お知らせ:

マーケットプレス

番組へのお便りはこちら

「パウエル議長講演」

「"経済は持続可能な水準に減速"」

「"景気先行きの不透明感が高まる"」

「"緩和織り込みは時期尚早"」

「米国株高・金利急低下・ドル安」

「来年3月までの利下げ確率は6割に上昇」

 

 

12月1日の米国株は上昇しました。上昇率は、NYダウが0.8%、ナスダック指数が0.5%でした。小型株の値動きを示す「ラッセル2000」は約3%の上昇率です。

 

 

金利低下です。10年債利回りは0.14%Pほど低い4.21%台まで低下しました。金利低下を受けてドルが下落、株価上昇です。

 

 

NYダウ採用銘柄における上昇率上位は、

 

ウォルグリーン

ナイキ

セールスフォース

キャタピラー

ジョンソンアンドジョンソン

 

です。幅広い業種で上昇しています。一方で、下落率ランキング上位は

 

インテル

マイクロソフト

ウォルマート

 

です。

 

 

1日にはパウエル議長の講演内容が公表されました。マーケットでは、金利低下の反応となりました。FED WATCHによると、来年3月までに利下げが実施される確率は約60%(前日43%、1週間前21%)に上昇しました。来年6月までに3回の利下げが実施される確率は44%(前日19%、1週間前4%)に上昇しています。

 

 

パウエル議長の会見内容を以下に抜粋して引用します。

 

 

「労働市場は非常に好調。労働者の需要と供給のバランスを取り戻しつつある。経済は、より持続可能な水準に向かって減速している。この緩やかな減速は、FRBがインフレ抑制のために経済成長を減速させようとしていることも一因となっている」

 

 

「賃金上昇率は依然として高いが、長期的には2%の物価上昇率に見合う水準へと徐々に移行しており、インフレ率の低下とともに実質賃金も再び上昇している」

 

 

「インフレ率は10月までの12ヵ月間で3%まで低下したが、変動しやすいエネルギー価格と食品価格を考慮した「コア」インフレ率は3.5%で、目標の2%を大きく上回っている」

 

 

10月までの6ヵ月間、コア・インフレ率は年率2.5%で推移した。ここ数ヵ月間のインフレ率の低下は歓迎すべきことだが、2%という目標を達成するためには、この進歩を続けなければならな」

 

 

「高インフレは当初、旺盛な需要とパンデミックによる供給制約の衝突から生じた。需給環境の正常化は、過去2年間の金融政策と金融環境全般の大幅な引き締めと同様に、これまでのインフレ抑制に重要な役割を果たした」

 

 

「金融政策は経済情勢に遅れを伴って影響を与える。金融引き締めの効果はまだ十分に現れていない」

 

 

「景気の先行きに対する不透明感は異常に高まっている」

 

 

FOMCは、インフレ率を長期的に2%まで低下させることに強く約束している。インフレ率がその目標に届くと確信されるまで、制限的な政策を維持する」

 

 

FOMCが十分に制限的なスタンスを達成したと結論付けるのは時期尚早だ。また、いつ政策が緩和されるかを推測するのも時期尚早だ。私たちは、そうすることが適切になれば、さらに政策を引き締める用意がある」

 

 

「我々は、入ってくるデータの全体像と、経済活動とインフレの見通しに対するそれらの意味合い、およびリスクのバランスに基づいて、会合ごとに決定を下している」

 

 

                 ☆

 

 

引用が長くなりましたが、パウエル議長は「いつ金融政策が緩和的になるか、マーケットが織り込むのは時期尚早だ。やる時は利上げもやるぞ」と結論付けています。しかし、インフレ抑制の目的を達成するプロセスに自信を示しています。また「景気の先行きに対する不透明感が異常に高まっている」との部分は、「来年の利下げ」の発想をもたらします。

 

 

「利上げが必要ならするぞ」の結論にも関わらず、マーケットは「ここまでの順調なプロセス。インフレ抑制への自信」を金利低下の材料として消化しています。

 

 

                 ☆

 

 

ISMが1日発表した11月の製造業景況指数は、前月比変わらずの46.7となりました。こちらも対象企業のコメントを抜粋して、以下に掲載します。

 

 

「景気は劇的に減速している。冷延鋼板のようにコストが爆発的に上昇している在庫を積み増すため、在庫レベルの適正化を図る」[コンピュータ&エレクトロニクス製品]

 

 

「経済の軟化を感じる。2024年予測は、特にコスト面で厳しい」 [化学製品]

 

 

「マイクロチップの供給問題はすべて解決された。3年間続いたチップ不足にようやく終止符が打たれた。材料価格は横ばい。サプライチェーン問題は、全米自動車労組(UAW)のストライキ中の困難の結果、いくつかの地域で続いている」 [輸送機器]

 

 

「顧客の設備投資が早期に後退した。第4四半期の受注残は減少した」{機械}

 

 

 

「自動車販売は依然としてUAWストの影響を受けている。ストライキ期間中に増加した在庫レベルを下げる必要もある。これは12月に起こる可能性が高い」[金属加工製品]

 

 

「顧客からの注文が2024年第1四半期にずれ込んだた。期末在庫が膨らんだ。[その他の製造業]

 

 

UAWのストライキ後、顧客がオンラインに復帰。ストライキ・バンクとして構築された在庫を消費している。現在の在庫水準は高すぎるが、受注は好調を維持」 [基礎金属]

 

 

「資金調達コストの高騰が住宅投資需要を減退させている。生産と完成品在庫のために仕入れを減らしている」 [木材製品]

 

 

12月2日午前7時30分記

 

 

 

 

お知らせ

お知らせ一覧