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クリスマスの25日、高嶺のなでしこの「たかねこのクリスマスパーティー2022~聖夜の約束―!LIVE」におじゃました。たかねこのファーストライブは仕事で行けなかったので、この日は絶対に行きたかった。アイドルフェスなどで何度か拝見していたが、単独ライブは初めてなので、とても楽しみにしていた。

結論、実にいいものを見せてもらった。いいライブだった。デビューしてまだ4か月だから持ち歌は少ないし、ライブも2度目だから場慣れもしていない。それでも「このグループはきっと大きくなる」と確信した。伸びしろや可能性の大きさを感じさせた。数年後、たかねこが誰もが知る人気アイドルグループになったころ、ファンはきっと今日のことを、こんなふうに思い出すだろう。「デビュー初年度のクリスマス、池袋の小さな会場で、一生懸命ライブをしていたたかねこが、今や武道館を満員にするほどビッグになった。俺たちはあの時代のたかねこを知っている。あれからずっと成長を見守ってきたんだ」と。

筆者はずっとラストアイドルを応援してきた。5月に活動終了となり、途方に暮れていた時に誕生したのが、たかねこだった。松本ももなさん、籾山ひめりさん、橋本桃呼さんと、アイドル力が高い3人が加わったたかねこは、元ラスアイファンの希望の星だった。この日のライブの最後、橋本さんの挨拶が良かった。「こんな素敵なクリスマスを迎えられるなんて思わなかった」。涙する橋本さんに籾山さんが駆け寄る。筆者の涙腺も崩壊した。

1年前のクリスマスはラスアイの4周年ライブを、横浜の大きな会場で、華々しく打ち上げていた。5月に活動終了となり、どんな年末になるのか、見えない先行きに不安になったこともあっただろう。それが現実には、たかねこという早くもファンに愛されるアイドルグループの一員として、クリスマスのライブを迎えることができた。その喜びたるや幾何のものか。いつも陽気な橋本さんの涙は美しかった。ファンも喜びを共有できた瞬間だった。

グループの大黒柱、松本さんの存在感は相変わらず強く、見る者に安心感をもたらす。まさにアイドルの中のアイドルだった。籾山さんの軽やかだが切れのいいダンスと、低音からぐーっと伸びてくる歌の上手さも、相変わらずだった。この日は城月菜央さんの19歳の誕生日だった。入口で手渡された即席ペンライト。折ると城月さんの担当カラーの黄色が灯る。アンコールでのバースデーソング、会場中が黄色の光の海になった。デビューしてまだ4か月なのに、こんな暖かいファンがたかねこには付いている。

たかねこにとって、23年はきっと飛躍の年になる。筆者も含めた元ラスアイファンたちも、いつまでも思い出に浸ってばかりではいられない。たかねこや×文学少女歌劇団を、元ラスアイメンバーがいるから、という理由でなく、純粋に好きなグループだから、という理由で応援する。23年はそんな1年になるといい。たかねこのメンバーの多くは、まだお会いしたことがないが、この日のお見送りで、優しい、いい子たちだなあと、いきなり好印象を持った。2曲目のシングルがリリースされるタイミングで、ぜひラジオiNEWSにお呼びしたい。

このコラムは先週木曜日で年内最終のはずだったが、たかねこのライブがあまりに良かったので、番外編をつづったこと、クリスマスに免じてご容赦いただきたい。激動の2022年、振り返るとラスアイを中心に20回以上、アイドルのライブに足を運んだ。最後をたかねこで締めくくることができた。今度こそ、皆さん、良いお年をお迎えください。来る23年もラジオiNEWSをよろしくお願いします。

(日本経済新聞 編集委員 鈴木亮)

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