「東京エレクトロンが大幅高―――25年のWFE市場は2ケタ成長・AI市場が牽引」
「輸出物価指数が大幅上昇、日本企業の業績拡大の一因に」
2月13日の日本株は大幅上昇です。12日の米国市場においてアームの株価が約3割上昇しました。アームの親会社のソフトバンクグループが大幅続伸しました。また、9日に決算を発表した東京エレクトロンも大幅高となり、日経平均の上昇を牽引しました。
東京エレクトロンは9日、24年3月期の連結業績計画を上方修正しました。ウエハーを基板に装着させるウエハーボンディング装置の量産受注が急拡大した等としています。
東京エレクトロンの24年3月期
売上高1兆8300億円(従来計画比+1000億円)
営業利益4450億円(同+440億円)
東京エレクトロンでは、23年のWFE(半導体製造装置における前工程=Wafer Fab Equipment)市場は950億ドル程度で着地すると想定しています。同社は昨年11月に、23年の同市場を850~900億ドル(8月予想700~750億ドル)に上方修正していましたが、再度の上方修正となりました。中国向け半導体製造装置市場が予想以上に拡大します。
24年のWFE市場は1000億ドルと予想しています。中国顧客が投資を継続し、年後半には最先端のDRAM投資が回復すると見ています。
また、来年2025年にはWFE市場の2ケタ成長を予想しています。
2025年
- AIサーバーの成長継続(年間平均成長率2023-2027=+31%)
- PC・スマートフォンの需要回復
(オンデバイスAIなど、新アプリケーション対応の新機能)
(コロナ期に購入した製品の買い替え)
(企業のIT投資)
25年にはAI市場拡大に伴う半導体投資が拡大すると見られています。現在の世界の株式市場は、来年以降の半導体市場の拡大を読み込んでいるようです。
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日銀は13日、企業物価指数を発表しました。円ベースの輸出物価指数上昇が続いています。前年同月と比較した上昇率に拍車が掛かりました。以下に輸出物価指数、輸入物価指数を記載します。
企業物価指数(円ベース)の推移
(前年同月比、%)
輸出物価指数
9月+2.9
10月+2.3
11月+4.7
12月+5.5
1月+8.9
輸入物価指数
9月-14.3
10月-11.9
11月-6.4
12月-4.9
1月−0.2%
輸出物価指数の伸びが、日本企業の業績拡大の一助となっています。
2月13日午後3時10分記