「NVDA決算控え、東京市場でも半導体関連株が軟調」
「1月の輸出好調――自動車輸出3割増・航空機類93%増・半導体製造装置27%増」
2月21日の東京株式市場では、半導体関連株が軟調な展開となりました。前の日の米国市場で、NVDA、AMD、ARMHDなど、半導体関連の主力株が4-5%の下落率となりました。米国で半導体関連株が下落すると、東京市場も影響を受けます。
従って、21日のNVDAの決算内容・株価の反応が気になります。通常取引終了後に決算発表を受けてNVDAがどんな反応を示すか、時間外取引の株価動向は22日の東京市場の半導体関連株の値動きに関係してくるのでしょう。
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財務省は21日、1月の貿易統計を発表しました。輸出は7兆3326億円(前年同月比+11.9%)となり、2ヵ月連続で増加しました。数量指数も2.3%増加、2か月連続の増加です。
一方で輸入は9兆910億円(同-9.6%)と10カ月連続で減少しました。輸入面が原材料価格低下を映す一方で、輸出面には価格転嫁の追い風も強く吹いています。日本企業の業績好調を示す内容です。
自動車輸出は1兆1818億円(前年同月比+31.6%)となりました。台数では39万5221台(同+16.1%)です。好調な自動車輸出が続いています時系列で見てみましょう。
自動車輸出
10月 1兆6401億円(+35.4%)
11月 1兆6664億円(+16.3%)
12月 1兆7682億円(+35.9%)
1月 1兆1818億円(+31.6%)
1-3月期においても、自動車業界の業績拡大が続いています。米国向けが3604億円(+32.7%)、EU向けは1684億円(+83.4%)でした。特にEU向けの伸び率が拡大しています。
自動車輸出において、1台当たりの金額を計算してみました。
世界向け 299万円
米国向け 391万円
EU向け 318万円
アジア向け295万円
輸出の平均価格は1台300万円になります。輸出の採算性は高いと考えられます。
航空機類、建設・鉱山用機械の1月輸出も堅実な内容です。
航空機類輸出
10月 371億円(+35.1%)
11月 299億円(+40.8%)
12月 278億円(+64.8%)
1月 260億円(+93.4%)
建設・鉱山機械輸出
10月 1693億円(+14.0%)
11月 1619億円(-9.9%)
12月 1915億円(+16.0%)
1月 1346億円(+8.0%)
1月の半導体製造装置の輸出は2912億円(+27.5%)となりました。そのうちアジア向けが2413億円(+36.7%)と、全体の8割以上を占めています。さらにアジアの国別輸出を以下に示します。
中国 1240億円(+84.7%)
韓国 598億円(+55.9%)
さらに両国向け半導体製造装置輸出を時系列で見てみましょう。
日本製半導体製造装置輸出金額
中国向け
11月 1575億円(+68.4%)
12月 2222億円(2倍増)
1月 1240億円(+84.7%)
韓国向け
11月 293億円(-43.3%)
12月 576億円(-6.8%)
1月 598億円(+55.9%)
先行きの輸出規制強化を意識して中国企業が日本製半導体製造装置を大量購入する動きが続いてます。
韓国向けも大幅増加です。先行きのAI市場拡大に伴うメモリー需要の急拡大を考慮し、サムスン電子等の韓国企業が設備投資拡大に踏み切った可能性があります。1月の韓国向け半導体製造装置の輸出拡大は、中国向け増加以上に意味合いが深そうです。
さらに半導体等電子部品の世界向け輸出の推移を押さえておきましょう。
半導体等電子部品等の輸出
11月 5228億円(+6.9%)
12月 4316億円(+2.4%)
1月 4356億円(+8.3%)
電子部品輸出の好調も覚えておきます。電子部品輸出は、12月のアジア向けが3935億円です。アジア向けが全体の9割以上を占めます。
2月21日午後3時10分記