「FOMC、来年の利下げ3回を想定、物価見通しも引き下げ――米国株高・金利低下・ドル安」
FOMCの結果が米国時間13日、発表されました。政策変更はなし。今回、FOMCのメンバー19人の経済・金利・物価見通しが公表されます。その内容が注目点です。
まずは、来年24年末の政策金利見通しです。以下に示します。
FOMCメンバー予想
24年末政策金利(12月)
5.25~5.50 2人
5.00~5.25 1人
4.75~5.00 5人
4.50~4.75 6人
4.25~4.50 4人
4.00~4.25 0人
3.75~4.00 1人
中央帯は4.50~4・75%です。中央値は4.6%となりました。以下の9月時点の予想値と比べてみてください。
9月FOMC時のメンバー予想
24年末政策金利
6.00~6.25 1人
5.50~5.75 1人
5.25~5.50 4人
5.00~5.25 4人
4.75~5.00 4人
4.50~4.75 3人
4.25~4.50 2人
メンバーの24年末予想中央値は、9月の5.1%に対して0.5%引き下がっています。つまり「来年は0.25%の利下げが3回行われる」――これが考え方の中心です。9月FOMCに対して利下げ回数が2回増えました。
FOMCの結果は「FRBは来年の利下げに前向きな姿勢を示した」と受け止められました。FED WATCHによると、24年中に予想される利下げ回数が増加しました。以下をご覧ください。
FED WATCHに24年末政策金利予想(日本時間14日午前5時30分)
(カッコ内は前日値)
3.50~3.75 22.0%(3.8%)
3.75~4.00 36.3%(15.7%)
4.00~4.25 26.4%(28.7%)
4.25~4.50 10.3%(28.5%)
4.50~4.75 2.3%(16.5%)
(現状は5.25~5.50%)
FOMCの結果を受けて、マーケットでは来年に1.5%(0,25%×6回)の利下げを意識しています。
次にFOMCメンバーの物価見通しです。以下ご参照。
12月FOMC時の物価見通し
PCE総合
23年2.8%(9月3.3%)
24年2.4%(9月2.5%)
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PCEコア
23年3.2%(9月3.7%)
24年2.4%(9月2.6%)
今年の物価見通しは9月予想と比べて大幅に下がりました。そして、来年末の物価上昇率も低下しました。物価上昇の抑制を予想するメンバーが増えたため、政策金利予想値も下がりました。
メンバーのGDP見通しも見てみましょう。2024年のGDPは1.4%成長(9月予想1.5%成長)です。
FOMCの結果を受けて、13日の米国市場では、株高・金利低下・ドル安となっています。
12月14日午前5時45分記