「半導体関連株の大幅高続く」
「TSMC...、ザッカーバーグ氏...、アマゾン日本国内投資...」
「好材料揃い、半導体株の人気過熱?」
1月22日の日本株は上昇しました。半導体関連株が引き続き牽引役です。「半導体市場の中期的拡大」は世界の株式市場の重要テーマです。そこに異論は唱えません。しかし、足元では好材料が一挙に揃ったことで、人気が過熱しています。
足元の半導体関連株人気は、大きく以下の3つのニュースが後押ししました。
- TSMCが24年12月期2割増収を表明
- METAのザッカーバーグCEOがNVDAのGPU「H100」を35万基、同等性能品を含めて60万基購入の意向を示す
- アマゾン(AWS)が日本国内のクラウドインフラに2兆2600億円(~26年)を投資
どれも大きな材料ですが、短期的に揃ったので株価の短期的上昇も過熱したように見えます。米日市場において、売買代金を吸引する大型株の人気が沸騰しました。かなり先の利益拡大を織り込んだ株も目立ってきました。
半導体市場拡大の恩恵を受ける銘柄はたくさんあります。投資対象は、急騰株よりも「半導体市場拡大のメリットを受け、かつ利益水準と比べて割高ではない株」に絞った方が無難でしょう。半導体市場拡大は、電子部品株やエレクトロニクス事業に展開する化学株、エレクトロニクス商社など多岐に渡る産業の仕事量を増やします。
上記の3つの好材料を補足しましょう。今後の半導体関連株投資を考える上で重要です。
NVDAのGPU「H100」の価格は1基3万ドルと言われています。もちろん、購入台数によって価格は変わるのでしょうが、仮に1基3万ドルの半導体を60万台購入するなら、合計で180億ドルとなります。ドル円150円前提ならば2兆7000億円です。
NVDAが11-1月期に計画している売上高は200億ドルです。世界中の企業が生成AI開発に向けてGPUの購入意欲を持っていることを考慮すると、NVDAの潜在的成長率の大きさが浮き彫りになります。
また、アマゾンの「日本投資」も日本の半導体関連株にとっては強い追い風です。アマゾンの発表要旨を以下に引用します。
「今回の投資計画は日本のGDPに5 兆5700 億円貢献し、国内企業で年間平均30500人以上の雇用を支える」
「AWSは日本でのクラウドサービスに対する顧客需要の拡大に対応するため2027年までに東京と大阪のクラウドインフラに2兆2600億円を投資する」
「AWSは2011年~ 2022 年にかけて1兆5100億円を投資した。この投資は日本のGDP に1兆4600億円貢献し、年間平均で7100人を超える雇用を支えた」
「AWSの投資がDXを加速しAIや機械学習といった最新のデジタルテクノロジーを利用できるようになると考える」
「AWSと戦略的協業契約を締結している日本のパートナー企業は、NEC、富士通、クラスメソッド、NTT データ、日立システムズ、サーバーワークス、SCSK、NHNテコラスである」
ちなみに戦略的協業契約を結んでいる企業のうち、サーバーワークス(4434)の株価は、アマゾンの発表後、急騰しました。同様にSCSK(9719)の株価も上昇しています。
短期間に強い追い風が表面化して、多くの資金がワッと半導体関連株に押し寄せたので、短期的には行き過ぎの波動を描いた可能性があります。出遅れ株に的を絞りたい局面です。
1月22日午後3時10分記