「米国金利急低下→ドル安・円高→日本株安」
「ドル安→自動車株下落、金利低下→銀行株・保険株下落」
「10月機械受注、船舶の受注急増が続く」
NYダウの史上最高値更新に対して、14日の日本株は物足りない動きです。FOMCの結果、米国における利下げ期待が盛り上がり、米国金利が急低下しました。金利低下に伴ってドルが売られ、東京市場では「ドル安円高が業績面のマイナス要因になる自動車株」等が売られました。
自動車株は、先週8日金曜日のドル安局面でも大幅安でした。ドル円レート140円前提でも日本の自動車メーカーの経営に大きな問題が生じる訳ではありません。しかし、投資資金(投機資金)は常に最大の効率を追求します。ドル安円高を受けて予想利益目減りの可能性のある自動車株よりも、もっと投資効率の良い対象を探します。優先順位が後位になった株が厳しく売られるの株式市場の特性です。
☆
内閣府は14日、10月の機械受注を発表しました。受注が増加した企業は、将来の売上高が増加します。先行きの売上高増加期待のある企業・業種を探すうえで重要なデータです。特に「10月」のデータですから、まだ見えていない10-12月期以降の企業業績を読む上で参考になります。
業種では「船舶」の受注が増加しています。時系列で見ます。
船舶の受注(機械受注、前年同月比)
7月 928億円(-18%)
8月 709億円(+9%)
9月 1816億円(2.3倍増)
10月1188億円(2.2倍増)
今年度に入ってからの船舶関連企業の業績拡大は既に認識されています。9月、10月と、船舶の受注水準が高くなり、前年同月比で2倍を超えています。
また、原動機の受注も好調です。
原動機の受注
7月4350億円(2.9倍増)
8月1503億円(-40%)
9月3004億円(+30%)
10月1895億円(+46%)
原動機は、電力を発生させるための装置です。旺盛な電力設備投資が継続しています。電力業界からの機械受注は、
7月 3.3倍
8月 -79%
9月 +24%
10月+25%
で推移しています。電力業界から原動機の受注が旺盛な状況にあります。
12月14日午後1時20分記