「FOMCメンバーの政策金利見通し据え置き・景気見通し上方修正」
「米国株価上昇、"中立金利"は若干上昇」
3月20日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが約1%、ナスダック指数は1.2%でした。FOMCのメンバー予想において、景気見通しが上方修正される一方で、政策金利見通しは据え置かれました。金融政策を好感して株価は上昇しました。
米国時間20日にFOMCの結果が公表されました。FOMCメンバーによる政策金利見通しが公表されました。以下に掲載します。
FOMCメンバー予想(24年3月)
24年末政策金利
5.25~5.50 2人
5.00~5.25 2人
4.75~5.00 5人
4.50~4.75 9人
4.25~4.50 1人
今年末の予想政策金利の中央値は4.6%となりました。これは、前回昨年12月の予想値と同じです。メンバー19人のうち、半数近くが4.50~4.75%、つまり現状の5.25~5.50%に対して3回の利下げ(0.25%×3回)を予想しています。
昨年12月におけるメンバーの予想金利を以下に再掲します。
FOMCメンバー予想(23年12月)
24年末政策金利
5.25~5.50 2人
5.00~5.25 1人
4.75~5.00 5人
4.50~4.75 6人
4.25~4.50 4人
4.00~4.25 0人
3.75~4.00 1人
今回は、3か月前予想値と比べてレンジが狭くなり、中央値は変わっていないことを示します。
FED WARCHによると、今年12月の政策金利について、次のような確率が示されています。(米国時間20日)
5.00~5.25% 4.8%
4.75~5.00% 18.4%
4.50~4.75% 33.6%
4.25~4.50% 30.0%
4.00~4.25% 11.6%
前日と比べると、やや利下げ期待が上昇しています。
FOMCにおける経済見通しも以下に掲載します。カッコ内は12月見通しです。
24年末
GDP 2.1(1.4%)
失業率 4.1%(4.0%)
PCEインフレ率(総合)2.4%(2.4%)
PCEインフレ率(コア)2.6%(2.4%)
経済見通しが大きく上方修正される一方で、政策金利見通しは「年3回利下げ」で据え置きです。経済が予想以上に拡大するけれども利下げ路線は変わらないとの結果を受けて、株価は上昇しました。
また、「Longer runの政策金利」(中立金利)は2.6%となり、前回の2.5%から上がりました。「景気を過熱させたり冷やしたりしない中立金利」の上昇の兆候として注目されます。
3月21日午前5時40分記