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「11月以降の上昇率、日経平均は20日高値まで9.7%―――ナスダック指数の9.9%と強い連関性」

 「TOPIXグロース株指数>TOPIXバリュー株指数」

 

 

11月20日の東京株式市場では、日経平均が一時、6月19日に付けた年初来高値33772円を更新しました。

 

 

TOPIXは9月に2438Pの高値を付け、まだそこまで距離を残しています。日経平均とTOPIXの20日前場高値、及び10月31日と比べた変動率を見てみましょう。

 

20日前場高値(1031日比)

日経平均33853円(+9.7%)

TOPIX  2404P(+6.7%)

 

 

11月以降の東京株式市場では、日経平均がTOPIXを上回るパフォーマンスを見せています。日経平均への影響度の大きいグロース株(高PBR銘柄)の動きが相対的に良くなっています。

 

 

TOPIXバリュー株指数(低PBR銘柄群)とTOPIXグロース株指数(高PBR銘柄群)の20日前場の高値、及び10月31日と比べた上昇率も以下に示します。

 

 

TOPIXバリュー株指数2,727.71(+5.0%)

TOPIXグロース株指数3,012.39(+8.5%)

 

 

TOPIXグロース株指数の11月以降の上昇率は8.5%に達し、同期間のバリュー株指数の上昇率5.0%を大きく上回っています。

 

 

「米国金利ピークアウト」が、今の銘柄選択傾向につながっています。投資家は金利ピークアウトを見て、今後の景気の方向性はやや下向き、金利も下向くと意識します。そうなると「景気敏感株・バリュー株」の動きが相対的に悪くなります。一方で「ビジネスモデルを確立したGAFAMを軸とするグロース株」の方が優位になります。

 

 

「業績が上向かない中で、金利低下がクッションになる株式市場」では、利益が増えない中でPERの強張りが株価を支えます。そのように考える投資家がグロース株を選択しています。

 

 

日本株には「GAFAM」のような株は、存在しません。だから、半導体製造装置メーカーやキーエンス、SMC、ファナックなどの「高財務体質の高PBR銘柄」がGAFAMの代役を担います。

 

 

総合商社や鉄鋼株、銀行株、機械株、海運株など「景気敏感株、金利敏感株」よりも「グロース株」の方が、上昇しやすくなる傾向です。設備投資関連株は景気敏感株なので動きは相対的に悪くなるはずですが、日本株の場合、キーエンスやSMC等のピカピカのグロース株に設備投資関連株に位置する株が存在します。それが「設備投資関連株全般は弱いけれども、キーエンスは大幅高」という、ちょっと説明の難しい状況をもたらします。

 

 

例えば、10月30日にキーエンスが8%上昇した時、アマダやオークマ、コマツ、日立建機など多くの機械株が下げていました。この現象は説明が難しいですね。

 

 

NYダウとナスダック指数の11月以降の上昇率もチェックしておきます。

 

 

11月以降の上昇率

NYダウ   +5.7

ナスダック指数+9.9

 

 

やはり、グロース株の多いナスダック指数の上昇率がNYダウを上回っています。11月に入ってからの強さの順番を付ければ、

 

  • ナスダック指数
  • 日経平均
  • TOPIX
  • NYダウ

 

 

となります。ナスダック指数の上昇率が9.9%、日経平均が9.7%です。ほぼ同じです。ナスダック指数と日経平均の強い連動性を示します。

 

 

もちろん、これはあくまでも11月月間の実績です。実績が将来の傾向にそのまま当てはまるものではありません。

 

 

日本株に投資する場合、企業側アクションをしっかり受け止めることが大切とと考えます。パナソニックHDは自動車部品事業をファンドに売却すると17日午後2時に発表しました。構造改革を具現化する行動を投資家は高く評価し、17日、20日とも上昇しています。パナソニックHDの株価は、10月末に対して、本日前場高値まで22.7%も上昇しています。

 

 

個々の日本企業が経営改革の実現に力を入れれば、その結果として日本企業全体の時価総額は増加します。経営改革のツールとしてM&Aが使われます。よって、M&Aが活発化すると、株価は上がる傾向となります。

11月20日午後3時10分記

 

 

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