「半導体関連株、反発力乏しい」
「大阪ガス、24年3月期利益を大幅上方修正、ただ25年3月期は...」
「三信電気が大幅高、電子部品商社の高付加価値分野に注目」
4月23日の東京株式市場では、個別物色中心の展開となりました。米国市場で半導体関連株が反発したことを受けて、東京市場でも、寄り付きでは半導体関連株への買いが優勢となりました。しかし、買いは続かず、半導体関連株の一角には、下げに転じる銘柄も増えました。
大阪ガス(9532)が上げました。同社は22日、集計中の前24年3月期の利益上方修正を発表しました。売上高は未達ですが、営業利益は従来計画の1395億円を1725億円に修正しました。
大阪ガスの利益上方修正を参考に、他のガス会社の株価も上昇しました。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスがそろって高値更新です。
大阪ガスは3月7日に新年度である今25年3月期の経営計画を公表しています。25年3月期の営業利益は1235億円を計画しています。24年3月期と比べると減益になりますね。
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半導体・電子部品商社の三信電気(8150)が上げました。同社は22日、集計中の24年3月期の営業利益を従来計画の44億円に対して57億円に上方修正しました。売上高は従来の1570億円に対して1400億円に下方修正しました。半導体・電子部品販売などが未達になるため、売上高は下方修正です。しかし、「利益率の高いソリューション事業が好調に推移」したことから、利益面は上方修正されました。
三信電気の4-12月期業績実績をセグメント別で見てみましょう。
三信電気の4-12月期
売上高 営業利益 営業利益率
デバイス 983億円 17億円 1.7%
ソリューション 100億円 7.8億円 7.7%
システム設計・構築からメンテナンスに関連するソリューションビジネスの利益率は、デバイス事業と比べて高いことがわかります。
エレクトロニクス・機械商社等がシステム設計・構築などソフトウエア関連事業に展開して、利益を増やす姿勢が注目されます。例えば、東京エレクトロンデバイス(2760)やマクニカHD(3132)などの半導体・電子部品商社でも、電子部品販売以外の新規サービス事業・高付加価値事業が伸び、利益率の改善につながっていることがわかります。
東京エレクトロンデバイスの4-12月期
売上高 営業利益 利益率
半導体・電子デバイス1588億円 77億円 4.8%
コンピュータシステム 209億円 19億円 9.4%
マクニカHDの4-12月期
売上高 営業利益 利益率
電子デバイス 3456億円 59億円 1.7%
ネットワーク 513億円 60億円 11.7%
システム開発・コンサルティング関連のビジネスをいかに伸ばして利益率を上げるか、そこが専門商社の業績拡大のポイントになります。
4月23日午後3時10分記