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「巨大IT7銘柄(マグニフィセント・セブン)は全て安い」

「しかし、ナスダック指数は上昇」

NVDA以外の半導体関連株が軒並み高」

 

 

 

12月11日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが0.4%、ナスダック指数は0.2%でした。

 

 

巨大IT7銘柄(アップル、アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、META、テスラ、NVDA)は全て安くなったけれども、ナスダック指数は高い、という、あまり見たことのない株式市場となりました。何故、ナスダック指数が上昇したのか――NVDAを除く半導体関連株が軒並み高となったためです。

 

 

NVDA以外の半導体関連株(11日)

AMD     134.41ドル(+5.49ドル、+4.26%)

ブロードコム 1,029.24ドル(+84.94ドル、+9.00%)

インテル         44.54ドル(+1.84ドル、+4.31%)

マイクロン      77.79ドル(+2.83ドル、+3.78%)

TSMC          100.94ドル(+0.59ドル、+0.59%)

クアルコム     136.10ドル(+3.13ドル、+2.35%)

AMAT         155.14ドル(+7.42ドル、+5.02%)

ラムリサーチ   735.59ドル(+32.42ドル、+4.61%)

ASML           710.24ドル(+13.81ドル、+1.98%)

 

 

こんなに半導体関連株が上昇しているのに、最も時価総額の大きな半導体関連株のNVDAは下げました。「巨大IT7銘柄(マグニフィセント・セブン)を売って、それよりも一回り時価総額の少ない半導体関連株を買った」―――こんな売買が活発になったと考えられます。

 

 

TSMCの11月売上高は前年同月比7.5%の減収になったものの、2000億台湾ドルを超えて高水準になった、来年の半導体市場の成長はかなり確率が高い――こんな観点でけっこう大きな資金が半導体関連株を買ったと推計されます。その買い付け資金の捻出のために巨大IT7銘柄は売られました。

 

 

買収対象となった百貨店メイシーズが19%上昇しました。同じ百貨店株に思惑が広がり、コールズ、ノードストリームもそれぞれ7%上昇です。

 

 

11月消費者物価指数、FOMCの発表を前にした月曜日ですが、個別株物色意欲が旺盛な状況となりました。

 

 

              ☆

 

 

空調工事を主力とするダイダン(1890)は11日、株式の売り出しを発表しました。三菱UFJ銀行などの4行の金融機関の保有する219万2000株を売り出します。オーバーアロットメントによる売り出しは上限で32万8800株です。

 

 

会社側による今回の株式売り出しについての説明を以下に抜粋して引用します。

 

「政策保有株式への対応に注目が高まる中、今年度から今回売出人となった株主に対して株式持合い関係の見直しを提案し、積極的に当社株式の売却を働きかけてきた。今般、株主から売却の合意が得られたため、株式分布状況の改善及び流動性の向上を目的として売出しを実施する」

 

 

東証上場企業において、政策保有株(持ち合い株)の売却は来年も活発化する見通しです。政策保有株を売却すれば、各企業は売却金を得ます。持ち合い株が現金に変わって、企業価値向上のための投資に使われれば、株主にとっては生きた資金の使い道として歓迎されるでしょう。

 

 

株式売り出しが発表された際、株式引き受け側のヘッジ売りや短期的な需給懸念を警戒した売りが出て、株価が下げるケースが目立ちます。ただ、中長期的には、使い道が自由な資金を得る企業の価値向上につながることが期待されます。

 

 

12月12日午前6時30分記

 

 

 

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