「ASMLの10-12月期受注が急増→株価10%超の上昇」
「米国半導体関連株軒並み上昇」
1月24日の米国市場では、半導体関連株が再び上昇しました。決算を発表したオランダの半導体製造装置メーカーASMLが一時10%を超える上昇となりました。ASMLを牽引役にNVDA、AMD、TSMCが買われ、いずれも高値更新です。
前日に決算を発表したネットフリックスも11%上昇しています。日本時間25日午前5時20分現在、ナスダック指数は0.4%上昇しています。
ASMLは、半導体製造装置メーカーでは最大の時価総額企業です。ASMLが24日発表した前23年12月期10-12月期の受注高は92億ユーロとなりました。23年12月期1年間の受注高は200億ユーロ(22年12月期306億ユーロ)でした。年間受注高200億ユーロのうち、46%が10-12月期に集中し、四半期受注が高水準となりました。以下に時系列で示します。
ASMLの受注推移(単位 億ユーロ)
22年
10-12 63
23年
1-3 37
4-6 45
7-9 26
10-12 92
7-9月期と比べると、10-12月期受注高は約3.5倍に急増しました。ASMLは台湾のTSMCを主要顧客とする露光装置メーカーです。最先端露光装置に対する受注が増加したようです。10-12月期の受注高92億ユーロのうち、最先端のEUV(極端紫外線)露光装置の受注高は56億ユーロと約6割を占めました。
ASMLが示した「24年の半導体市場に対する見通し」を以下に抜粋して引用します。
「ロジックの2024年売上高は2023年比やや減少」
「メモリの2024年売上高は2023年比で微減」
「メモリの2024年売上は主にアドバンスト・メモリ(DDR5及びHBM)拡大に伴うDRAM 技術の変遷によるものだ」
「下期は上期に比べ堅調に推移する」
「2024年は、2025年に予想される大幅成長に備える重要な年になる」
「今年も生産能力増強と技術への投資を継続する必要がある」
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一方、日本の半導体製造装置メーカー・ディスコ(6146)が24日発表した4-12月期の売上高は前年同期比0.9%減少の2032億円、営業利益は4.8%減少の753億円となりました。営業利益は会社側計画の734億円を約2.5%上回りました。
2024年3月期の売上高は2878億円(前年同期比+1.3%)、営業利益は1086億円(同-1.6%)を計画しています。
ディスコの株価は時間外取引において約2%下げました。
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ニデック(6594)は24日、4-12月期決算を発表しました。24年3月期の営業利益を従来計画の2200億円に対して1800億円に下方修正しました。EVトラクションモーターに関する資産再評価等、構造改革費用を450億円計上するためです。
ニデックの永守会長は24日の説明会席上、「中国のEV業界については価格低下が厳しい。競合相手、取引先とも全てが赤字の状況にある。受注制限をしている」と述べました。
1月25日午前5時30分記