「米国金利上昇・株価下落」
「ISM1月サービス業景況指数・雇用指数が大幅上昇」
2月5日の米国株は下げました。下落率は、NYダウが0.7%、ナスダック指数が0.2%でした。金利は上昇です。10年債利回りは、一時0.14%Pほど高い4.17%台まで上昇しました。
10年債利回りは2月1日の3.81%に対して0.35%Pほど上昇しています。FOMC後、FRBは債券買い意欲を冷やしたことになります。
FED WATCHによると、3月の利下げ確率は16%となり、1週間前の47%から低下しました。6月までに2回の利下げが行われる確率は53%で、1週間前の88%から低下しています。金融当局は過度な利下げ期待を沈めたことになります。
5日の米国株は下げましたが、金利水準や利下げ回数減少を深刻視している状況ではありません。5日ナスダック指数終値は15597Pであり、31日終値15164Pよりも上です。金利が0.35%Pも上昇しても、株価は下がっていません。
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ISMは5日、1月のサービス業景況指数を発表しました。12月に6.8Pも急低下した雇用指数が1月は6.7Pの急上昇となりました。全雇用の9割を占めるサービス業の雇用は強い状況です。1月雇用統計の結果と整合します。以下に示します。
1月ISMサービス業景況指数
PMI53.4(+2.9)
活動55.8(0.0)
新規受注55.0(+2.2)
雇用50.5(+6.7)
価格64.0(+7.3)
各企業のコメントを以下に抜粋して引用します。
「サプライチェーンの混乱により、在庫計算の変更を強いられた。現在、ほとんどの混乱が収束した。在庫が適正化されるまでの間、発注は遅くなる。当地域では、より高い賃金を提示する地区から労働者が積極的に引き抜かれている。通常よりも高い離職率に直面している。 [公益事業]
「紅海の情勢不安によるスエズ運河の輸送影響とパナマ運河の問題が起こっている。世界的な商品輸送のコストと日程の両方に影響を及ぼす(建設)
「景気のシグナルはまちまち。活況を呈しているセクターもあれば、太陽光発電や風力発電、造船、電気自動車など、減速セクターもある。また、鉄鋼、製紙、通信機器など、下降傾向にあるセクターもある。しかし、全体として景気は良好だ。景気後退の差し迫った不安はない」[小売業]
「経済指標はおおむね良好だが、不透明な部分もある。我々の需要は増え続けている。しかし、これは景気を示唆的してはいない。我々は、景気が良い時より悪い時の需要が高い」 [輸送用機器]
「取引企業は、厳しい2024年に向けて準備を進めている。一部の企業は過剰反応している。米国では選挙の年は不穏な空気に包まれる。誰もが支出を控えめにしている。[プロフェッショナル、科学技術サービス]
「脚本家と俳優のストライキが我々のビジネスに影響を与えている。映画興行会社にとって、今年はあまり良い年にならない」 [芸術、娯楽、レクリエーション]
「コロナ、インフルエンザといった呼吸器系の病気は、患者を治療するために我々の施設を忙しくさせている。[ヘルスケア&社会支援]
「工場閉鎖の長期化、顧客在庫の停滞、全米自動車労組のストライキの影響が長引いたのが12月。1月は回復を見る」 [卸売業]
2月6日午前7時記