「TOPIXも昨年来の高値を更新」
「日経平均予想PER15倍超に上昇」
「海外投資家、日本株の保有比率を高める」
1月10日の日本株は上昇しました。日経平均は34000円乗せです。
目立った決算発表もありませんので、足元の日本株上昇は、完全に予想PERの上昇によるものです。日経平均と予想PER、予想1株利益(EPS)の数値を時系列で以下に記載します。毎度、申し上げていますが、日経平均の予想PERとは、日経平均採用225の企業の合計時価総額を合計予想利益で割って算出した数字です。予想1株利益とは、日経平均を予想PERで割って計算した便宜的数字です。
2023年12月~
日経平均 予想PER 予想EPS
21日33140円47銭 14.53倍 2280円
22日33169円05銭 14.58倍 2274円
25日33254円03銭 14.59倍 2279円
26日33305円85銭 14.59倍 2282円
27日33681円24銭 14.76倍 2281円
28日33539円62銭 14.72倍 2278円
29日33464円17銭 14.74倍 2270円
2024年1月~
4日33288円29銭 14.81倍 2247円
5日33377円42銭 14.93倍 2235円
9日33763円18銭 15.02倍 2247円
10日 ☆34000円乗せ☆
「日経平均の予想PER」は15倍に乗せてきました。15倍乗せは、昨年11月1日以来の出来事です。昨年11月1日は
「日経平均31601円65銭・予想PER15.21倍・予想1株利益2077円」でした。
つまり、昨年11月1日時点よりも日経平均予想1株利益は8%ほど増加しました。9月締めの決算の結果、予想1株利益が増加して株価水準が切り上がりました。それから2か月余りを経過して再び予想PERは15倍を回復しました。今回のPER15倍回復は「10-12月期決算発表を契機にした再度の予想利益の増加」を反映していると考えられます。
12月26日付で「日経平均採用銘柄合計の時価総額は600兆円を超えると、上がりにくくなる」と書きました。9日時点では616兆円まで増加しました。昨年のピークは9月19日の620兆円でした。本日は、そこを超えてきた模様です。だからTOPIXも日経平均に続き昨年来高値更新です。今までの高値は(取引時間中=9月15日の2438P、終値9月19日2430P)でした。
前の日の米国株は特に上昇していません。だから、足元の株高は「日本株特有の要因」によるものでしょう。新NISAの導入により日本の個人金融資産における日本株の比率が高まる、だから日本株は下がりにくい、下がりにくい対象は買いで取った方が効率的だ、日本企業も価値拡大に向けてM&A戦略に意欲的になってきた、日本企業が投資対象として有望だ―――こんな観点から海外投資家の買いが増えています。
海外投資家の保有株比率が40-50%台にある任天堂、ソニーG、キーエンス等の上昇率が高くなっています。手っ取り早く日本株の比率を引き上げたい海外投資家が名の知れた日本株を購入しているようです。
1月10日午後3時10分記