「TSMC、米国市場で9%上昇」
「24年の半導体市場拡大を追認」
「半導体関連株軒並み高、ナスダック指数上昇」
1月18日の米国株は上げました。台湾の世界最大の半導体受託生産会社TSMCが決算を発表しました。2024年の半導体市場拡大が認識されました。TSMCの株価は日本時間19日5時20分、米国市場で9%上昇し、52週高値を更新しています。
TSMCの大幅上昇を受けて、NVDA、AMD、インテル、マイクロンなど他の半導体関連株も軒並み高となりました。5時20分現在、ナスダック指数は約1.2%、NYダウは約0.5%上昇しています。
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TSMCが18日発表した23年10-12月期の売上高は196億ドルとなりました。22年10-12月期の199億ドルに対して1.5%の減益となりました。
24年1-3月期の売上高は180億~186億ドルを計画しています。10-12月期と比べると6%~10%減少する見通しです。前年同期の23年1-3月期の実績167億ドルとの比較では7%~11%の増加となります。前年同期と比較して増収となることから、2024年12月期の半導体市場の拡大を認識させる内容と捉えられました。
24年12月期の年間計画の設備投資は280億~320億ドルを計画しています。23年の実績は年間で304億ドルでした。年間では前期とほぼ同じ水準が予想されます。
23年年間の設備投資304億ドルを四半期毎に分けて以下に掲載します。
23年設備投資(億ドル)
1-3 99
4-6 81
7-9 71
10-12 52
昨年は年後半にかけて徐々に設備投資額が縮小してきました。昨年初は年間設備装置320億~360億ドルを計画していましたが、最終的にはレンジの下限を下回りました。今年度設備投資計画の中央値は300億ドルです。昨年後半と比べると強めの設備投資動向が予想されます。
前期10-12月期の取引先向け半導体売上高比率を以下に記載します。
HPC 43%
(ハイパフォーマンスコンピューティング)
スマホ43%
IOT 5%
自動車 5%
次に7-9月期と比較した伸び率を記載します。
HPC +17%
スマホ +27%
IOT -29%
自動車 +13%
スマホ向け売上高が高い伸びを示しています。ちなみにスマホ向け売上高は7-9月期も4-6月期比で33%の伸びを示していました。中国の現地スマホメーカー向け半導体が高い伸びを示しているようです。
今週発表された12月中国工業生産高では、スマホ生産が前年同月比29%の伸びを示していました。中国のローカルメーカーがスマホを増産し、TSMCは、そのスマホ向け半導体の供給を増強していると考えられます。
1月19日午前5時30分記