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「個別株物色中心、双日が大幅高――ベトナムの食糧市場を学ぶ」

 

 

11月28日の東京株式市場では売り買い交錯となりました。個別株物色中心の展開です。

 

 

中堅商社の双日(2768)が大幅高です。双日は27日、27年3月期を最終年度とした中期経営計画を発表しました。25年3月期~27年3月期の3か年の平均利益を1200億円超とします。配当も強化します。前日段階で同社の時価総額は約7000億円でした。利益水準と比べて株価が評価不足と見た投資家の買いが先行しているようです。

 

 

双日では、それに先立つ22日、ベトナムの業務用食品卸最大手の「Dai Tan Viet Joint Stock Company」(「NEW VIET DAIRY」)の買収を発表しています。22年実績の売上高が約370億円の企業です。

 

 

買収発表資料における双日の説明文を以下に引用します。ちょっと長いのですが、ベトナムの食糧市場を知るうえで勉強になります。

 

 

「ベトナムの外食市場はデリバリーと店内飲食の両面において需要が急増していることから、成長が期待される領域です。NEW VIET DAIRY の業務用食品事業およびフードサービス事業では、国内外のサプライヤー約100社の約2,000品目を取り扱い、約6,000の中高級クラスのホテルや飲食店を顧客としています。とくに食生活の多様化により需要が増加している輸入牛肉やチーズなどの取扱量はトップクラスです。」

 

 

「ベトナムの乳製品市場は、中間所得層の増加に伴い、今後数年で約84億ドル規模に拡大し、年平均成長率は8%超となることが見込まれています。NEW VIET DAIRYは、ニュージーランドの乳業最大手のフォンテラから乳原料をベトナムに輸入し、粉ミルクなどを製造する乳製品メーカーに供給しています。短納期や小ロットの受注など顧客ニーズに即した対応にも定評があり、売上高ベースでシェア約4割を占め、業界トップです。」

 

 

中期計画でいかに将来の利益拡大・配当増加を示したとしても、実際に収益が増えなければ、配当の原資が確保できません。いかに将来の収益を稼ぐのか、M&A等の具体的な戦略が打ち出されると、投資家は将来ビジョンを評価しやすくなります。双日の株価は22日から続伸しています。買収戦略が評価されていたところ、中期計画で将来の収益拡大の具体像を示されたことで、投資家の意識が高まりました。

 

 

                ☆

 

 

半導体ウエハーメーカーのSUMCO(3436)が28日、5月29日に付けた高値を約半年ぶりに更新しました。この時期にSUMCOが半年ぶりの高値更新となったのですから、やはり「2024年の半導体市場は回復する」との基本トレンドの元で株式投資を考えることになります。

 

 

11月28日午後3時15分記

 

 

 

 

 

 

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