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「日本株・下落場面で買う勢力を再認識」

「"半導体市場拡大の恩恵を受ける低PER銘柄"―――静かに新高値示現」

 

 

3月6日の東京株式市場では、売り買いが交錯しました。前日の米国株安を受けて、日経平均の下げ幅は、寄り付きまもなく300円を超えました。しかし、下落場面で買う投資家は多く、深押しを入れにくい日本株の習性が再認識されました。

 

 

半導体関連株の一角など、直近で大きく上げた株には利益確定売りが膨らみました。しかし、買われる銘柄も多数存在しています。個別株を買う意欲は旺盛です。

 

 

新高値銘柄から「銘柄選択のストーリー」を描いてみましょう。新高値銘柄の中には「半導体市場の拡大に伴って収益拡大期待のある株」かつ「PER等の投資尺度で魅力の残る株」が存在します。

 

 

東京エレクトロンやディスコ等、予想PERが50倍を突破している銘柄を誰もが買えるわけではありません。広義の半導体関連株はたくさんあるので、その中から有望な企業を発掘する動きがあります。

 

 

具体的な例を挙げてみましょう。例えば、ニチアス(5393)です。1896年の設立時の社名が日本アスベスト。建材事業から始まり「保温・断熱技術」を深耕して様々な産業界で部材を供給しています。12月締めの9か月決算における営業利益を以下に記載します。

 

 

ニチアス(5393)のセグメント別営業利益(412月期)

プラント向け工事 68億円

工業製品         82億円

高機能製品       72億円

自動車部品       30億円

建材             1.9億円

 

 

高機能製品セグメントに半導体関連事業が入っています。現状の半導体関連事業の収益はさほど高いわけではありませんが、中期的には半導体市場拡大を反映するでしょう。半導体製造装置の生産プロセスでは、熱制御や漏れ防止等の技術は大切です。

 

ニチアスのHPから半導体関連事業に関する説明を以下に引用します。

 

 

「半導体やFPDを代表とするエレクトロニクス関連業界、とりわけ、半導体製造装置メーカーや周辺機器メーカー、半導体メーカーを主な顧客として、装置や機器の部品、半導体工場の設備向けに、フッ素樹脂製品・シール材・フィルター製品・断熱材を供給しています」

 

「現在の半導体市場は、DX化への潮流がますます加速し、世界的な半導体不足も相まってかつてない活況を呈しています。また、世界各国において半導体産業を国家レベルで後押ししていることもあり、半導体設備投資は旺盛な状況が続いております。そのような状況から、国内大手半導体製造装置メーカーの生産台数も大きく伸長しており、当社製造品目への引き合いも高水準で推移しています」

 

 

ニチアスの24年3月期の1株利益計画は384円です。時価のPERは10倍強ですね。

 

 

さらに、新高値銘柄には日本ピラー工業(6490)という企業もあります。

 

 

日本ピラー工業は液体の漏れを防ぐ製品類を主力としています。この企業についても、HPから電子機器事業についての説明を以下に引用します。

 

 

「(当社の電子機器事業は)ハイテク市場に特化しており、なかでも半導体、液晶、医療分野に注力しています。特に耐薬品性、耐熱性、クリーン性の高いふっ素樹脂製の継手やポンプなどは、多様な薬液にも影響されないため半導体基板(シリコンウエハー)の洗浄に用いられています」

 

 

日本ピラー工業の24年3月期の予想1株利益は429円です。時価のPERは13倍台ですね。

 

 

「半導体市場拡大の恩恵を受ける低PER銘柄」は、東京市場にたくさん存在します。

3月7日午後3時10分記

 

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