「円急騰、ドル円相場は一時141円台」
「日経平均先物夜間取引、32090円(-770円)まで下落」
「米国でIT株、半導体関連株上昇」
「AI関連株上昇、アルファベット、AMDが急騰」
「8日にTSMCが11月月次売上高を発表へ」
日本時間8日午前2時台、ドル円相場が一時141円台まで急落しました。7日午前9時頃には約147円でした。円は他通貨に対しても急騰しているので「円急騰」ですね。植田総裁の言動から「日銀が早期にマイナス金利の解除に動く」との思惑が広がりました。7日から円高が目立っていましたが、NY時間に一気に円売りポジションのロスカットが大量に発生したようです。
「米日金利の縮小による円高」と説明されます。冷静に考えれば、米国金利の低下は世界景気の停滞を通じて日本の金利の上昇抑制にもつながります。だから、先行きの金利差縮小は限定的と考えられます。今週の日本株の日々の変動率が大きくなっていることも参考に、為替相場の投機色が高まっています。
日経平均先物は大証夜間取引において32090円(通常取引終値比-770円)まで売られました。安値示現時刻は午前2時47分です。
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チャレンジャー社は7日、11月の人員削減計画を発表しました。時系列で示します。
米国企業の人員削減計画
8月 75,151人
9月 47,457人
10月 36,836人
11月 45,510人
今年1月は10万人を超えていましたので、最近は穏健な水準です。
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日本時間8日午前5時30分、NYダウは約0.2%の上昇、ナスダック指数は1.2%上昇です。AI関連の材料が表面化したアルファベットが5%上昇、同じくAMDが9%上昇しています。巨大IT株、半導体関連株が総じて上昇です。
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台湾の半導体メーカーTSMCが8日、11月の月次売上高を発表します。内容が注目されます。先月10日に発表した10月の月次売上高は2432億台湾ドル(前年同月比+15.7%)となりました。以下に時系列で示します。
TSMCの月次売上高(前年同月比)
(単位100万台湾ドル)
7月 177,616(-4.9%)
8月 188,686(-13.5%)
9月 180,430(-13.4%)
10月 243,203(+15.7%)
11月 ?
TSMCの10月月次売上高の急増は、その後の米国市場(11月10日)における半導体関連株の急騰をもたらしました。以下は11月10日の米国市場における半導体関連株の終値です。
(11月10日の半導体関連株の終値)
AMD 118.59ドル(+4.49%)
NVDA 483.35ドル(+2.95%)
TSMC 97.44ドル(+6.35%)
インテル483.35ドル(+2.95%)
TSMCの10月売上高の急増は「2023年の半導体市場の拡大」を示唆するとして、半導体関連株全般が上昇、11月の世界株高をもたらしました。11月のTSMCの売上高がその見方を補強するのか、注目されます。
しかし、警戒も必要です。TSMCは7-9月期の決算発表時、10-12月期売上高を188億~196億ドルと計画していました。22年10-12月期の売上高実績は199億ドルでした。つまり、TSMCは今年10-12月期の売上高は前年同期比減少を計画しているのです。
この計画通りに進んでいるのならば、10月の月次売上高は急増したけれども11月-12月は減少するとの結果がもたらされます。会社の計画以上に売上高が急増しているならば、11-12月期の月次売上高も良い数字になります。そこは慎重に見極めなければなりません。
11月10日のTSMC売上高急増が同日の米国半導体関連株急騰をもたらしたのですから、12月8日のTSMC売上高動向は8日の米国株式市場に影響を与えることになります。
12月8日午前12月8日午前5時45分記