smile / 松田聖子」
M2「You'd Be Nice to Come Home To / 八代亜紀」
M3「Seven Steps to Heaven / 森山良子」
M4「Moon River / 勝 新太郎」
M5「Falling In Love With Love 恋に恋して / 伊藤君子」
M6「花は咲く / Roberto Menescal, Wanda Sá 他」

 

5月3日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.05/01 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.511~ステイホーム】

  このコロナ渦で最も叫ばれている単語、それが「ステイホーム=蟄居」だろう。確かにこんな状況になっても、江の島や高尾山に人が集まるなどは愚の骨頂...、と言うか危険極まりない行動ではあるが、老いも若きも幼きも全てが蟄居とは寂しいしなんとも厳しい。しかし後輩夫妻が駐留している北京や、アグネス・チャンが一時帰国している香港など、完全拘束状態の「ロックアウト」話を耳にすると、まだ蟄居などは自由で優雅な措置に思えてくるから不思議だ。


 そんな毎日のステイホーム、ぼくの場合はまずジャズを聴く~ジャズアルバムの整理などジャズ関連に始まり、ビデオ鑑賞、そして読書などと言ったおうち行動中心で、肝心の1時間ウーキング(お散歩)もバカ犬ピーちゃんを失ってからは気持ちもままならない。またジャズリスニング(鑑賞)、これもご近所の手前あまり大きな音を出せないつらさ。更にアルバムや資料の整理、これも作業しながらついつい、見逃し聞き逃してしまった資料やアルバムの発掘作業に変わってしまい、少しもはかどらないのが実情だ。 

 先日の資料整理の最中、一冊のジャズ&ミステリー本を再発見、久しぶりに読みふけってしまった。タイトルは「ミステリー・ディスクを聴こう」、著者はミステリー作家でジャズ好きでも知られる山口雅也。ジャズ専門誌にコラムなども書いていた彼のこのミステリー音楽本、もう20年も前に出されたものだけに、当然今は絶版だと思うが...。この本ぼくは確か著者から贈呈された筈で、その当時は全部読んでいたと思っていた。だが意外に忘れていたエピソードやアルバムなども多く、蟄居生活を癒す格好の素材として読み進んでしまった。


 この山口氏のミステリー&ジャズ本が出た90年代半ばは、未だハードボイルド小説、特にぼくの大好きなディック=PI(プライベート・アイ)と呼ばれる、私立探偵達(スペンサーやモーゼズ・ワイン、アルバート・サムスン等々)が大活躍する、ハードボイルドものも人気を保っていた時代だったが、今やハードボイルド、特にディック(私立探偵)物の翻訳本は壊滅状態で、日本で出されることもほとんど無く、また日本のハードボイルド探偵も、札幌の名無し探偵シリーズ(東直紀)が頑張っているぐらいで、残念ながら壊滅状態。そんな今は絶滅危惧種扱いのディック達だが、マッチョでダンディなスペンサーを始め彼らのほとんどはジャズファンで、酒場や車のバックラウンドミュージックはジャズと決まっており、ナオン(女子)の口説き音楽もジャズだった。

 そんな探偵達の登場に欠かせない音楽=ジャズを、数多く取り上げているのがこの本で、一時人気だったピート・ハミルの描くディック、サム・ブリスコー(マンハッタン・ブルース)は、冒頭が「パーカーのオーニソロジーを聴いていると電話が鳴った」と言うシチュエーションでここから探偵のNYでの活動が始まると言う次第。こうした音楽とハードボイルド小説との蜜月が、色々と面白く描かれている音楽エッセイ集だけに、やはり心惹かれる所多々なのである。「シナトラは神のごとく」「ヒッピー探偵もソ連のスパイもみんなジャズが好き」「ミステリーとマイルスの相性について」等々、こんなサブタイトルを見たジャズファンならば、その食指が動かない筈はない。今は絶版だと思うがジャズファンならば是非古本屋かジャズをメインに置いているCDストアを探してみたらどうだろうか...。満足すること請け合いだと思います。

【今週の番組ゲスト:ギタリストの三好"3"功郎さん】

リーダーとして10枚目全曲オリジナルのアルバムMy Little Song Book』をご紹介頂きました。

M1separation

M2scenry in my heart 

M3lonely country boy 

M4both truth 



4月26日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.04/24 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.510~コロナ禍でのジャズ番組】

  このところは至る所でコロナ・コロナで全てがコロナ恐慌状態。そのうえ都民などは老いも若きもほとんどが「ステイホーム」と言うことで蟄居生活。居酒屋からカラオケ屋、クラブ、そしてライブハウスの類まで、いわゆる夜のお仕事場はどれもが営業休止、かつてない悲惨な状況だが我が放送業界も例外でなく緊急事態。TV局ではひな壇も無くなり、司会者一人で進行などと言う番組もざらだし、移動自粛などに伴い、外の取材もままならなくなり、結果再放送などと言ったものもあるようだ。一方小回りの利くラジオ界でも、どの局もスタジオにはアクリル板を設置、また進行役とゲスト一人迄などと細かい規則も設けられ、ゲストの多くは電話参加等々、数十年間ラジオの現場で仕事をしてきたぼくでも、未知の対処というか未知の事態も多く、ラジオ・TVの業界ではこれまでにない環境への緊張感も漂う。それだけに今第一線に立つ放送関係の皆さん、その奮闘振りには頭が下がる思いで一杯だ。 


 さて我が「テイスト・オブ・ジャズ」も、4月のど頭にギタリスト三好「三吉」いさお氏の収録を無事に終えて以降、一か月間は収録もお休みの閉店状態。「三吉」氏も「今日は決死の想いでスタジオに来ましたよ...」等と、冗談とも本音ともつかない独り言をかましながらスタジオに笑顔で登場、ほぼノンストップで収録を済ませると挨拶もそこそこに去っていった。彼のオンエアー日はGW真っ盛りの5月第1週(3日)だが、なんとも気分の暗いGWになりそうでもある。三吉氏はぼくの第3の故郷とも言える、大分の温泉都市=別府市の出身、上京して数年後初のリーダーアルバムをキングレコードから発表、その時にスタジオに初めて来てくれたのだが、その頃はまだ初々しいギタリストだった。その彼も今年で還暦、その記念も兼ね久々の全曲オリジナルのアルバムを制作、それを携え「決死の想い」でスタジオに遊びに来てくれたという訳なのだが、その彼も今やギタリストとしてだけでなく、大物シンガーたちのアルバムプロデュースや作・編曲を手掛けるなど、幅広い活動を展開する業界の立役者の一人になっている。凄いものである。


 「三吉」氏はこんな状況の中、まあ良くスタジオに来てくれたものだが、ほかのミュージシャン達は一様に収録の延期を希望、GW空けにスタジオにと...現在再調整中。局の方では「番組なるべく再放送で...」などとも言うのだが、そこはラジオ屋(?)の根性と言うか習い性と言うか...、再放送だけは避けたいといった思いもあり、このところあまり実施しなかった、山本アナの一人語り「ジャズジョッキー」を、放送予備として数本分用意してある。そのうちの一回は、聖子ちゃん・亜紀ちゃんと言った日本のポップス・演歌の女王達によるジャズシンギング。聖子の方はそのものずばりの『セイコジャズ』から。彼女のジャズアルバムは、日本で制作された1作目ともう一枚、本場NYに渡ってのNY録音盤の2枚があるのだが、その中から1曲を紹介。八代亜紀の方は、『夜の続き』と言うスタンダード集から1曲を紹介している。八代亜紀は東京に出てきた当時は、ナイトクラブなどでジャズシンガーとしても活躍していただけに、久々のカンバックと言った趣もある。彼女も2枚のジャズソング集を出しているが、これは『セイコジャズ』へのライバル心の発露...と言った意味合いもありそうだ。八代自身はもう10年以上前から御大の前田憲男(p)などを伴い、ジャズコンサートも挙行しており、そのライブ作も残されているが結構サマになっており、この2枚のジャズ作品もそれなりの聞き応えと言える。


 この企画回での聞きものは森山良子のマイルスオリジナル「セブン・ステップス・トゥ・ヘブン」。その歌の上手さに驚かされるはず。
そしてもう1回は、コロナで元気喪失のジャズ界に活力を...と言うことで、元気一杯のラテンジャズを特集して山本アナが紹介する。ラテンジャズ&サルサ。この能天気とも言えそうな明るく元気なジャズ。これを聴いて一時憂さを晴らしてほしいものです。ゴンサロ・ルバルカバ、そしてラテンジャズ界の帝王ティト・プエンテの演奏、どれもかっ飛んでいてスカッと気分爽快になること請け合いです。この山本アナ一人トークは5月ないし6月のどこかで登場するはずです。
 今後は4月30日に、J-ジャズの若手代表とも言える、ギターの井上銘、そしてフルートの佐々木結花、この2人を収録予定にしており、GW空けには鈴木良雄&山本剛、国分弘子、栗原すみれ等々、豪華な面々が登場予定になっています。こうご期待です。


【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
 
「最近気になるアルバム」をご紹介頂きました。
M1America Undefined / Pat Metheny」『From This Place』より
M2There Is No Greater Love / Sonny Rollins」『Way Out West』より
M3Orange Lady / Gil Evans」『Tokyo Concert 1976 Live』より
M4Low On Love / Becca Stevens」『WONDERBLOOM』より
M5Civet / RS5pb」『RS5pb』より


4月19日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2020.04/17 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.509~コロナウイルスの影響】
 
  コロナ渦が止まらない。ついに非常事態宣言も出され、街では人の出も少なくなってしまった。そんなひっ迫した状況の中、ジャズの世界でもライブハウスは、新宿「J」閉店に象徴される様に軒並み休止状態。ミュージシャンやシンガーのライブなども、どれも休止を余儀なくされ、もう立ちいかなくなっている。アメリカでは患者数、死亡者数も急激増加、世界一の感染国になってしまった。NY近郊都市在住の公認会計士のHくん(早大ジャズ研後輩)からのメールだと、その小さな町でも10日ほど前までは他人事の様だったのが、数日後には様相が一変外出も出来なくなり、スーパーマーケットは取り付け騒ぎ寸前だという。


 それにしてもライブハウスも含め、夜の飲食街の被害は救いないものの様だが、不思議なのはあの日中から夜中にかけての繁華街に於けるパチンコ屋の賑わい。したり顔で首都封鎖の可能性を叫ぶ小池女史もリーダーの安倍も、この件に関しては何も言及しなかったのだが、非常事態宣言では休止業界に指定されてしまった。それにしても業界との癒着を噂される警察の意向はかなりなものの様だ。それにしてもこれら全てで、日本の政治家どれもまったく酷いものばかりだ。


 ところで日本ではコロナ渦で死亡した有名人と言えば、あの東村山市の英雄にして、喜劇王の志村けんちゃん位なものだが、海の向こうではコロナ渦で死亡した、ジャズメンの訃報もいくつか伝えられている。まずはジャズ発祥タウン=ニューオーリーンズのボス、ピアニストのエリス・マルサリス。ウイントン、ブランフォード、デルフィーヨと言ったジャズ界きってのマルサリス兄弟の父親として、ジャズ界に隠然たる影響力を発揮していたエリス。モダン・ニューオリーンズ・スタイルとも言える独特な味わいを有したピアニストだったが、寂しいし残念だ。


 そしてその死のニュースが、最もインパクトを持って迎えられたのが、トランペットのウオーレス・ルーニー。59才とまだ現役バリバリ、来日経験も多く日本のミュージシャンとの共演も多数で、アルバムも数多いだけに、その死亡ニュースは大きなショックを、内外のミュージシャン達に与えている。マイルスの再来とも言われ、その帝王から自身のペットをプレゼントされたとも言われるウオーレス。その存在感は大変に大きかった。

 
そしてもう一人、これも大ベテランのギタリスト、バッキー・ピザレリ。今や息子のギタリスト、ジョン・ピザレリの方が有名になってしまった感もあるが、スタジオミュージシャンとしての経歴も長く、スイングからモダン何でもこなす、白人ミュージシャンらしい実にセンスの良いギタリストで、歌伴にも長けていた。惜しい人を亡くした感もあるが彼ももう80代半ば、ある意味天寿かもしれない。

 
しかしこうしたコロナ渦の中でも救いのある出来事も見いだせる。NYはひどい状況下ではあるが結構市民は意気軒高だともいう一面もあるし、何よりミュージシャン自身がフェイスブックなどを通じて自身の活動(自宅からの中継)を世界中に発信したりしている。その代表格がピアノのフレッド・ハーシュとニールス・ラン・ドーキ。どちらも自室のピアノでソロ演奏を行い、同時にファンへのメッセージも添えている。また日本でも御大サダオさん(渡辺貞夫)が名曲「スマイル」をソロで静かに奏で上げたり、他のミュージシャンもユーチューブにソロ演奏を載せている。こうした音楽家たちの地道な努力が結実する時がきっと来るに違いない。今は強くそう信じたい。
 ジャズミュージシャン達の訃報、それはこれからも続くかもしれないが、ただ嘆くだけでなく我々自身でも、積極的にコロナ渦に立ち向かう必要がある。まずは手洗い、うがい等々、こまめに気をつけねば...。その細かい気配りが何時か実を結ぶ筈だ。


【今週の番組ゲスト:ベーシストの須川崇志さん】
Banksia Trio」の1stアルバム『Time Remembered』と前作『Outgrowing』から
M1Yoshi
M2Ancient Blue
M3Banksia
M4Nigella

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パーソナリティ

山本 郁
やまもと かおる

新潟テレビ21アナウンサー・ラジオNIKKEI契約アナウンサーを経てフリーに。
ニッポン放送では『高嶋ひでたけのお早う!中年探偵団』最後のアシスタントをつとめた。
ラジオNIKKEI『聴く日経』、『テイスト・オブ・ジャズ』のパーソナリティー等。

新しい一週間の始まりにお耳にかかれて光栄です!!
今聴いて下さっている“あなた”をマイクの向こうに意識して価値ある情報を、正確に分かり易くお伝えします。

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