「日経平均1000円高!―――国内金利上昇抑制を好感して買戻し加速」
3月18日の日本株は上昇しました。日経平均は1000円高、予想以上の上昇幅です。日本時間16日朝6時の日経平均先物夜間取引の終値は38660円(通常取引比+270円)でした。先週土曜日段階では、米国市場における米金利上昇・ドル高円安の動きを参考に「週明けの日経平均は270円ほど上昇する」と見られていた訳です。しかし、予想以上の上昇幅となりました。
19日に日銀金融政策決定会合の結果が発表されます。各メディアで「マイナス金利解除」の報道がされていますので、マーケットはそれを織り込みながら動いています。日銀のマイナス金利解除に加え、YCC政策(イールド・カーブ・コントロール政策)取りやめ、ETF購入の取りやめも意識されています。
これらの金融政策の変更を前に、ドル高が進み、日本株が上昇しています。こうなると、当面の「日本円の買戻し要因・日本株の売り要因」が出尽くしたようなイメージが広がります。「日本円の買いポジション・日本株の売りポジション」を保有していても投資効率は悪くなる一方だとの危機感が膨らんだ結果、買戻しが加速し、本日の「予想以上の日本株高」につながったと解釈します。
「日銀の政策変更」が強く材料視されるならば、日本では銀行株が買われるはずです。しかし、本日の東京株式市場では、半導体関連株の方が銀行株よりも強くなっています。「政策変更」で株を買ったというよりも、買戻しが半導体関連株に対して活発になり、その結果、徐々に上昇幅が拡大した考えます。
また、日本の2年国債の利回りは、先週金曜日の0.19%台に対して本日は0.18%台に低下しました。10年債は0.8%に対して0.77%台に低下しました。金融政策の変更を織り込んだとしても、金利上昇は抑制されるとの読みが働き、日本株の上昇につながりました。
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内閣府は18日、1月の機械受注を発表しました。受注総額は、季節調整値で前月比2.9%減少となりました。季節調整をしていない機械受注額は2兆2682億円と12月の3兆1873億円に対して29%も低い水準です。つまり、季節的に1月は受注の少ない月です。正月ですしね。
不需要期ではありますが、航空機受注は前年同月比で高い伸びを続けています。
航空機受注の推移(前年同月比)
9月 2653億円(+98%)
10月 1258億円(+38%)
11月 968億円(+43%)
12月 2334億円(2倍増)
1月 1524億円(2.6倍増)
電力を発生させる「原動機」の受注は堅実な内容です。
原動機の受注(前年同月比)
7月 4350億円(2.9倍増)
8月 1503億円(-40%)
9月 3004億円(+30%)
10月 1895億円(+46%)
11月 1521億円(-20%)
12月 4502億円(2.1倍増)
1月 1818億円(+35%)
あまり目立たない分野ですが、化学機械の1月受注が前年同月比で2.2倍増となりました。
化学機械の受注(前年同月比)
9月 766億円(-23%)
10月 574億円(+85%)
11月 441億円(-27%)
12月 790億円(-39%)
1月 1027億円(2.2倍増)
合成樹脂機械の受注も増えてきました。プラスチックを作る機械です。
合成樹脂加工機械の受注(前年同月比)
9月 328億円(-8%)
10月 185億円(-52%)
11月 158億円(-36%)
12月 249億円(+10%)
1月 297億円(+9%)
3月18日午後3時15分記