「日本でも半導体関連株上昇」
「しかしオラクル株は時間外8.8%下落→米国半導体関連株への影響は?」
「本日は11月の米国CPI発表」
12月12日の日本株は堅調な動きでした。米国における半導体関連株の上昇(AMDとインテルはともに4%高、ブロードコム9%高)を受けて、日本でも半導体関連株が買われました。
しかし、米国で11日の通常取引終了後に決算を発表したオラクル(ORCL)は時間外取引で8.8%下落しました。以下に決算内容を示します。増収率が予想に届かなかったようです。
オラクルの9-11月期
売上高 129億ドル(+5%)
営業利益 36億ドル(+18%)
オラクルは、アマゾン、マイクロソフト、グーグルと並ぶCSP(クラウド・サービス・プロバイダー)です。グローバルCSPは、生成AI市場の拡大とともに高い成長が期待されています。
オラクルのキャッツCEOの決算資料の中のコメントを以下に抜粋して引用します。
「当社のクラウド・インフラストラクチャーと生成AIサービスに対する需要は、天文学的なスピード(astronomical rate)で増加している。その需要を示す指標として、オラクルのRPO(Remaining Performance Obligations=将来の売上高契約=受注残)は年間売上高を上回る650億ドル超に増加した」
「オラクルのクラウド事業は現在、年間売上高が200億ドル近くに達している。クラウドサービスの需要は前例のない水準で伸び続けている。 ビジネスは好調、さらに良くなっている」
次にオラクルのエリソンCTOのコメントです。
「オラクルは、需要増加に対応するため、既存のクラウド・データセンターを66カ所拡張し、新たに100カ所のクラウド・データセンターを構築している」
「新しいデータセンターは、すべて同一の高性能RDMA(注・リモート・ダイレクト・メモリー・アクセス)ネットワークと同一の自律的なサービスを備え、高度に自動化されている。迅速に構築され、安価に運用できる。今後数カ月で、Microsoft Azureに接続された20の新しいオラクル・クラウド・データセンターを稼動させる予定だ。同時に、世界各国で数十の新しいデータセンターを構築している。需要はover the moon(めちゃくちゃでかい?)である」。
(注)RDMA(リモート・ダイレクト・メモリー・アクセス)=サーバーからのメモリデータを高速に読み書きする技術
オラクルのコメントはクラウドサービスの成長に溢れています。しかし、株価は時間外取引で急落しました。これが、米国生成AI関連株(含半導体関連株)人気の潮目を示す兆候なのか、注目されます。本日の日本の半導体関連株は上昇しましたが、オラクルの株価の影響も意識しておきます。
☆
米国時間12日には11月CPI(消費者物価指数)が発表されます。10月分までのデータを示します。予習をしておきます。
10月消費者物価指数(前年同月比)
総合+3.2%(9月+3.7%)
コア+4.0%(9月+4.1%)
総合物価指数を時系列で見てみましょう。
総合物価指数の推移(前年同月比)
6月 +3.0%
7月 +3.3%
8月 +3.7%
9月 +3.7%
10月 +3.2%
11月 ?
(前月比)
6月 +0.2%
7月 +0.2%
8月 +0.6%
9月 +0.4%
10月 +0.0%
11月 ?
コア
(前年同月比)
9月+4.1%
10月+4.0%
11月 ?
(前月比)
8月+0.3%
9月+0.3%
10月+0.2%
11月 ?
12月12日午後3時10分記