お知らせ:

ラジオiNEWS

番組へのお便りはこちら

0626‐1.jpg

驚愕した。わずか半年でここまで急成長するとは。23日夜、高嶺のなでしこ「全国お招きツアー2023~First trip~」を拝見し、久々に背筋がゾクゾクした。たかねこのライブは昨年12月のクリスマス以来。あれから6か月、同じグループとは思えないほど、この日のたかねこのライブは圧巻だった。素晴らしかった。

冒頭から衝撃だった。旗を片手に、きりっした表情の籾山ひめりさん。空気が張り詰めた。1曲目「革命の女王」から打ちのめされた。上手いなどという陳腐な表現では、とても追いつかない。たかねこの力量は、この半年で一気に2階級から3階級、特進していた。「誇り高きアイドル」、「アンチファン」と続き、会場が圧倒されるころ、筆者は確信した。「たかねこは、もうすぐに武道館に行くな」と。松本ももなさんが語っていた目標、2年で武道館は間違いなく達成される。たかねこの10人が、九段の丘に凛として立ち尽くす情景が見えた気がした。

4月、ラジオiNEWSに出演してくれた時、松本さんと籾山さんが語っていた。「7人の成長がすごい。うかうかしていると追い抜かれる」と。松本さんたちが言っていたのは、このことだったのかと、ライブをみて合点がいった。

亮的閑話 第105回 さすが「たかねこ」の2枚看板「ももひめ」、存在感抜群

メンバーがどんどん成長する。元ラストアイドル組も、若く伸びしろの大きい3人だったとはいえ、刺激を受けて成長する。結果としてチームたかねこは相乗効果で、信じられないスピードで大きくなる。昨年12月のライブを見て筆者は「たかねこは大きくなる、23年はたかねこ飛躍の年になる」と本項で書いたが、その飛躍ぶりは、筆者の想定をはるかに超えていた。23年は、たかねこを元ラスアイメンバーがいるから応援するのではなく、好きなグループだから応援する、そんな年になれば、と記したが、筆者はその領域に達した。甘い郷愁は新宿・歌舞伎町の夜空に消えていった。

亮的閑話 番外編 たかねこのクリスマスライブで激動の22年を締めくくり

昨年12月のライブでは、元ラスアイの3人以外に知っているメンバーはいなかった。4月にマンスリーゲストでお迎えし、7人のメンバーともお会いできた。番組当日、打ち合わせから本番、番外編の収録まで、2時間以上も同じ空間で過ごせば、距離は縮まる。ラジオのスタジオでの居ずまいと、ライブのステージでの堂々たる立ち居振る舞いのギャップの大きさに、驚くことも多い。距離が縮まった7人のメンバーたちのパフォーマンスを拝見するのも、この日の楽しみの1つだった。

東山恵里沙さんの存在感は半端ない。ラジオのスタジオでは控え目に、にこやかに座っていた東山さん、とても同一人物とは思えない迫力だった。デビュー曲の歌い出しを任されるくらいだから、その歌唱力は承知していたが、圧倒される声量、突き抜けるような歌いっぷりに衝撃を受けた。

ラジオで楽しそうだった城月菜央さんは、ライブでも楽しそうで、躍動感があった。「選手カッコいいぞ!」と、思わずにんまりした。小柄なのに存在感があって目立つ涼海すうさん。ラジオで練習した「女の子は強い」のコール、「俺も!」に参加できで嬉しかった。スタジオでもステージでも大人びて落ち着いた雰囲気の星谷美来さん、その歌声の可愛らしさを堪能した。葉月紗蘭さんの凛とした表情と、柔らかで透明感のある声にもしびれた。 歌に包容力があり、ダンスの切れ味抜群の春野莉々さんをみれば、「今日も差し入れで余ったお菓子を全部持って帰るのかな」と想像してみたり、日向端ひなさんのマイクに良く乗る、のびやかな歌声も素晴らしかった。

籾山さんもちょっと見ない間に、驚くほど歌が上手くなっている。ダンスの力量も格段にレベルアップしている。地位が人を作るというが、キャプテンになった籾山さん、この重責をエネルギーに変え、日々成長しているのだろう。ラスアイでは最年少、かわいい妹的な立場だったのに、完全にひと皮むけた。

松本さんは相変わらずのアイドル力。いつ見ても華がある。この人は日本で最もアイドルらしい人ではないかと、改めて思った。たかねこがますます成長しても、その中心にはいつも松本さんが、どっしりと存在しているのだろう。そして橋本桃呼さん、お帰りなさい。復帰おめでとう。1つでもピースが欠けると、たかねこというパズルは完成しない。橋本さんがいない時、たかねこは、たかねこでなかった。10人そろって、たかねこが復活した。全員でツアーファイナルを迎えることができて、本当に良かった。

たかねこの楽曲は、年ごろの女性の淡い恋心を描いた可愛らしいものから、女性として、人間として、生きる指針になるような強いメッセージ性のあるものまで幅が広く、印象に残る。ライブの最後に披露した「ファンサ」は締めくくりにふさわしい1曲で、こうして少しずつ、たかねこの型ができていくと、ますますライブが楽しくなる。

アンコールの後、緊急告知があり、9月3日の1周年ライブが発表された。そこで、はたと気づいた。たかねこは、デビューしてまだ1年もたっていないのだと。それでいて、この圧倒的な、超ハイレベルなライブは何なんだと。たかねこはすご過ぎる。

1周年ライブでは重大発表があるという。もしかして、1年後の24年9月、武道館ライブ決定!などということはないか。この日の会場になった新装まもないZepp Shinjukuは、キャパ1500人。たかねこは一発で満員にしてみせた。たかねこが今のペースで成長していけば、1年後の武道館に1万人のファンを集めても、まったく不思議ではない。

ライブの翌日、大阪で講演の仕事があり、残念ながらお見送りはパスして、会場を後にした。出口でメンバー手書きのメッセージカードを受け取った。星谷さんのカードだった。1500人の来場者、単純計算でも1人最低150枚は書いたはずだ。これから先、国民的なアイドルグループになっても、ファンを大事にする今の姿勢は保ってほしい。

この原稿は23日夜、新大阪行き最終のぞみの車中で一気に書いた。たかねこのライブを見て驚愕し、興奮し、背中がゾクゾクする、あの感じを久々に味わった。書きたい、伝えたいという記者の本能が刺激された。高嶺のなでしこ。成長が速すぎて、ライブに行くたびに驚愕と興奮を繰り返しそうだが、この魅力あふれるアイドルグループにこれからも注目し、応援していきたい。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)

0626‐2.jpg

お知らせ

お知らせ一覧