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「京浜急行が大幅高―――高輪の土地をトヨタに売却(簿価11億円・利益850億円)」

「鉄道株軒並み高、百貨店・ホテルチェーンも強い」

 

 

 

 

3月25日の東京株式市場は、利益確定売りに押される展開となりました。前週に日経平均は5.6%上昇、TOPIXは5.3%上昇していました。短期間に大きく上昇したことから、週明けの市場では利益確定売りが先行しました。

 

 

半導体関連株、銀行株、自動車株等に売りが先行しました。

 

 

収穫はあります。25日は、鉄道株全般が高くなりました。特に高い上昇率になったのが京浜急行(9006)です。

 

 

京浜急行は22日、24年3月期の利益を従来計画の220億円に対して840億円に修正しました。東京都港区高輪3丁目の保有地をトヨタ自動車に売却することで、売却益等を計上し、最終利益が膨れ上がります。

 

 

同土地は帳簿価額が11億円で、譲渡益は850億円です。帳簿価格を大きく上回る売却額となりました。

 

 

鉄道株では、西武HD(9024)も大幅高です。西武HDは「東京ガーデンテラス紀尾井町」の売却を検討しているとの報道が好感されました。保有地活性化の余地が大きいとの観点から、他の鉄道株も高くなりました。京浜急行や西武HDの大幅上昇を見ると、投資家・株主が企業に対して保有資産の活性化を求めていることがわかります。

 

 

ちなみに、京浜急行の23年12月末の総資産・バランスシートを見ると、「土地」は1738億円になります。今回の簿価11億円の高輪の土地を売却した結果、850億円の譲渡益が計上されました。様々な保有地があるのでしょうが「パランスシートに掲載された金額を大きく上回る保有資産がある」との思惑が京浜急行や他の鉄道株に働きました。

 

 

ちなみに23年12月末のバランスシート上の「土地」を調べてみると、JR東日本が2兆1908億円、西武HDは6616億円でした。

 

 

デフレ時代における土地資産はネガティブな印象が強かったのでしょうが、インフレ時代には評価が変わってきます。バランスシートにおける現預金の価値が減少する一方で、土地等の資産の評価は高くなる傾向、それがインフレ時代の資産価値です。

 

 

25日の東京市場では、三越伊勢丹、高島屋の百貨店株やホテルチェーンの藤田観光が昨年来高値を更新しました。百貨店やホテル運営会社も保有地の多い企業ですね。

 

 

3月25日午後3時10分記

 

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