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「日本製鉄がUSスチールを買収→ドル買い需要を想起」

「ドル円相場は一時143円に上昇」

「アルセロール・ミタルの株価も上昇」

 

 

12月18日の米国株は堅調な動きでした。NYダウはごくわずかの上昇、ナスダック指数は0.6%上昇しました。

 

 

日本製鉄は18日、米国の鉄鋼メーカーUSスチール(X)の買収を発表しました。買収価格は1株当たり55ドルです。先週末の米国市場における株価39.33ドルに対して約40%高い水準です。買収総額は141億ドル(約2兆円)です。

 

 

USスチールの22年12月期実績の売上高は210億ドル、営業利益は31億ドル、純利益は25億ドルです。

 

 

日本製鉄の今後の株価動向については、資金調達方法等が考慮されると考えられます。ただ、日本企業の価値拡大に向けた意欲的な行動として、とても重要なニュースです。

 

 

日本製鉄の大型買収については、為替相場におけるドル高円安要因になった可能性もあります。日本製鉄が保有する日本円でUSスチールの買収を実行すれば、円売りドル買い要因です。海外でドルを調達して買収するなら、為替相場には中立要因です。ドル円相場は一時143円台に上昇しました。

 

 

18日の米国市場では、買収されるUSスチールの株価が急騰するのは当然として、他の鉄鋼メーカーの株価も総じて堅調です。

 

 

主な鉄鋼株の動き(18日米国市場)

ニューコア       174.19ドル (+0.79%)

スティールダイナミクス122.13ドル(-1.92%)

クリーブランドクリフ  20.49ドル(+9.57%)

アルセロールミタル     28.68ドル (+5.79%)

 

日本企業による大型M&Aが、米国市場でも大きな影響を与えています。

 

 

            ☆

 

 

NAHB(全米住宅建設業協会)が18日、12月調査の「住宅市場指数」を発表しました。建設業者の事業環境を反映する指数です。12月は「37」となり、前月比3P上昇しました。低水準ですが、5か月ぶりの上昇です。

 

 

7 56

8 50

9 45

1040

1134

1237

 

 

発表元の解説文を以下に抜粋して引用します。

 

「住宅ローン金利がこの1ヶ月で約0.5%P低下したことで、住宅の購入希望者が再度検討するようになっている。建設業者の商談が増加している」

 

 

「全米が住宅不足に直面している。新築住宅生産の促進によって、住宅在庫が拡大する。それが、インフレを低下させる最善の方法である」

 

 

「住宅市場は、住宅ローン金利のピークを過ぎたようだ。12月の"将来の販売期待を測定するHMI(住宅市場指数)要素"が6ポイント上昇した。今後数ヶ月の住宅購入需要を促進させる」

 

 

「我々の統計分析によると、短期金利大幅上昇を受け、建設業者が利用する土地開発や建設業者向けローンのコストが上昇した後に、建設業者のセンチメントと着工件数の間には一時的な大きな差が生じる。その結果、住宅建設業者や土地開発業者にとっての融資コストの上昇は、流通在庫の少ない市場における住宅供給には、逆風となる」

 

 

FRBはインフレ対策に取り組んでいる。州や地方の政策立案者も、土地開発や住宅建設のコストに対する規制の負担を軽減するべきだ。今後、金利が緩やかになれば、一時的なセンチメントと建設活動の差は縮小する」

12月19日午前6時10分記

 

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