「11月雇用者20万人弱の増加、失業率も低下」
「賃金上昇率は4%を割る」
「"適度な雇用状況"――米国株高」
「TSMC11月売上高は7.5%減少――米国市場で半導体関連株堅調」
12月8日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが0.3%、ナスダック指数が0.4%でした。
労働省は8日、11月の雇用統計を発表しました。非農業雇用者は199000人の増加(前月比+49000人)、失業率は3.73%(前月は3.87%)となりました。雇用好調を示すデータです。時系列で示します。
米国雇用統計の推移
非農業雇用者増加数 失業率
7月 236000人 3.49%
8月 165000人 3.78%
9月 262000人 3.78%
10月 150000人 3.87%
11月 199000人 3.73%
家計調査では、労働参加者が増加する中での失業率の低下となりました。労働参加者の増加を雇用者の増加を上回っています。これが雇用の強さを示します。以下に示します。
11月雇用統計(単位1000人)
労働参加者168260(+532)
雇用者 161969(+747)
失業者 6291(-215)
ここまでだと、相当に強い数字となって、インフレ警戒感を強めそうなデータです。しかし、賃金の伸び率が鈍化しました。前年同月比での伸び率は4%を割りました。以下に示します。
民間企業全産業の平均時給の推移(ドル)
7月 33.73(+4.33%)
8月 33.82(+4.28%)
9月 33.91(+4.24%)
10月 33.98(+4.04%)
11月 34.10(+3.96%)
「雇用者は増えているけれども、賃金上昇率は鈍化している」――今回の雇用統計も「適度な米国雇用」と受け止められ、株価は上昇です。
10年債利回りは0.11%ほど上昇して4.24%台となりました。ドル円相場は一時145円台を回復しました。
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TSMCは8日、11月の月次売上高を発表しました。10月の「+15.7%」に対して、11月は「-7.5%」と前年同月比減少しました。時系列で見てみましょう。
TSMCの月次売上高(前年同月比)
(単位100万台湾ドル)
7月 177,616(-4.9%)
8月 188,686(-13.5%)
9月 180,430(-13.4%)
10月 243,203(+15.7%)
11月 206,026(-7.5%)
10月の大幅増加には特殊事情が効いていたようです。11月の水準は7-9月を大きく上回っていますので、半導体売上高は回復路線を走っていると見て良いでしょう。米国株式市場では、NVDAが1.9%高、AMDが0.4%高となりました。半導体関連株は総じて堅調です。
12月9日午前6時30分記