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「日経平均、一時600円超下落→その後下げ幅縮小」

「メガバンクへの押し目買い、TOPIXを支える」

「伊藤忠の2025年3月期――利益も配当も増加→株価は大幅上昇」

 

 

4月3日の東京株式市場では、朝方に日経平均が600円以上、下げました。米国株安を受けて、日本株の上値が重くなってきたと感じる投資家から売りが先行しました。日経平均39200円では、押し目買いも入って下げ渋る場面が見られました。

 

 

銀行株が下げ渋りから反発に転じたことで、全体の下げ幅も縮小しました。三井住友FGは3月配当権利落ち直前の価格(3月27日終値9061円)に対して、本日朝の安値8491円まで、1週間足らずで6.3%下落しました。国内長期金利(0.77%)に大きな変化がないなかで、値ごろ感から銀行株に買いが入ったと見られます。

 

 

伊藤忠の大幅高も全体の下げ渋りにつながりました。同社は3日午後1時、24年度経営計画を発表しました。24年度とは、25年3月期です。連結純利益8800億円、総還元性向50%、配当200円を下限とし、自己株取得1500億円を行う方針等を発表しました。伊藤忠は集計中の24年3月期について、純利益8000億円、年間配当金160円の計画を示しています。25年3月期の配当金が増える見通しとなり、買いが優勢となりました。

 

 

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ファーストリテイリング(9983)が下げました。2日に発表した3月の国内ユニクロ既存店売上高(+Eコマース)は前年同月比-1.5%、全店で+1.0%でした。日本の小売業各社の3月の月次売上高は2ケタの伸びを記録する企業も多い状況です。他社と比べて、ユニクロの販売が弱いとの観点から売りが先行しています。

 

 

ちなみに3月既存店は「客数-7.7%、客単価+6.7%」でした。購入客数の減少を値上げによって吸収できない状況です。2月上半期全体の既存店は「客数-5%×客単価+1.8%=-3.4%」でした。

 

 

ファーストリテイリングの9-11月期の「調整前連結セグメント利益1398億円」のうち、国内ユニクロ事業は491億円と約3割を占めています。4月11日に決算発表を予定しています。

 

 

一方で、靴の販売チェーンを展開するABCマート(2670)は買われ、年初来高値を更新しました。2日に発表した3月既存店売上高は+10.7%(客数+2.3%×客単価+8.3%)でした。値上げをしても売上数量を伸ばすことができる会社が評価される傾向です。

 

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マキタ(6586)が上昇しました。世界的な電動工具メーカーです。SMBC日興証券がレーティングを引き上げ(3→2)ました。同証券では「25年3月期にむけて在庫調整は改善へ、需要動向を注視」としています。営業利益について、24年3月期推定の603億円に対して、25年3月期777億円が予想されています。目標株価は2900円→4300円に引き上げられました。

 

 

マキタの在庫を調べてみましょう。

 

マキタの棚卸資産

22

12月末5032億円

23

3月末4537億円

6月末4459億円

9月末4046億円

12月末3629億円

 

 

昨年12月末の在庫は3629億円です。前年同期の5032億円に対して約28%減少しています。

 

 

コロナ禍前の2019年12月末は2311億円でしたので、その時期と比べれば、まだ高い水準です。しかし、「サプライチェーンの重要性・警戒感」が認識される中で、産業界の在庫がコロナ禍前に戻ることはないでしょう。今後、様々な産業で在庫調整の進展が認識されると考えます。

 

 

4月3日午後3時10分記

 

 

 

 

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