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「33800円台に乗せると、日経平均の日足は陰線になる」

「20日、24日、そして本日も...」

「ファーストリテイリング、5か月ぶりの高値更新」

「11月は日経平均優位、年初来上昇率でTOPIXを逆転」

「本日は銀行株高、再びTOPIX優位になるのか?」

 

 

 

11月27日の東京株式市場では、朝方こそ上昇したものの、徐々に売り物に押される展開となりました。

 

 

日経平均は、寄り付き後まもなく33800円台に乗せました。先週来、取引時間中の33800円台乗せは、20日、24日に続き、3回目です。いずれの日も、始値よりも終値が安い「陰線」となりました。33800円を超えると、取引時間中の売りが優勢となり、短期的に上値を買う意欲が減退する投資家心理が浮き彫りになります。

 

 

今後、33800円乗せを何度か実現するうちに、売りが薄れて、値持ちの良さが発揮されるのか、そこが注目点です。例えば、マイナスで始まった日経平均が徐々に下げ渋りからプラスに転じて、さらに取引時間中の買いが優勢になって終値で33800円を超える展開になれば、心理面が変わってくると考えられます。

 

 

                 ☆

 

 

ファーストリテイリングが27日、6月19日に付けた年初来高値を、約5か月ぶりに更新しました。日経平均への影響が最も大きな株です。日経平均に占めるウエートが11.0%(24日段階)に達しています。

 

 

「日経平均に占めるウエート11%」を、わかりやすく説明しましょう。このファーストリテイリングの株価が0円になって、他の224銘柄の価格が不変ならば、日経平均は11%(約3700円)下げることを意味します。33500円のうち、3700円はファーストリテイリングが占めているのです。

 

 

日経平均採用225銘柄合計の時価総額は614.75兆円(24日)です。ファーストリテイリングの時価総額は約11兆8000億円です。時価総額に占める比率は1.9%です。時価総額の比率が1.9%しかないのに、価格構成比は11%です。「日経平均への影響度の最も大きい株」です。

 

 

日経平均は足元で今年の最高値を付けています。一方で、TOPIXは9月15日に今年の高値2438.02Pを付けています。現在、TOPIXは9月高値まで1.9%ほどの距離を残しています。

 

 

日経平均は225銘柄の株価を足していく単純平均型の指数です。一方で、TOPIXは時価総額の動きを反映する加重平均型の指数です。ファーストリテイリングのような「時価総額と比べて日経平均への影響が大きい株」が上昇すると、日経平均の動きがTOPIXよりも相対的に良くなります。

 

 

本日のファーストリテイリングの5カ月ぶり高値更新は、「日経平均のTOPIXと比べた優位性」を象徴しています。

 

 

日経平均の24日終値は、22年末に対して28.8%上昇しています。一方で、TOPIXの上昇率は26.3%です。日経平均のパフォーマンスはTOPIXを上回っています。

 

 

しかし、今年10月末の株価を昨年末と比べると、

 

10月末まで上昇率(昨年末比)

日経平均 +18.2

TOPIX   +19.1

 

 

でした。10月末までのパフォーマンスは、TOPIXの方が日経平均を上回っていました。従って、11月に入ってから日経平均の相対的パフォーマンスがグンと良くなっていることがわかります。11月のパフォーマンスを以下に示します。

 

 

1124日までの上昇率(10月末比)

日経平均 +8.9

TOPIX    +6.0

 

 

米国金利のピークアウト、利上げ打ち止めを受けて、グロース株(高PBR銘柄)が大きく上昇しました。それが、11月における日経平均のTOPIXと比べた優位性をもたらしました。

 

 

しかし、日本株の他国株と比べた優位性は企業の経営改革から生まれるはずです。ならば、今後は低PBR銘柄群の経営改革が評価されてバリュー株(低PBR銘柄)が再び優位になるのか、そこが注目点です。バリュー株の経営改革が評価されれば、再びTOPIXは高値を更新するでしょう。

本日、銀行株が買われる一方で、高PBRの半導体製造装置メーカーには安い株が目立っています。高値更新のファーストリテイリングもマイナスに転じる場面が目立っています。これがバリュー株が再び優位性を取り戻す兆しなのか、注目されます。

 

 

                  ☆

 

 

ファーストリテイリングと同じ衣料品チェーンでは、しまむら(8227)も高値更新です。しまむらが24日発表した11月の月次売上高(20日締め)は104.3%となりました。

 

 

しまむらの月次売上高(既存店)

9月  99.6

1098.6

11104.3

 

 

11月の月次売上高は、西松屋チェーンも前年同月比7.8%の増加となりました。気温が高かった9月~10月の秋物・冬物衣料品の販売は不調でした。11月の月次売上高は、気温の低下で好調な結果となっています。ファーストリテイリングの高値更新も、11月月次売上高への期待値が効いていると考えられます。

 

 

ファーストリテイリングの高値更新が、グロース株買いの最終段階の現象なのか、それともグロース株人気の継続を示すものなのか、銘柄選択傾向を見る上で重要です。同社の11月月次売上高の内容と株価の反応が注目されます。

 

 

11月28日午後3時10分記

 

 

 

 

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