「日本株上昇、景気敏感株が上昇」
「来年の金利低下→世界景気に追い風」
「自動車輸出、11月も増加継続」
「電子部品のASEAN向け輸出も伸びる」
12月20日の日本株は上昇しました。朝6時における日経平均先物夜間取引の終値は33320円と通常取引終値と比べて190円上昇していました。つまり、前日の米国株高を見て、日経平均は200円弱上げるかな、と見られていた訳です。上昇幅は予想以上となりました。
業種別株価指数では、海運、機械、化学の上昇率が高くなりました。これらは、景気敏感株セクターの一角を占めます。機械セクターの代表株では、工作機械メーカーのDMG森精機(6141)が大幅高です。前日に23年12月期業績の上方修正・増配を発表して好感買いを集めました。
機械セクターで時価総額トップのダイキン(6367)も大幅高です。空調機器メーカーの大手です。ダイキンの株価は7月高値を付けてから大きく下げていました。しかし、足元では上昇しています。ダイキンの前23年3月期実績の空調事業の売上高は3兆6298億円です。地域別で最も売上高の大きい地域は「米州」です。米州の売上高は1兆3346億円。全体の36%を占めます。来年の米国住宅市場の回復を意識した買いが先行しています。米国住宅関連株としては、信越化学も大きく上昇しています。
現状の世界の株式市場は、「景気は特に悪くないけれども、物価の上昇抑制に成功したので来年は利下げが実施される」ことを好感してます。金利低下によって、来年の世界景気は上向くとの見地から景気敏感株が買われています。
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財務省は20日、11月貿易統計を発表しました。世界向け輸出は8兆8196億円(前年同月比-0.2%)と3ヵ月ぶりに減少しました。数量指数は5.6%低下しました。
自動車輸出は引き続き伸びています。世界向け自動車輸出は1兆6664億円(同+16.3%)となりました。台数ベースでは54万2531台(同+9%)でした。
以下に10月-11月の製品別の輸出実績を掲載します。10-12月期の企業業績を読む上で重要なデータです。
世界向け輸出動向
自動車
10月1兆6401億円(+35.4%)
11月1兆6664億円(+16.3%)
航空機類
10月371億円(+35.1%)
11月299億円(+40.8%)
船舶
10月1283億円(+37.3%)
11月1095億円(-22.9%)
建設・鉱山機械
10月1693億円(+14.0%)
11月1619億円(-9.9%)
鉄鋼
10月3763億円(-3.1%)
11月3668億円(-11.6%)
原動機
10月2696億円(-3.7%)
11月2435億円(-1.2%)
半導体等電子部品
10月5279億円(-3.3%)
11月5228億円(+6.9%)
半導体製造装置
10月2858億円(-18.2%)
11月2833億円(-10.6%)
ベアリング
10月427億円(-16.8%)
11月396億円(-19.3%)
半導体等電子部品の輸出が11月に増加に転じました。電子部品株にとってポジティブです。半導体等電子部品は総輸出額5228億円のうち、アジア向けが約9割の4773億円を占めます。アジア向けのうち、中国向けは991億円(-15.9%)でしたが、ASEAN向けは1492億円(+26.3%)と大幅増加でした。
12月20日午後3時10分記